現地レポート

流れを変えた1本のドライブRSS

2013年01月05日 16時51分

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幕末の兵学者で思想家でもある佐久間象山の言葉に「士は過ちなきを貴ばず、善く過ちを改むるを貴しとなす」がある。「士」とは武士のことであるが、シャンソン化粧品 シャンソンVマジックの若き女武者、#12三好南穂もまたリーグ戦前半の反省点を改め、オールジャパン準決勝進出に大きく貢献した。


準々決勝の相手はWリーグのレギュラーシーズンで競り合っている三菱電機 コアラーズ。どういう試合展開に持ち込むか、両チームが探り合っている第1ピリオドに三好は11得点を挙げている。「最初から攻める気持ちで点数を取りに行こうと思っていました」というとおり、積極的に3Pシュートを放ち、結果として打った3本すべてを沈めたのだ。


しかしここで取り上げたいのは11得点でも、確率100%の3Pシュートでもない。第1ピリオド残り24秒で決めた、この日唯一のドライブである。


「Wリーグの前半戦が終わって、自分のプレイを見返したときに、自分の縦に行くドライブが少なくなっているなと思ったんです。だからこのオールジャパンからは縦に切ることを意識していました。あのときは3Pシュートが連続で決まっていて、ディフェンスも打たせないように出てきたので、ここはドライブに行けるなと思って仕掛けました。」


三好の武器は3Pシュートである。3ポイントラインから少し離れた、つまりゴールから遠い位置からでも狙い、沈めてくる。この日もその3Pシュートを3本を決めたあとだっただけに、ディフェンスとしては当然4本目を止めに出てくる。そこを三好は見逃さなかったわけだ。


たった1本のドライブだが――事実、この日の最終スタッツを見ると三好の2ポイントシュートはそのドライブだけである――そのドライブがディフェンスに「三好はドライブも仕掛けてくる」という意識をすりこませ、間合いの取り方に迷いを生じさせた。それが「ドライブのあとは3Pシュートが打ちやすくなりました」という後半のプレイにもつながるのである。


1月10日(金)に行われる準決勝の相手は4連覇中のJXサンフラワーズである。Wリーグのレギュラーシーズンでは、2試合目こそ2点差だったが、結果として2連敗を喫している相手だが、今回の三好はそのときの三好とは違う。


「自分としては負けたら終わりという試合のほうが好きというか、自分らしいプレイができます。」


自分らしいプレイ――すなわち三好の得意とする3Pシュートと、ゴールに向かう縦のドライブが絶対王者を襲う。


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