現地レポート

JBL撃破を目指す2人の下級生ガードRSS

2013年01月02日 19時21分

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6年ぶりに大学日本一に輝いた東海大学がオールジャパンの初戦、JR東日本秋田戦を[80-61]と白星で飾った。東海大学といえば自他ともに認めるディフェンスのチーム。相手の攻撃を粘り強く守り、ボールを奪うと一気にゴールへと駆け上がるトランジションバスケットを得意とする。ハーフコートオフェンスになれば「全員でいいシュートシーンを作るように、みんなで動き、みんなでボールを動かしていく(陸川章監督)」


その起点となるのがルーキーのベンドラメ礼生である。宮崎・延岡学園のエースとして「ウインターカップ2011」で初優勝を果たす原動力となった彼だったが、東海大学に入るとそのポジションをポイントガードにコンバートさせている。


「最初はボールを運ぶだけでもオドオドしていましたが、関東大学リーグ戦やインカレなどを経験して、今ではボールを奪われないようにと意識するのではなく、チームをうまく動かすことを意識してプレイできるようになりました。プレイをコールするときも自信を持って叫べるようになりました。」


とはいえ、まだまだ1年生。体の当たりやゲームコントロールなど克服すべき点は多い。そこをカバーするのが2年生の藤永佳昭である。


「礼生は自分から攻めることのできるタイプで、ボクはオフェンスをコントロールするタイプ。ボールが止まっているときにボクが出ていって、ポンポン回したり、前に出したりして、流れをよくするように心がけています。オフェンスだけではなく、ディフェンスでは前からプレッシャーをかけることもボクの役割かなと。そういったことでゲームの流れが変わるので、自分が出たときには流れを変えることを意識してやっています。」


藤永のような先輩がベンチにいることでベンドラメも思い切ったプレイができる。彼自身、それを認めている。


「バックアップに先輩がいるのは安心というか、思いきりできるという気持ちになれるし、あとを気にせず、例えば第1ピリオドなら第1ピリオドだけに全力を出し切れるという気持ちはあります。」


一方の藤永はベンドラメをバックアップしつつも、彼の存在に刺激を受けている。


「練習では負けないように意識してやっているし、礼生が入ってきたことで僕ももっとやらなきゃという気持ちが出てきました。やっぱり礼生の存在は大きいですね。学年は違いますが、ポイントガードのライバルとして一緒に切磋琢磨できています。」



クイックネスで相手ディフェンスを切り裂くベンドラメと、激しいディフェンスで相手オフェンスの流れを断ち切る藤永。陸川監督は3人目としてケガからカムバックした3年生の和田直樹の名前を挙げて3人体制を示唆するが、今大会のメインはベンドラメと藤永の2人になるだろう。


明日の対戦相手はJBL7位のリンク栃木ブレックス。リーグ戦を見る限り田臥勇太が出てくるかどうかは微妙だが、得点力のあるポイントガード・梁川禎浩が調子を上げているようだ。


「相手はプロですが、プロという名前に負けないよう、自分ができることを精一杯やりたいです」


ベンドラメがそう言えば、藤永がこう締める。


「試合に出る出ない関係なく、チーム全員で声を出して戦っていきたい。JBLは手の出し方や体の使い方など、スキルだけではなく、そういったひとつひとつの動きがうまいと思うんです。ただボクたちもトレーニングをしっかりしてきているし、JBLのチームとは練習試合を重ねて経験も積んでいるので、やってきたことを出せれば、絶対に勝てない相手ではないと思います。ただ全員が『勝てるかな』と思っているようでは勝てません。『絶対に勝つ!』という強い気持ちを持って戦いたい。僕も礼生もウインターカップで優勝しているし、今年のチームがインカレで優勝したのもそういう勝つ気持ちを持っていたからなので、その気持ちを持って勝ちにいきます!」


今、この原稿を書いている目の前で、大学5位の筑波大学がJBL2で3位のアイシン・エイ・ダブリュ アレイオンズ安城を[80-67]で下した。越えられない壁ではない。天下の大泥棒、ルパン三世が言っている――なぁに、壁なんてのは…越えるためにあるんだ。


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