もう一度、8人でRSS
2012年01月03日 22時34分
「まさか、ここで終わるはずではなかったので…ちょっとショックというか、何で勝てなかっただろうというのが…」
WJBL7位の新潟アルビレックスBBラビッツ(以下、新潟)の高橋礼華選手は何とかそう言葉を振り絞りました。女子のベスト8をかけた本日の最終試合で、新潟は大学2位の大阪人間科学大学に【54-66】で敗れてしまいました。
試合は終始、大阪人間科学大のペースで行われ、新潟がリードする場面は一度もありませんでした。
「パスの回し方も遅かったし、決めるべきところのシュートが決まらなかった。ディフェンスでもスイッチミスが多かったり、そういったミスが積み重なって、相手の波に乗らせてしまったんじゃないかと思います」
高橋選手がそう振り返るとおり、とにかく新潟のミスが目立った試合でした。高橋選手はディフェンスでのミスを挙げていますが、オフェンスでのターンオーバーも大阪人間科学大より10回の多い25回もおかしています。前身である日本航空JALラビッツの精密さがまったく見受けられませんでした。そのことを荒順一ヘッドコーチにぶつけると「相手に当たられたときに個人個人が解決できない。逃げながらバスケットをやっているんです。試合でのキャリアのなさが出ていますね」と悔しげに言っていました。
そういったことは本来、厳しい練習の中で解決していくしかありません。しかし仕事をしながらの練習で、しかもメンバーが8人しかいないということも影響しているのでしょうか。高橋選手はそれについてこう言います。
「それはあるかもしれませんが、そういったことを挙げればキリがないと思います。何を言っても最終的には言い訳になってしまうのかなと思うので、素直に今日の負けを認めて…」
立て直します、と続けたかったのでしょう。でも、そこから先は言葉よりも涙しか出てきませんでした。女子のトップリーグであるWリーグのチームが大学生に負けたという悔しさと、彼女自身を見れば、一昨年にチェコで行われた「第16回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会」に出場した日本代表選手でもあるわけです。「自分としては思いきりやらせてもらえている」だけにこんなはずでは、という思いでいっぱいだったのでしょう。
この涙を本物の力に変えるかどうかは自分次第です。大学生に負けたという、屈辱をバネに目の前にある壁を乗り越えたとき、高橋選手をはじめとする「新潟アルビレックスBBラビッツ」というチームは次のレベルにステップアップできるのだと思います。今いる8人で乗り越えるしかありませんし、乗り越えてもらいたいと思います。
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