現地レポート

エースの品格RSS

2013年12月25日 12時16分

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勝負に敗れれば悔しい。本気で取り組んできたこそ、涙も出てくる。だがそれを超越すると涙の如何にかかわらず、すべてを出し切ったすがすがしさで笑顔になるのかもしれない。



ウインターカップ2013の女子は3強――桜花学園(愛知)と昭和学院(千葉)、そして聖カタリナ女子(愛媛)がリードしている。むろんそれを黙って見過ごすチームは1つもなく、一矢報いるというよりも、本気で倒そうと挑んでくる。だからこそ、見応えのあるゲームになるわけだ。


ベスト8をかけた3回戦、聖カタリナ女子に挑んだ慶進(山口)は[57-76]で敗れた。それでもエースの松本 愛美選手は最後まで笑顔だった。


「夏休みに練習試合をしたときは、ハーフのゲーム(10分×2つ)だったのですが、一度もベストなプレイを出せないまま、ボロボロに負けたんです。でも今日はラスト2分を切ったところまでカタリナの主力をコートに立たせることができたし、全力を出させることができました。夏から成長できたと思います」


全国トップクラスの相手に自分たちが最後まで戦えたという手ごたえが、彼女から笑顔を奪わなかったわけである。


「春から大学に進学します。そこで全国制覇のチャンスはあると思っているので、今回見つかった課題にしっかり取り組んでいきたいです」


 




昭和学院に[68-77]で敗れた県立足羽(福井)のエース、永井 菜摘選手は「不完全燃焼」と言って、涙を流した。


「国体で千葉県といいゲームをして満足してしまった自分がいたので、今日のゲームは国体のときよりも差が開いてしまいました。自分の力が足りなくて、最後までやりきれませんでした」


しかし話しがチームに及んでくると涙も徐々に引いてきて、少しだけ笑顔になった。


「個人としては不完全燃焼だけど、チームとしては足羽らしく一生懸命走ったし、ディフェンスもできたので、完全燃焼だと思います。足羽高校はこれからも続くので、卒業する日まで自分たちが経験したことを後輩たちにしっかり伝えたいです


敗れてもなお、笑顔で前を見つめる松本選手と永井選手にエースの品格を見た。


 



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