最後まで高校王者らしかった延岡学園高RSS
2012年01月02日 01時11分
やはり「高校3冠」はフロックではありませんでした。
本日の4試合目に登場した高校選手権・延岡学園高は、JBL2で3位のレノヴァ鹿児島と対戦し、【67-85】で敗れはしたものの、第3ピリオドの途中までリードをするなど大健闘を見せてくれました。北郷純一郎コーチも「高校生らしく最後まで頑張ったゲームだったと思います。選手たちもゲームを楽しんだんじゃないでしょうか。上には上がいるということで勉強にもなったでしょうし…まぁ、彼らにとっては負けることも勉強でしょう」とゲームを振り返っていましたが、まさに彼らはゲームを楽しみ、これから自分たちが進んでいくかもしれない道の先を少しでも感じることができたのではないでしょうか。
ウインターカップが終わってから2日間、練習会場の問題などもあって、選手たちはまったく練習をしていなかったそうです。それでも途中までリードができていた要因をエースのベンドラメ礼生選手はこう言っています。
「最初から気楽に臨めて、思いきりできたので、硬くなることがなかったから、いいリズムでゲームができたんだと思います」
もしかしたら、硬くなっていたのはレノヴァ鹿児島の選手のほうかもしれません。格の違いを見せつけなければいけないという思いに苛まれ、自分たちのペースが掴めない。しかし相手は高校生とはいえ、今年度3回行われた全国大会では1度も負けなかった選手たちです。常に昨日の自分を越えるべく高みを目指し続けていた、その実力に間違いはないわけで、それに加えて相手は格上なのだから負けても失うものはないという思いきりのよさも出て、いいリズムを掴んだのでしょう。
ベンドラメ選手は2日間の休養について、
「試合前のウォーミングアップでビックリしました。体が重くて全然飛べないし、ボールも12面体に変わって(JX-ENEOSウインターカップ2011ではナイキ製の8面体のボールを使用していましたが、オールジャパン2012ではモルテン製の12面体を使用しています)、全然感覚が違うからまずいなと思っていました。普段でも2日間連続で休むことはないし、1日休みがあっても自主練習をやっているので、2日間ボールを触らないのは帰省のときくらいしかなくて…」
と言っています。
ある意味で完全休養が2日間もあったことがコンディショニングを含めて、最終的に18点も開いた原因なのかもしれません。
これでベンドラメ選手をはじめとした延岡学園高3年生の高校バスケットは幕を下ろしました。「このチームはとても強いので、このチームでまだやっていきたいという気持ちがあります…さみしいですね」とベンドラメ選手は言います。それでもこのチームで得た経験は間違いなく次のステージや、今後彼らが生きていくうえでプラスになっていくと思います。それはスタメンの選手たちだけではなく、ベンチメンバーも含めてです。ベンドラメ選手の次の言葉がそれをよく示しています。
「このチームが強かったのは、2年生だった昨年から主体でやってきたというのもあるし、身近にBチームという今まで戦ってきた中で一番強いチームがいて、そのチームと日ごろ5対5をして、切磋琢磨し合ったので、それでチームのレベルが上がったんだと思います」
すべての選手に、自信を持って次のステージへと向かってほしいところです。
逆にレノヴァ鹿児島にはこの試合を1つの教訓として、明日の拓殖大学戦に臨んでもらいたいと思います。延岡学園高の北郷コーチは「負けて元々。思いきり楽しもう」と言いながらも、勝負は捨てていませんでした。「残り3分のところでも『まだ追いかけられる』と言っていましたから」(北郷コーチ)。それは選手も同じこと。勝負の舞台に立っているわけですから、相手がどんな格上だろうが、格下だろうが、全力で戦い抜き、そのうえに楽しみを感じてもらいたいと思います。
年を重ね、経験を積めば積むほど、勝負の先が見えてくるものなのかもしれません。それでも最後まで諦めなかった延岡学園高の、高校王者らしい姿勢に「あっぱれ」をあげたいと思います。
■チケット情報
今大会のチケットは、「チケットバスケット」をはじめ、各プレイガイドにて販売中です。
チケットの詳細は、チケットページにてご確認の上、お早めにお買い求めください。
大会第2日目となる明日、2012年1月2日(月・祝)は、当日券販売開始時間(場合によって早まる可能性があります)、開場時間ともに、11:00からとなります。是非、会場へ足を運んでください。
[ 記事URL ]