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2013年12月27日 21時03分
敗れてもなお清々しいチームだった。國學院大學久我山(開催地・東京)のことである。
「最後まで誰も折れていなかったし、点差が離れても『負けるんだな』とは思わずにプレイすることができました」
福岡大学附属大濠に[80-93]で敗れた後に、キャプテンの東 宏輝選手はそう言っている。東京都の第3極、つまり京北がインターハイを制したことで広がった“開催地枠”で出場した國學院大學久我山だが、前日に洛南(京都)を倒した強さはフロックではない。「目標設定がよかったんだと思います」と東選手は言う。
「2011年の2月に亡くなられた手塚先生(政則氏。國學院大學久我山の前コーチ)のご遺言で、僕たちが3年生になったときは『ウインターカップでベスト8になれる』と言われたんです。その言葉を信じて、ベスト8に入ることを目標にしてきたんです」
できれば福岡大学附属大濠を破って、ウインターカップの東京都予選では対戦できなかった京北と対戦して、インターハイ予選の借りを返したいと思っていた。その目標は叶わなかったが、後悔はない。
「ディフェンスは全国でも通用したと思います。今日のゲームを除いて、それまでの3試合とも相手に60点を取られていませんから。だけど今日のゲームで自分たちのやってきたディフェンスでは、全国ベスト8止まりなんだとわかりました。それは後輩たちに伝えられたと思います」
東選手は最後まで笑顔だった。
もう1つの東京都代表、八王子学園八王子も明成(宮城)に[67-81]で敗れた。エースガードの新号 健選手は試合後、自身の不甲斐なさに唇を噛んだ。明成の、新号選手に対するフェイスガード対策をチームでしてきたはずなのに、それが機能しなかったことにイライラしてしまったのである。
「思うようなプレイができず、イライラするのは入学したときからの悪い癖でした。その癖が高校生活最後の試合で出てしまいました。石川(淳一)コーチからは『新号が笑ってプレイしているときは強い』と言われていたのに、笑顔がなくなってしまって……」
それでも後半は気持ちを立て直した。
「ハーフタイムに自分の中で考えたんです。負けるなら自分が強引に攻めて負けるか、仲間を信じてパスを出すかって。そこでこれまで一緒にやってきた仲間を信じてパスを出すことを決めたんです」
その言葉どおり、なんとかディフェンスを振り切ってボールを受けても、けっして無理はせずに周りを生かし続けた。試合には勝てなかったし、前半の悪い癖を出したことは大きな反省点だが、“絆”を信じた後半のプレイは八王子のキャプテンとして面目躍如といっていい。
これで地元・東京都で残っているのは京北だけとなった。同校が達成して以来30大会ぶりの地元優勝なるか。東京国体で一緒に戦った國學院大學久我山も、八王子学園八王子も彼らの背中を押しているはずだ。
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