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【開催レポート】JBA×ナイキ×S.C.P. Japanがタッグを組んで挑む、女の子がバスケを続けられる環境づくり。ジェンダーインクルーシブコーチング研修 in 有明〈後編〉
2026年9月24日
本記事は、2026年8月15日(土)・16日(日)、バスケットボール男子日本代表の国際試合「買取大吉カップ2026(8/15)」および「SoftBank CUP 2026(8/16) 」の同日に実施された指導者研修プログラム「COACH THE DREAM〜女の子のためのスポーツの未来の描き方〜 in有明」のレポート後編です。
当日の様子や参加者の声を、取り組みに込めた想いと交えながら紹介します。
*前編はこちら:https://www.japanbasketball.jp/coach-news/89787
▼Brave not Perfect. 女の子がチャレンジできる環境をつくるために
8月16日(日)の研修プログラムにご参加いただいたスペシャルゲスト、恩塚亨さんとナイキジャパンのソーシャル・コミュニティ・インパクト アジア太平洋シニアディレクターである森本さんとのトークセッションでは「女の子が安心してチャレンジできる環境づくり」について、恩塚さんご自身の経験から得た視点や考えを共有いただきました。
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<Profile>
◯恩塚亨
パリ2024オリンピックで女子日本代表ヘッドコーチを務め、現在は東京医療保健大学女子バスケットボール部のヘッドコーチを務める。
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恩塚さんは、かつて「勝つためにはこうするべきだ」を正論として伝える、いわゆるスパルタ型の指導をしていましたが、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)が自分の指導に影響を与えていたと話します。
「実は、代表チームの選手から「気を使われすぎて逆にこっちも気を使う」「女子の気持ちを分かっていないんですね」と言われたことが大きな転機だったんです。まずは知ることが大切だと思い、メンタルコーチや長年女子を指導してきた人など、さまざまな人に話を聞きました。その結果、人の気持ちは分からないものであって、決めつけることも違うという結論に至ったんです。今は、人の気持ちは天気みたいなもので移り変わっていくものだと思っているので、その時に見えているものを見ながら、『こう見えるけど大丈夫?』『何かあったら言ってね』といったコミュニケーションを重ねることが大事だと思っています。そうして見えたもので、声をかけていく。また、言いにくいことも、耳が痛い話かもしれないけど、伝えるねと伝えていく。女子の気持ちを分かっていないと言っていた選手が、伝えてくれてありがとうございました、と言ってくれました。」
研修では、女の子がバスケットボールを続けられる環境をつくるためには、技術や結果だけを評価するのではなく、挑戦する姿勢やそこに至るまでのプロセスそのものを認める環境が重要だと共有しています。
恩塚さんのトーク後には質問が飛び交い、また参加したコーチたちの間でも、これまで何気なく使っていた言葉や指導方法を一緒に振り返ってみたり、お互いに「子どもたちの変化を知るために、普段会話のきっかけをどう作っているか?」「失敗した時にどんな声かけをしているか?」と議論する様子が見受けられ、今後の現場での実践につながる意見も交わされました。
「COACH THE DREAM」が目指しているのは、研修の場だけで学びを完結させることではなく、ここで得た気づきをそれぞれの指導現場へ持ち帰ってもらうことです。
U12、U15、U18と異なる年代、部活動、クラブチームなど、異なる環境で子どもたちと向き合うコーチが自分自身の指導を見つめ直し、それぞれの現場でできる一歩を考える。その積み重ねの先に、性別や年齢にかかわらず、より多くの子どもたちがスポーツを楽しみ、挑戦し、続けたいと思える未来があるのではないでしょうか。
最後に、当日参加したコーチたちの声を一部紹介します。
「掛川市は部活動が終わって、地域のクラブになる全国で一番最初の地域なんです。部活動からクラブに変わるタイミングで、引き続き女子のチームを見させてもらえるということで、もっと学びたいと思い参加しました。普段から、自分が経験してきた部活動の考え方や、“当たり前”だと思ってきたことは、彼女たちにとって当たり前のことではないということの難しさを感じています。接し方や、練習メニュー、いろんなところで『これがベストではないのかな』と感じることが多々あります。でも今回、全国のいろんな指導者の方の考え方に触れることができて、スライドを見ながら今まで教えてきた子どもたちの顔が浮かんできました。“女の子だから”という偏見や、人間関係や組織、社会など、いろんな要因を知ることができたので、そういうことを知っていたら、もっと別のアクションができたんじゃないかと考えることもできました。明日から、今まで自分が経験してきたことの見方も変わってくる部分があると思います。」(静岡県掛川市から参加の男性コーチ)
「違うチームのコーチの友人が、前回参加して『すごく勉強になった』と言っていたんです。SNSでも動画などで雰囲気を見て、楽しそうだなと思っていました。女の子の指導者向けということで、自分の中でも悩みがあったので少しでも勉強になればと思い参加しました。子どもたちに自分が何をしてあげられるのか、ということを1番知りたかったのですが、自律性、有能性、関係性というところから、5つのアクションを学べたことと、他のコーチの皆さんの『こういうやり方があるんだ』『そういう考えがあるんだ』と、いろいろな意見に触れられたことが、すごく学びになりました。」(千葉県から参加の女性コーチ)
「中学の女子バスケ部の顧問をしていて、もっと伸び伸びと子どもたちがバスケットをできるように、声かけや働きかけを学びたいなと思って受講しました。コーチ側の取り組みとして、“子どもたちの声を聞く”、“女の子の声を聞く”というところが印象に残りました。これまではずっと自分が話をして、自分の思いを伝えるというところに必死になっていたので、もうちょっと子どもたちの声を引き出すということを意識して、また明日以降指導していきたいなと思いました。」(東京都から参加の男性コーチ)
女の子たちがバスケットボールを「やめないため」だけではなく、自分らしく挑戦しながらスポーツを続けたいと思える環境をつくり、コーチが持つ力と可能性を、次の世代の可能性へとつなげていく。これからも指導の現場からその変化を生み出していくために、「COACH THE DREAM」の取り組みを広げていきます。
COACH THE DREAM運営メンバー(ナイキジャパン・JBA・一般社団法人S.C.P. Japan)
