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【大会レポート】令和8年度全国高等学校総合体育大会 (インターハイ) 3日目|敗れてもなお手応えをつかんだ3回戦

2026年7月30日

 大阪・大阪市のAsueアリーナ大阪をメイン会場にしておこなわれている「~夢へ躍進 青春の夏 近畿総体2026~ 令和8年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(以下、インターハイ2026)」の3日目は男女の3回戦がおこなわれ、インターハイ2026のベスト8が決まりました。

 惜しくもベスト8を逃したチームも3回戦のコートに立ち、ベスト8を目指したからこそ得られた手応えはけっして小さくありません。男子3回戦で仙台大学附属明成(宮城)に70-72で敗れた尽誠学園(香川)もそのひとつです。

 尽誠学園の色摩 拓也コーチは「ミスをしてはいけないところでミスが出たり、相手のやることがわかっているなかでやられたり…そこができたら勝てるし、できなかったら負けるというところを、ちょっと(仙台大学附属)明成さんのほうができていたのかなと思います」と振り返ります。

 最終スコアからも想像できるように、力の差はほとんどないゲームでした。実際、5点ビハインドで前半を折り返した尽誠学園が、後半は突き放されそうになりながらも追い上げ、追い越し、また一歩追い越されます。そのラストプレーで尽誠学園の原田 裕成選手の放った3ポイントシュートがネットを通過していています。しかしほんの少しだけブザーが鳴るのが早かった。あと1秒あれば、結果は反対のものになっていたのです。それでも尽誠学園にとってのインターハイ2026は、戦った2試合がいずれも今後につながるゲームになると予想できます。というのも、今年の3年生はコート上で自分たちの意思をはっきり示すことを不得手としていました。しかし色摩コーチ曰く、前日の市立習志野戦から、3年生たちが勝ちたい意思を示すようになったと言います。

「昨日のゲーム(市立習志野戦)も本当にどちらに転んでもおかしくないゲームでした。それを3年生が中心になって勝ったゲームだと思います。だからこそ、今日も勝ちたかったのですが、3年生の意地というか、次につながる部分は見えたのかなと思います」
その感覚はキャプテンの小川 颯翔選手も共通するところです。
「今年のチームは色摩コーチから『しゃべれない』と言われていて、まず声を出すところが課題の1つでした。そのためにはキャプテンである自分が声を出して引っ張っていかなければいけないと理解して、声を出したときに周りも乗ってきてくれました。今大会でも声を切らすことなく、できたと思います」

 足りないところを、コーチに指摘されたことがきっかけだとしても、選手の意思で乗り越えようとし、インターハイ2026でそれを実践できたことは、今後に向けた大きなプラス材料です。
 

 加えて、色摩コーチが全国大会をイメージした練習を進めても、これまでは選手たちにそのイメージがもうひとつつかめていなかったと小川選手は認めます。昨年度は当時の3年生を中心にゲームを進めていて、現3年生は全国大会でプレーする機会が少なかったためですが、それをこの競り合った2試合でつかめたと小川選手は言います。
「夏のインターハイで全国大会を経験できたので、このイメージよりももっと厳しい冬になると思うんですけど、それも想定して練習していきたいと思います」

 女子の3回戦で対戦したのは、昨年のウインターカップを制した大阪薫英女学院(大阪)と、一昨年のインターハイで準優勝となった岐阜女子(岐阜)です。強豪校同士の3回戦は高いレベルでの競り合いが予想されますが、結果は54-38で大阪薫英女学院が岐阜女子を圧倒しました。
得点の伸びていかなかった岐阜女子ですが、今大会のチームは1年生がスタメンのうち3人を占め、ロスターを見ても12人中8人が1年生というチーム編成でした。その理由を安江 満夫コーチは明かします。
「2、3年生も下級生のころから努力してきたんですけれども、今後のチームの可能性を考えたとき、個々の実力がイーブンであれば、下級生に経験を積ませたいと考えました。それを上級生が受け入れてくれて、アジャスト練習やコートには現れないところでも存在感を示してくれました。こうしたチーム編成ができたことは上級生に一番感謝しています」

 安江コーチ自身、それでいいのかと悩んだと認めますし、もちろんベンチを外れた上級生も悔しい思いがなかったわけではないでしょう。それでもチームのためにバックアップに回った上級生たちの思いを背負って、1年生たちは1回戦の慶誠(熊本)戦、2回戦の鳥取城北(鳥取)戦を勝ち上がり、今日の3回戦を迎えています。

「まだまだ鍛えなければいけないところはたくさんあります」と安江コーチは言いながらもこう続けます。「岐阜女子としてはサイズアップしたチームなので、これから1年、2年ときちんと指導して、チームをつくり上げれば、目指すところに到達できる可能性はあると思っています」
 大阪薫英女学院戦は、3年生の坂口 みなみ選手だけが2桁得点で、彼女以外の得点が伸びずにチームとして38得点に終わります。それでも力のある大阪薫英女学院を54失点に抑えたことは、負けたなかでの収穫です。
「(インターハイ2026を通して)ディフェンスのしつこさというのは、たとえ選手が変わっても、チームの中に根付いているものがそこにあったと思います。そこからまたひとつずつ積み上げていきたいと思います」
 主力に1年生の多い岐阜女子ですが、それだけに伸びしろはまだまだ多くありそうです。

 敗れてもなお得られるものがあったという事実は、負けを単なる負けにしません。尽誠学園も、岐阜女子も、そして今日の3回戦で敗れたその他のチームも明日からまた、これまで以上に厳しい夏が始まります。

 
【放送・配信予定】
[全試合配信]
▶ インハイTV ※男子決勝は録画配信
▶ バスケットLIVE ※男子決勝は録画配信

[男子準々決勝・男女準決勝・男女決勝 (放送 / 配信)]
▶ J SPORTS / J SPORTSオンデマンド
※一部試合は録画放送・配信

[決勝]
▶ NHK BSで男女決勝 13:00予定(時差放送)