笑顔で戦う先生プレイヤーRSS
2013年01月01日 15時42分
ウインターカップ2012が終わり、多くの高校生がひとときの休息をすごしている中、「オールジャパン2013」には4校のウインターカップ出場チームが出ている。男子の宮崎・延岡学園と女子の愛知・桜花学園はインターハイを制したことで得た高校生枠で出場し、大阪・大阪薫英女学院と岐阜・岐阜女子はそれぞれ近畿、東海ブロックを勝ち抜いて出場を決めている。
しかし、ウインターカップ2012の舞台に立って、なおかつ、オールジャパン2013の舞台にも立つのは彼らだけではない。
北信越ブロックを勝ち抜いていた石川教員の#4竹本茜は、石川・県立津幡高校の引率責任者としてウインターカップのベンチに入っている。
「クラブチームで練習時間も少ないし、やっている内容も大学生に比べたら厳しくないけど、やるからには勝ちたかったですね。でも楽しかったです。」
県立津幡高校から大阪体育大学に進み、エースの活躍をしていた竹本が県立津幡高校の体育教師になったのは今年度から。生徒たちのバスケットに対する思いをしっかり受けての出場である。
「普段、選手たちにさまざまなことを言っているので、今回はプレイヤーとして見本を見せなければいけないということと、ウインターカップであの子たちは悔しい思いをしていたので、その分『先生は頑張ってくれるでしょ?』みたいな感じで見送ってもらいました。」
結果は1回戦敗退だったが、それでも竹本はスッキリとした笑顔を見せていた。
「今年、津幡で最初にバスケットをスタートさせたので、試合の話だけじゃなく、会場の空気なども選手たちに伝えていきたいですね。」
北海道代表のアカシヤクラブにもウインターカップのベンチに入っていた選手がいる。北海道・札幌山の手高校のアシスタントコーチ、#7船引まゆみである。
「楽しかったですね。いろんな知り合いに会えたし、1回戦から勝つか負けるかの勝負って本当に久しぶりで…それこそ(前所属の)富士通レッドウェーブが日本リーグの2部にいたころ以来、約10年ぶりの経験でしたけど、すごく楽しかったです。」
富士通時代に皇后杯を3度下賜され、準優勝も2度経験している船引だが、今は札幌山の手高校の家庭科教師。オールジャパンでの結果は竹本と同じように1回戦で敗退だったが、その顔に悲壮感はなく、むしろ彼女らしい大きな笑顔を見せていた。
「ウインターカップがあると自分の練習がなかなかできませんでした。でもオールジャパンの出場が決まった12月の初めくらいから(札幌山の手の)生徒と一緒にガンガンやってきて、お互いいい刺激になって試合に臨めたかなと思います。また、大阪薫英女学院高校や岐阜女子高校がオールジャパンでもすごく一生懸命やっているのを見て、バスケットの原点ってこういうところにあるのかなって感じることができたのはよかったと思います。」
ユダヤ民族の知恵を集めた『タルムード』にこんな言葉がある――腹が減ったら歌え。傷ついたら笑え。神は朗らかな者を祝福し給う。楽観は自分だけでなく、他人をも明るくする。
2013年の元日に戦いながらも見せた2人の笑顔は、彼女たちだけでなく、彼女たちの生徒にも明るい未来を与えることになるだろう。
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