【男子展望】広島で締めくくるオレたちのストーリーRSS
2012年12月20日 22時18分
バスケット界の冬の風物詩「ウインターカップ」――今年度の正式名称「『東日本大震災』被災地復興支援 JX-ENEOS ウインターカップ2012 平成24年度 第43回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」が、今年は東京から離れ、12月23日(日・祝)から29日(土)まで、広島県立総合体育館で行われる。広島で開催されるのは、例年舞台となっている東京体育館が国民体育大会に向けた改修工事をするためで、東京以外で開催されるのは第18回大会(1988年)の神戸以来のこと。しかもその第18回大会までは3月に行われており、一般的には「(春の)選抜」と呼ばれていた。そのため、「ウインターカップ」と呼ばれるようになってからは初の東京外開催となる。
さて、そんな「JX-ENEOSウインターカップ2012」開幕まであと3日、ここではまず男子の組み合わせを展望してみたい。
大会をリードするのはインターハイ優勝の宮崎・延岡学園と、インターハイ準優勝、国体優勝の京都・洛南。延岡学園は昨年いわゆる「高校3冠」を達成していて、そのときの主力メンバーの一人、ジョフ・チェイカ・アハマド バンバが今年も残っている。高さやパワーだけではなく経験もあるだけに、留学生のなかでも特に脅威の存在となるだろう。また、ポイントガードの寺園 脩斗は、男子U-18日本代表として、8月の「第22回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」にも出場しており、そこでの経験が武器として加わっている。夏とは違うプレイを見せてくれそうだ。夏との違いで言えば、チームを率いていた北郷 純一郎前コーチがインターハイ後に勇退し、内村 昌弘氏がコーチに就任したことも挙げられる。29歳の若き指揮官がチームにどんな風を吹き込んでいるかにも注目したい。
一方の京都・洛南は、キャプテンの河合祥樹を筆頭に、個性豊かで実力のあるタレントがベンチの端にまで揃っている。状況に応じたさまざまな選手起用ができ、かつ個々がその力を存分に発揮する能力も持っているため、そう簡単に大崩れをすることはない。「冬の洛南」とまで言われたチームが4年ぶりの戴冠を目指す。とはいえ、その洛南は序盤から厳しい対戦を強いられることになりそうだ。初戦の相手は、富山・富山第一と秋田・県立能代工業の勝者。富山第一は初出場ながら、男子U-18日本代表の馬場 雄大を擁しており、「必勝不敗」の県立能代工業といえども簡単に勝てる相手ではない。そんな注目カードを突破して波に乗ったチームと、洛南は初戦を争うのである。入り方を間違えると、一気に足元をすくわれる可能性がある。そこを突破しても、次に待つのはおそらく宮城・明成だろう。インターハイでは洛南が勝っているが、相手は男子U-18日本代表のヘッドコーチでもある佐藤 久夫コーチの率いるチームである。インターハイで苦しんだゲームコントロールを含め、夏の課題は4ヶ月でしっかりと克服しているに違いない。齊藤 拓己のシュート力、森 知史のインサイドプレイにも磨きがかかっていれば、メインコート一歩手前のこの対戦は激しい戦いになるだろう。
おもしろい対戦カードとしては、香川・尽誠学園と埼玉・正智深谷のリベンジマッチが挙げられる。この2校は今夏のインターハイで対戦し、そのときは正智深谷が勝っている。しかもシード校として待ち構えていた尽誠学園が、1回戦を勝ち抜いてきた正智深谷にそのまま突破されている。ウインターカップでは立場が逆転し、正智深谷がシード校として尽誠学園の勝ち上がりを待つことになるが、それだけにこの対戦がどのような結末を迎えるのか注目したい。また尽誠学園で忘れてはならないのが、身長200cmでポイントガードもこなせるオールラウンダー、渡邉 雄太の存在。男子U-18日本代表のキャプテンとして、チームをアジア選手権の4位に導き、昨年は年齢制限のない日本代表としても国際大会の舞台に立っている。日本の未来を担う逸材だけに、その一挙手一投足には自然と注目が集まるだろう。その注目をかいくぐり、自分のプレイをしたうえで、チームをまとめることもできれば、高校生活最後の大会を笑顔で締めくくることができるはずである。
このように注目カード、注目校を挙げようと思えば、まだまだ挙がる。例えば、長野・東海大学付属第三が第1シードの延岡学園に対してどのようなディフェンスをしてくるのか。また、昨年のリベンジマッチとなる福井・北陸と青森・県立弘前実業の対戦はどうなるのかに加え、その勝者は、インターハイベスト4の八王子を破って今大会の出場を決めた東京・京北と対戦となることも注目と言えるだろう。 さらには、福岡第一を破って名実ともに福岡代表として出場権を獲得した、前回大会4位の福岡大学附属大濠の2年生コンビ・青木保憲と杉浦佑成の活躍にも期待がかかる。茨城・土浦日本大学と山形・県立山形南の対戦はいい意味で男臭い、熱のこもったゲームになりそうである。
初出場校5校のうち、今夏のインターハイにも出場しておらず、文字どおり全国初舞台の奈良・大和高田市立高田商業と山口・県立柳井がどんなプレイを見せてくれるのか。第2回大会(1972年)以来41年ぶりの出場となる和歌山・県立和歌山北は、41年前の出場選手が応援に駆け付けるかもしれないと想像すると、その応援席にも注目したい。
いずれにせよ、彼らはみんな、自分たちの手で紡いできたストーリーを広島の地で締めくくることになる。有力校であるなしに関わらず、彼らの思いをできる限り、かの地で受け止めたい――ウインターカップ2012開幕まで、あと3日!
さて、そんな「JX-ENEOSウインターカップ2012」開幕まであと3日、ここではまず男子の組み合わせを展望してみたい。
大会をリードするのはインターハイ優勝の宮崎・延岡学園と、インターハイ準優勝、国体優勝の京都・洛南。延岡学園は昨年いわゆる「高校3冠」を達成していて、そのときの主力メンバーの一人、ジョフ・チェイカ・アハマド バンバが今年も残っている。高さやパワーだけではなく経験もあるだけに、留学生のなかでも特に脅威の存在となるだろう。また、ポイントガードの寺園 脩斗は、男子U-18日本代表として、8月の「第22回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」にも出場しており、そこでの経験が武器として加わっている。夏とは違うプレイを見せてくれそうだ。夏との違いで言えば、チームを率いていた北郷 純一郎前コーチがインターハイ後に勇退し、内村 昌弘氏がコーチに就任したことも挙げられる。29歳の若き指揮官がチームにどんな風を吹き込んでいるかにも注目したい。
一方の京都・洛南は、キャプテンの河合祥樹を筆頭に、個性豊かで実力のあるタレントがベンチの端にまで揃っている。状況に応じたさまざまな選手起用ができ、かつ個々がその力を存分に発揮する能力も持っているため、そう簡単に大崩れをすることはない。「冬の洛南」とまで言われたチームが4年ぶりの戴冠を目指す。とはいえ、その洛南は序盤から厳しい対戦を強いられることになりそうだ。初戦の相手は、富山・富山第一と秋田・県立能代工業の勝者。富山第一は初出場ながら、男子U-18日本代表の馬場 雄大を擁しており、「必勝不敗」の県立能代工業といえども簡単に勝てる相手ではない。そんな注目カードを突破して波に乗ったチームと、洛南は初戦を争うのである。入り方を間違えると、一気に足元をすくわれる可能性がある。そこを突破しても、次に待つのはおそらく宮城・明成だろう。インターハイでは洛南が勝っているが、相手は男子U-18日本代表のヘッドコーチでもある佐藤 久夫コーチの率いるチームである。インターハイで苦しんだゲームコントロールを含め、夏の課題は4ヶ月でしっかりと克服しているに違いない。齊藤 拓己のシュート力、森 知史のインサイドプレイにも磨きがかかっていれば、メインコート一歩手前のこの対戦は激しい戦いになるだろう。
おもしろい対戦カードとしては、香川・尽誠学園と埼玉・正智深谷のリベンジマッチが挙げられる。この2校は今夏のインターハイで対戦し、そのときは正智深谷が勝っている。しかもシード校として待ち構えていた尽誠学園が、1回戦を勝ち抜いてきた正智深谷にそのまま突破されている。ウインターカップでは立場が逆転し、正智深谷がシード校として尽誠学園の勝ち上がりを待つことになるが、それだけにこの対戦がどのような結末を迎えるのか注目したい。また尽誠学園で忘れてはならないのが、身長200cmでポイントガードもこなせるオールラウンダー、渡邉 雄太の存在。男子U-18日本代表のキャプテンとして、チームをアジア選手権の4位に導き、昨年は年齢制限のない日本代表としても国際大会の舞台に立っている。日本の未来を担う逸材だけに、その一挙手一投足には自然と注目が集まるだろう。その注目をかいくぐり、自分のプレイをしたうえで、チームをまとめることもできれば、高校生活最後の大会を笑顔で締めくくることができるはずである。
このように注目カード、注目校を挙げようと思えば、まだまだ挙がる。例えば、長野・東海大学付属第三が第1シードの延岡学園に対してどのようなディフェンスをしてくるのか。また、昨年のリベンジマッチとなる福井・北陸と青森・県立弘前実業の対戦はどうなるのかに加え、その勝者は、インターハイベスト4の八王子を破って今大会の出場を決めた東京・京北と対戦となることも注目と言えるだろう。 さらには、福岡第一を破って名実ともに福岡代表として出場権を獲得した、前回大会4位の福岡大学附属大濠の2年生コンビ・青木保憲と杉浦佑成の活躍にも期待がかかる。茨城・土浦日本大学と山形・県立山形南の対戦はいい意味で男臭い、熱のこもったゲームになりそうである。
初出場校5校のうち、今夏のインターハイにも出場しておらず、文字どおり全国初舞台の奈良・大和高田市立高田商業と山口・県立柳井がどんなプレイを見せてくれるのか。第2回大会(1972年)以来41年ぶりの出場となる和歌山・県立和歌山北は、41年前の出場選手が応援に駆け付けるかもしれないと想像すると、その応援席にも注目したい。
いずれにせよ、彼らはみんな、自分たちの手で紡いできたストーリーを広島の地で締めくくることになる。有力校であるなしに関わらず、彼らの思いをできる限り、かの地で受け止めたい――ウインターカップ2012開幕まで、あと3日!
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