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【大会レポート】第56回全国中学校バスケットボール大会(島根全中) 大会最終日(3日目)|夏の王者もまた冬を目指す
2026年8月20日
島根県出雲市および松江市を舞台に行われた「第56回全国中学校バスケットボール大会(島根全中)」は最終日を終え、男女の優勝校が決まりました。男子が四日市メリノール学院中学校(三重)、女子が京都精華学園中学校(京都)です。四日市メリノール学院中学は2年ぶり4回目の、京都精華学園中学は4年連続4回目の全中制覇となります。

▲2年ぶり4回目の優勝に輝いた男子・四日市メリノール学院中学校

▲4連覇を達成した女子・京都精華学園中学校
女子の準決勝で北九州市立折尾中学校(福岡)を89-72で破った京都精華学園中学が決勝で対戦するのは、これまでも幾度となく全国大会の決勝で相まみえてきた四日市メリノール学院中学。立ち上がりから四日市メリノール学院中学の強烈なディフェンスに苦しめられ、第3クォーターには大黒柱の#15 AWUNDU MOMBWINAFISA選手をファウルアウトで失ってしまう苦しい展開になります。
しかしそれ以降の10分強を見ると、京都精華学園中学は20-7で四日市メリノール学院中学を圧倒しています。チームを率いる山本綱義コーチは、今だけでなく来年度以降も見据えて、予選リーグから積極的に下級生を起用してきたことがよかったと言います。
「(下級生を多く使うことで、大会を通して)どこか負けてもいいやという思いもありました。ただ子どもたちは大会を通してどんどん力をつけてくれたので、最後は全員の力で勝てたと思います。特に下級生を使ったことで、3年生のスタミナが残っていた気がします。だから最後は3年生を使いきって終われたことが、よい結果につながりました」
#15 AWUNDU選手とともにペイントエリアを戦った#7 板倉杏紗選手が19得点・12リバウンド。四日市メリノール学院中学がインサイドを絞れば、#8 大木玲奈選手が3ポイントシュートを4本中4本沈めるなど15得点。大木選手はオフェンスリバウンド8本を含む12リバウンドも取っています。いずれも山本コーチが「使いきった」という3年生です。

得点だけではありません。#15 AWUNDU選手を失った後のディフェンスの粘り強さも驚異的でした。山本コーチは「とにかくディフェンスで持ちこたえようということだけを指示しました」と言いますが、持ちこたえたディフェンスがオフェンスにもいい影響を与え「子どもたちも気持ちでドライブ、あるいはアウトサイドシュートを決めてくれました」。京都精華学園中学の選手たちはピンチをチャンスに変えたのです。
どのチームも「チームで戦う」ことを掲げていますが、京都精華学園中学もまた同様です。試合に出られない選手だけでなく、ベンチにさえ入れない選手もいます。そうした選手たちが試合に出る選手、ベンチに座る選手たちを後押しする。それこそが京都精華学園中学の強さだと山本コーチは胸を張ります。
「チームメイトを大事にし合う。同じバスケットを、そして1つの目標に向かって集まった集団ですから、我慢し合いながらチームを強くしていこうというその気持ちが中学生には大事だと思います。私は彼女たちのそこがちょっと自慢できる部分だと思っています」
男子の四日市メリノール学院中学は準決勝で昨年度の優勝校、金沢学院大学附属中学校(石川)を50-35で破っています。しかも第3クォーターを終えた時点でのスコアは33-33。つまり最後の8分間を2-17として勝ち上がっているのです。
決勝戦の相手は初の全中ファイナリストになった成立学園中学校(東京)。彼らは準決勝で猛追してくる京都精華学園中学を振り切っての決勝進出で、勢いはありました。
しかしその成立学園中学のエースで、準決勝で29得点をあげた180センチのフォワード、#1 山口陽光選手に四日市メリノール学院中学の山﨑修コーチは176センチのシューティングガード、#36 野下紡希選手をつけます。
「野下にはかわいそうだったかもしれないけど、そうしなければ山口選手は止められないと思ったので」
その決断が功を奏し、結果として山口選手には16得点を取られていますが、成立学園を勢いづかせるようなことにはならなかったと言います。
今年の四日市メリノール学院中学は、山﨑コーチいわく「どこもやったことのないような、超高速トランジションをしたかった」と、ときにコート上の5人を総入れ替えするような選手起用で勝ち上がってきました。
「今、ちょうどインドで『FIBA U18アジアカップ2026』が行われていますが、そのU18男子日本代表メンバー12人のうち、5人が卒業生です。今年の子たちは彼らよりも身体能力こそ劣っていますが、それでも走ったり、跳んだり、リバウンドで負けない。日本がアジアや世界で負けてはいけないことをしっかりやって、さらに小さい子どもたちは『メリノール、すごい』『メリノール、速い』と思ってくれるような決勝にしたいと思って戦いました」
それを体現したのがチームトップの18得点をあげた#23 小林叶和選手や、昨年度からゲームに出ていた#36 野下選手、#56 石山誠修選手ですが、彼らを支えた2人の選手――#11 濵田誉選手と#86 寺尾陸選手を山﨑コーチは高く評価します。
「決勝の勝利は彼ら2人のおかげです。やはりドリブルでペイントアタックをするとシュートはゴールの近くに落ちます。それを彼らが粘り強くタップなどでねじ込んでくれたり、体を張って守ってくれたり…それが一番の勝因だと思います」
超高速トランジションのなかでは、どうしても派手な1対1やシュートが目立ちがちです。しかしリバウンドやディフェンスなど目立たないところでしっかりと働く選手たちがいるからこそ、四日市メリノール学院中学は目指すバスケットスタイルも、そして目指した優勝も達成できたのです。

今夏の全中は四日市メリノール学院中学と京都精華学園中学の優勝で幕を下ろしましたが、これで2026年度の中学バスケットシーンが終わったわけではありません。次に目指す大舞台は「Jr.ウインターカップ」です。
「まだまだ空回りするところが多くあります。それが相手に付け入る隙を与えていると思いますので、ピボットやパスのビジョン、連携など基礎基本の部分からもっともっと強くしていきたいと思います」
京都精華学園中学の山本コーチがそう言えば、四日市メリノール学院中学の山﨑コーチも冬に向けて言及します。
「今回の超高速トランジションをベースにしながら、でもガラッと変えて、おもしろいバスケットボールをお正月には見せたいと思っています」
勝ってもなお、その先を見続ける。2026年の中学バスケットボールはまだまだ成長し続けていきます。
■令和8年度全国中学校体育大会 第56回全国中学校バスケットボール大会 大会結果
【男子 最終結果】
優 勝 四日市メリノール学院中学校(三重県) ※2年ぶり4回目
準優勝 成立学園中学校(東京都)
第3位 金沢学院大学附属中学校(石川県)
第3位 京都精華学園中学校(京都府)
【女子 最終結果】
優 勝 京都精華学園中学校(京都府) ※4年連続4回目
準優勝 四日市メリノール学院中学校(三重県)
第3位 北九州市立折尾中学校(福岡県)
第3位 高石市立高南中学校(大阪府)
▽試合結果など詳細は大会公式サイトをご参照ください
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