現地レポート

クリスマスの大一番を楽しもう!RSS

2011年12月25日 09時20分

クリスマスイブの昨日、クリスマスの今日と日本各地で高校生たちが躍動しています。大阪で行われているフィギュアスケートの「全日本選手権」、男子の部で東北高校(宮城県)の羽生結弦選手が第3位になりました。フリーだけで見れば第1位の成績でした。女子の部のショートプログラムを首位で終えたのは中京大中京高校(愛知県)の村上佳奈子選手です。今日のフリーがどうなるのか、スポーツファンとしては楽しみなところです。また京都では「男子第62回、女子第23回全国高校駅伝」が開催されます。村上選手も、駅伝に出る選手たちも精一杯の自分の演技、自分の走りをしてもらいたいです。


もちろん「JX-ENEOSウインターカップ2011」の選手たちにも、自分のプレイを見せてもらいたいと思います。


女子はベスト8をかけた戦いになります。昨日、注目する2年生として紹介した沖縄・県立西原の川上麻莉亜選手は、今日対戦する大阪・大阪薫英女学院に向けて、身長が大きく、優勝候補。自分たちは挑戦者だから、思いきりぶつかっていくだけです。思いきり楽しみたい」と言っていました。その大阪薫英女学院には沖縄出身のシューター、大城利佳選手がいます。大城選手は3年生で、川上選手から見れば1つ上の先輩ですが「チームのみんなも(沖縄出身の)大城さんには負けたくない、活躍させたくないと言っています」と教えてくれました。県外の高校に進めば、全国の舞台で同じ都道府県出身、同じ中学校出身の選手と対戦することもあります。そういった、ここでいえば「沖縄対決」という視点も楽しみの1つです。


昨日、和歌山・和歌山信愛女子短期大学附属を2点差で振り切った佐賀・佐賀清和のキャプテン小渕徳子選手は今日の試合について「今回のウインターカップの対戦を通して、一番いい試合をしたいです。相手は強いですけど、みんなで声をかけながら、頑張っていきます!」と力強く話してくれました。


 



今日の相手はインターハイ王者、神奈川・県立金沢総合です。チーム一丸になって王者に立ち向かってほしいと思います。


一方の男子は今日、シード校が登場します。その1つ、静岡・沼津中央と対戦するのは、山梨・県立市川に勝った長野・東海大学付属第三です。入野貴幸コーチは沼津中央戦についてこう言っていました。


「対策はしてきました。対沼津中央というより、対シェリフ・ソウくん。そのための準備をしてきたので、明日は今日と違う戦い方になります。ソウくんは歴代の留学生プレイヤーの中でも最高の選手だと思うので、うちが止めたいと思うし、うちがやるしかないと思っています。周りからはよく『留学生対策が得意だな』と言われるのですが、これまではバランスキー・ザック(現・東海大学1年)がいたので。今回は日本人だけのチームの、これまでのやり方にアレンジを加えたので、それがどれだけ通じるのか、私自身、楽しみでしょうがない。みなさんにも楽しみにしていてもらえればと思います」


準備してきたことが吉と出るか凶と出るか、東海大学付属第三をはじめ、今日の試合に照準を合わせてきたチームの戦いぶりに注目したいと思います。


クリスマスの大一番をみんなで楽しみましょう!

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挑戦に不可能はない!RSS

2011年12月24日 22時18分

ちょうど1ケ月前の11月24日に「JX-ENEOSウインターカップ2011」の組み合わせが決まりました。つまりそれは対戦相手が決まると同時に、出場するすべてのチームが目標を明確にする瞬間でもあります。青森・県立弘前実業にとっての「明確な目標」は、昨年度の優勝校、福井・北陸を倒すことでした。結果は――【77-71】でその目標を達成しました。


「ウォーミングアップをしているときから何かやってくれそうな気がしていて、試合前に『なんかお前ら、今日、いいな』って…科学的な根拠はまったくないんですけど、ウォーミングアップが終わって、彼らと会ったときから、何かやってくれそうな気がしていたんです。これまで苦しい道のりばかりだったので…本当に嬉しいです」



試合直後、小野公太郎コーチはそう言っていました。この1ケ月、とにかくみんなで守ることを繰り返し練習してきたと言います。


「点数の取り合いに持ち込もうかなと思ったんですけど、やはり厳しいかなと。そうなると、彼らと出会ってからずっとディフェンスばかりを鍛えてきたので、マンツーマンのディフェンスで、みんなで守って、攻めようと。指示としては、とりあえず速攻を出されないことと、リバウンドを死に物狂いで取ろうということだけでした」


その言葉どおり、全員で守って、全員でリバウンドに…北陸のリュウ孟涛選手などビッグマンたちに対しては2人がかりでボックスアウトして、他の誰かがリバウンドに飛び込んでいました。オフェンスでは山崎渉真選手が両チームトップの40得点・15リバウンドをマークしています。まさにエースの活躍でチームを引っ張りました。山崎選手自身「(高校生活)最後の大会ということもありますし、自分がやらないと勝てないという思いもあるので、とにかく得点を取ることだけに集中して、チームを引っ張っていけたと思います」と言っています。


もちろん彼だけではありません。小野コーチは他の選手たちの成長を認めています。


「今までは渉真に頼りきりだったなかで、今回は渉真が大学入試などで5日間ほど練習に出られない時期があって、そのときに周りの子たちが本当に伸びてくれました。7番の工藤駿は積極的に3Pシュートを打ってくれましたし(この試合でもベンチスタートながら3Pシュート4本を決めています)、ガードの葛西崇臣も本当にチームを引っ張ってくれました。彼は中学2年生からバスケットを始めたんですけど、本当に気持ちの強い選手で、練習を見ていても本当に感心するくらいやってくれるので、神様が見ていてくれたのかなと思います」


最後まで本当にコートに立っている5人の、いえ、ベンチメンバーや応援席で応援する仲間たちの集中力までも切れることはありませんでした。小野コーチは言います。


「ずっと応援されるチームでありたいと思ってきたんです。昨日の福島・県立福島商業もそうでしたけど、応援力というのは本当に大きい。だからこの会場に入るまでにとにかく1人でも増やそう、増やそうと言ってきました。そういった応援力が彼らの、普段は入らないようなシュートが入ったり、ローテーションの力に変わったのかなと思います。感謝しています」


もちろん、これで終わったわけではありません。明日は2回戦、千葉・県立幕張総合戦が待っています。山崎選手は言います。その言葉を信じましょう。


「自分たちのブロックは厳しいところばかりなので、一戦一戦全力でプレイしようってみんなで話し合っていたので、目標は決めていません。行けるところまで行くだけです」

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名門・桜花学園のキャプテンとしてRSS

2011年12月24日 18時38分

「JX-ENEOSウインターカップ2011」の2日目も半分の試合を終え、女子のベスト16が出そろいました。例年だとシード校のうち何チームかが波乱に巻き込まれるのですが、今年のシード校は初戦の怖さをよくわかっているのでしょう、順当にベスト16に進みました。もちろん完璧な試合運びというわけではありませんが、これから徐々にペースを上げていくのでしょう。



そのなかで少し気になったのが女王、愛知・桜花学園です。ベンチから井上眞一コーチが何度も声を張り上げる場面がありました。「絶対的な女王」という数年前の風格は、少なくとも今大会のチームからは感じられません。それでも負けない、どんなに内容が悪くても2回戦で負けるようなことはないところは「さすが桜花」です。


試合後、そんなチームをまとめるキャプテンの三好南穂選手に少し話を伺うことができました。三好選手は下級生主体になっている今年のチームで、唯一3年生としてスタメン起用されている選手です。


「今日のゲームはもっと最初から離すようなゲーム展開にしたかったんですけど、先生(井上コーチ)のやりたいことを自分が今、コートのなかでやりきれていないんです。そういうところが今日も離せなかった原因だと思います。今年の桜花学園は1年生が中心のチームということもあって、その1年生が思いきりプレイするのはいいことだと思っているんです。でもそこでやりすぎるときに自分が『待て!』とブレーキをかけなければいけないんですけど、それができていない…」


名門・桜花学園のキャプテンというのは、我々が想像する以上にプレッシャーのかかる立場なのでしょう。しかも最上級生でありながら、今年のチームは「自分たちの代」となかなか言いきれない。秋の国体で負けた後、井上コーチは負けた直後ということもあって、「(気持ちはすでに)来年、来年。これからは完全に下級生チームに切り替える」とまで言っていました。そう言われれば、3年生としても、キャプテンとしても悔しさがあるでしょう。



ただ秋の国体のときに比べると、ヒル理奈選手など他の3年生の出場時間が伸びてきています。高校生活最後の大会に向けて、少しですが桜花学園が変わってきたようにも見えました。


「インターハイのときに3年生がダメで下級生チームになっていくなかで、秋の国体ではまだ3年生が気持ちの切り替えができていませんでした。だからチームにも貢献できていませんでした。でもウインターカップに向けて、3年生がすごくよくなってきて、1年生がスタメンで出ていくにしても、そのあとにゲームを作っていけるようになっていると思います。特にこの1カ月くらい3年生がすごく集中できていて、チームみんなで勝つんだという気持ちになっています」




桜花学園は前身の名古屋短期大学付属高校時代を含めて、ウインターカップ(春の選抜を含む)で17回優勝しています。これは今大会出場している男女100チームを合わせてみても、男子の秋田・県立能代工業の20回に次ぐ記録です。


そして三好選手たちが1年生のときには、渡嘉敷来夢選手(現JXサンフラワーズ)を擁して優勝しています。昨年はメインコートの一歩手前、つまりはベスト8のところで東京・東京成徳大学に敗れています。優勝の喜びと、メインコートに立てない悔しさを知る三好選手としては、何としても優勝で高校生活を終えたいところでしょう。



「今年のチームは先生に怒られると少し暗くなるところがあります。だから本当は今日から調子を上げていかなければいけなかったんですけど、明日からもう一度切り替えていきたいと思います」


名門チームのキャプテンという重責を全うし、苦しかった日々を乗り越えたときに、また1つ大きく成長できるはずです。


桜花学園の巻き返しとともに、キャプテン・三好南穂選手がどうチームをまとめ上げていくのかにも注目です。

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