チームの“輪”で日本一を目指す!RSS
2014年01月10日 11時23分
明日、1月11日(土)から「オールジャパン2014」はクライマックスを迎える。気がつけば男子はトーナメント表の4つ角、つまりはNBLの上位4チームが順当に勝ち上がり、女子も4つ角ではないものの、WJBL5位の三菱電機 コアラーズが同4位のシャンソン化粧品 シャンソンVマジックを破ってのベスト4入りし、ほぼ順当と言っていい。むろん敗れたチームに力がなかったわけではなく、勝ち上がるチャンスも十分にあったが、それを退けて4強入りした男女8チームは、さすがというしかない。
だが戦いはここからさらにヒートアップする。
男子は優勝予想がまったく立たない。
推薦順位ではアイシンシーホース三河が1位だが、準決勝の対戦相手、トヨタ自動車アルバルク東京とは一昨年のオールジャパン2012の決勝で戦い、そのときはトヨタ東京が勝っている。昨年のオールジャパン2013では対戦していないだけに、観客のみならず、お互いにとっても2年ぶりの熱い戦いを切望していることだろう。ともに昨年、一昨年とはメンバー構成が変わっている。アイシン三河は男子日本代表のシューター・金丸 晃輔選手、スーパールーキー・比江島 慎選手が加わり、トヨタ東京にはハードワーカーの菊地 祥平選手が加入している。彼らがチームにどんなアクセントを加えるのかにも注目したい。
もう一方の和歌山トライアンズと東芝ブレイブサンダース神奈川の対戦も興味深い。ニック・ファジーカス選手を中心に据え、ポイントガードに篠山 竜青選手、シューターに辻 直人選手といった若くて、力のある選手を配する東芝神奈川は、リーグで26試合戦って2敗しかしてない(1位のアイシンと同じ勝敗数)。一方の和歌山にはパナソニックトライアンズとして昨年のオールジャパン2013の優勝を経験した選手が半数いて、そこに日本が誇るスコアラー・川村 卓也選手も加わっている。実力は同等と見ていい。
「オールジャパンは外国籍選手がコートに1人しか立てませんが、インサイドはこちらのほうが分はあると思っています。東芝は若いチームなので、勢いに乗らせずに、ディフェンスとリバウンドで崩していけば勝機は十分にあると思っています」
昨年の優勝を経験している和歌山のポイントガード、木下 博之選手は自信を見せる。
女子は日本代表の主力を多く抱えるJX-ENEOSサンフラワーズが一歩リードしているかに見えるが、勝負の行方は予断を許さない。なにしろそのJX-ENEOSに今シーズン唯一の黒星をつけている三菱電機が準決勝の相手だからだ。日本代表のシューターでもある三菱電気のキャプテン、宮元 美智子選手は言う。
「JX-ENEOSはインサイドが強力。1人では守れないので、チームでしっかり守って、リバウンドも全員で取りにいかなければいけません。攻撃では王 新朝喜選手のインサイドを守ってくると思うので、私たちアウトサイド陣が積極的にシュートを打っていきたいです」
櫻木千華選手を怪我で失った三菱電機だが、それでも宮元選手や王選手といった日本代表でも活躍した2人の力は侮れないところである。
富士通 レッドウェーブとトヨタ自動車 アンテロープスも壮絶な戦いになるだろう。トヨタ自動車はオールジャパン2013の準決勝で富士通を4点差で下して、その勢いのまま初優勝を果たしている。このカードが決勝戦への大きなステップになる可能性は今年も十分に秘めている。トヨタ自動車は富士通のエース・長岡 萌映子選手をどのように抑え込むのか。富士通は、老獪でありながら、川原 麻耶選手、栗原 三佳選手といった若手の勢いもあるトヨタ自動車にどのような戦いぶりを見せるのか。見どころ満載のゲームになりそうだ。富士通の司令塔、町田 瑠唯選手が言う。
「最終的にはディフェンスとリバウンド勝負になると思います。でも富士通のほうがトヨタ自動車よりもサイズがあるので、センターやフォワードの力強いポストアップをうまく使いながら、アウトサイドが空けば積極的にシュートを打っていきたいです」
若さの勢いか、ベテランの妙味か。
日本を代表するポイントガードで、アイシン三河の司令塔でもある柏木 真介選手が、準決勝以降に向けて、こんなことを言っていた。
「いいメンバーがいても、チームで戦えなければ勝てません」
2014年最初に日本一に輝くチームはどこなのか。混戦を抜け出すキーワードは2013年の「今年の漢字」なのかもしれない。
ちなみに今週末はこの冬一番の寒波が訪れるそうだ。昨年のような大雪になることはないだろうとテレビの気候予報士は言うが、代々木第1体育館は昨年と同じように熱い「日本一決定戦」になる。
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