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2012北信越かがやき総体(インターハイ) 大会最終日 男子は延岡学園、女子は桜花学園の優勝で閉幕 現地レポート

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2012年8月4日

優勝の瞬間、笑顔を見せる愛知・桜花学園高の選手たち。3年ぶりの優勝と同時に、2年間足踏みをしていた井上 眞一コーチの全国50勝目を決めた

表彰式で優勝杯などを掲げる宮崎・延岡学園高の選手たち。「2年連続で高校3冠を達成したい」と、#4寺原 脩斗キャプテンは優勝を喜びながら、次を見据えていた

 「平成24年度全国高等学校総合体育大会 第65回全国高等学校バスケットボール選手権大会」(以下、北信越インターハイ)は最終日、男女の決勝戦が行われました。結果は以下のとおりです。

■男子
洛南高(京都) ● 73-78 ○ 延岡学園高(宮崎)

■女子
桜花学園高(愛知) ○ 90-74 ● 聖カタリナ女子高(愛媛)


 男子の延岡学園高(宮崎)は2年連続4回目、女子の桜花学園高(愛知)は3年ぶり18回目(名古屋短期大学付属高時代を含む)のインターハイ制覇となりました。

 先に行われた女子の決勝戦は、序盤から桜花学園高が走り出しました。結果としては、第1ピリオドの得点差がそのまま最終スコアの得点差にもなりました。試合開始直後からゴールに向かっていった司令塔の山田 愛選手は「出だしから圧倒して、桜花の強さを見せようと思ってプレイしました」と気持ちを強くもって試合に入り、両チームトップの25得点を挙げる大活躍を見せました。

 後半に入ると、聖カタリナ女子高が息を吹き返してきましたが、「後半、聖カタリナ女子高が必死に攻めてくるとわかっていたので、こちらも積極的に攻めようと指示をしました。点数は取られましたが、しっかりと点数を返したのがよかったと思います」と桜花学園高の井上 眞一コーチ。昨日の千葉・昭和学院高戦では、前半のリードを気の緩みから、後半追い上げられる展開になっていました。その反省もあったのでしょう。今日の桜花学園高はリードをしていても、大きく気を緩めることはありませんでした。キャプテンの#4河村 美幸選手は「聖カタリナ女子高は何回も練習試合をしていて、ずっと勝っている相手だけど、油断をするとそこを突かれてしまいます。前半が終わってリードはしていましたが、井上先生から『受けにまわると駄目だ』と言われましたし、自分たちも『ピリオドが始まるごとに【0-0】ということを意識して攻めていこう』という話をしていました」と試合を振り返っています。
 大差で勝っているチームが驕らずに戦い続ければ、その差をひっくり返すことは難しい。井上コーチが「大会に入って選手たちの気持ちがだんだん乗ってきました。大会の中で選手たちが伸びたような気がします」というとおり、才能豊かなチームは大会を通じて成長し、インターハイ優勝という結果を残したのです。

 加えて今回の優勝は、井上コーチにとって全国大会「50回目」の優勝。まさに名将の名にふさわしい大記録です。

 女子に続いて行なわれた男子の決勝戦は、後半に大きな動きがありました。そしてその動きは、いしかわ総合スポーツセンターを揺るがすほどの凄まじいほどのものでした。

 勝った延岡学園高の北郷 純一郎コーチは、「第3ピリオドに出した3-2ゾーンを洛南高が攻めあぐねて、そこでこちらがファストブレイクを出したところ、そこで生まれた20点差が結果として大きかった」と試合を振り返っています。それでも「20点差離れてもこのまま勝てるという感覚はありませんでした」と言うとおり、第4ピリオドに入ると洛南高の怒涛の反撃が始まりました。

 洛南高のキャプテン、河合 祥樹選手は「20点差をつけられても、それほど焦りは感じませんでした」と言い、こう続けます。「20点離れても、ベンチも、コートの中のみんなも諦めることなく、試合終了のブザーが鳴るまでは、とにかく洛南のバスケットをやり続けようという意識でした」。洛南高のバスケット、つまり第3ピリオドまでできていなかった、激しいディフェンスから速攻につなげて得点を奪っていくスタイルを貫いた結果、4点差まで追いつくことができたのです。最後のもう一歩は出ませんでしたが、洛南高のバスケットが優勝チームに通用したことを証明する、文字どおりの猛追でした。観客からのどよめきがあったことは言うまでもありません。

 優勝した延岡学園高は「インターハイ2連覇」であるとともに、昨年度のチーム3冠を達成したことを考えると、4大会連続での全国制覇となります。試合後、「国体も、ウインターカップも連覇して、2年連続で3冠を達成したい」と語った、キャプテンの#4寺園 脩斗選手。それは、もちろん簡単なことではありません。そのことは寺園選手自身がよくわかっています。「ディフェンスでは足の止まる時間帯があるし、大事な場面でのシュートの決定力がまだまだ足りないので、これからもっと強化していきたいと思います」。

 勝って兜の緒を締める。平成24年度の全国大会はまだ始まったばかりです。インターハイを「全国レベルの新人戦」と言うコーチもいるほどです。これから12月の「ウインターカップ」に向けて、本当の戦いが始まるのです。
 今年のウインターカップ、「平成24年度 第43回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」は、広島県広島市にて初開催されます。今回、決勝戦に進んだ男女2校はすでにその出場権を得たため、これからじっくりとチーム作りをしていくことでしょう。もちろん彼ら、彼女らを追いかけるチームにもウインターカップ制覇のチャンスは平等にあります。秋の国民体育大会を経て、真の日本一を決めるウインターカップへ――高校生たちの戦いはまだまだ続きます。
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