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2012北信越かがやき総体(インターハイ) 大会第4日目 男女ベスト4決定 現地レポート 

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2012年8月1日

準決勝進出を決めて喜ぶ愛媛・聖カタリナ女子高。苦しい展開ではあったが、最後まで自慢のスリーガードが走り続けて勝利の扉をこじ開けた

一度は自身の3ポイントシュートで逆転したものの、再逆転で敗れた群馬・桐生第一高#4橋本椿選手。試合直後から涙が止まらなかった

 「平成24年度全国高等学校総合体育大会 第65回全国高等学校バスケットボール選手権大会」(以下、北信越インターハイ)は第4日目、男女の準々決勝が行われ、ベスト4進出のチームが決定しました。男女のベスト4は以下のとおりです。

■男子
洛南高(京都)
八王子高(東京)
正智深谷高(埼玉)
延岡学園高(宮崎)

■女子
昭和学院高(千葉)
桜花学園高(愛知)
聖カタリナ女子高(愛媛)
山村学園高(埼玉)


 試合後、「最後まで走りきって、積極的にやるしかありませんでした。体力面での心配はありましたが、選手たちには常々『6試合分の体力をつけなければいけない』と言ってきたので、そのおかげで最後までやりきれてよかったと思います」と、試合を振り返ってくれたのは、山形・山形市立商業高を破って準決勝に進んだ愛媛・聖カタリナ女子高の一色 建志コーチ。今年の聖カタリナ女子高の魅力は#4熊 美里選手、#5田村 未来選手、そして#12宮崎 早織選手による3ガードのスピード、突破力。とにかく速く、山形市立商業高の高橋 仁コーチも試合の前日、準々決勝の対戦がわかると「あの3人はとにかく速い。そんな選手はうちにはいない」と言っていました。この大会の直前にも練習試合をしており、そのときも3人の速さでかき回され、山形市立商業高が負けたそうです。今日の試合では、山形市立商業高がゾーンディフェンスなどを駆使して、彼女たちのスピードを止めていたかに見えましたが、最後の最後で聖カタリナ女子高の3ガードがギアをトップに入れ替え、【72-65】で聖カタリナ女子高が勝利を掴みました。

 その試合の最終盤、最も輝きを放ったのが2年生の宮崎選手です。スピードを生かしたドライブだけではなく、「あれは本能です」と笑うドリブルスティールからのファストブレイク、そして「前半は入っていなかったけど、後半に入ってよかった」と振り返る3Pシュートで追いすがる山形市立商業高を突き放したのです。その場面での自身のプレイについて、宮崎選手はこう言っています。「気持ちで負けたらダメだと思ったし、そのときは田村さんがコートにいなかったので、ここで自分が1対1にいって流れを変えられたらいいなと思って積極的にいきました」。それでも、ここぞの時に力を発揮した最終盤。これまで3試合を戦い、今日が4試合目。体力的にも苦しいと思われる場面ですが、宮崎選手は笑顔で「それ以上に練習で走っているので、ここで走り負けはしたくないと思って全力で頑張りました」と言います。一色コーチが言っていた「6試合分の体力をつける」練習が、彼女たちをメインコートへと導いたわけです。

 女子のあとに行われた男子の準々決勝は、どの試合も見ごたえのある、点数的にも競った展開のゲームとなりました。なかでも注目となったのは、埼玉・正智深谷高vs.群馬・桐生第一高の一戦。最後の最後まで勝敗がわからない試合展開が続き、最終的に結果は【91-89】、1ゴール差で正智深谷高が準決勝進出の切符を手にしました。2回戦で香川・尽誠学園高を破り、3回戦で福岡・福岡大学附属大濠高を破ったチームは、これまでと変わらない気迫とプレイスタイルを貫き続けたのです。

 敗れた桐生第一高の蛭間 貞夫コーチも「正智深谷高の意欲、ガッツ、執念に負けました」と言います。さらに続けて、「ベスト8での戦いは福岡大附大濠高になるかなと思っていたところ、正智深谷高が上がってきて、ならば勝つ可能性がいくらかはあると思っていたんです。春に対戦したときに12点差で勝っていますし、関東ブロック大会で見たときも、うちのほうがいくらか分がいいかなと感じたからです。ただ尽誠学園高を破り、福岡大附大濠高を破った勢いがあるので、その点は心配していたのですが、その通りになってしまいました。1ゴール届かなかったのは、相手の気迫に負けたのかなと思っています」。と試合の感想を述べてくれました。

 一時は10点以上離された場面もありましたが、そこから桐生第一高は#4橋本 椿選手の3Pシュートや#8小倉 渓選手のインサイドでの合わせ、オールコートでのプレスディフェンスで息を吹き返しました。その追撃は正智深谷高にも負けないほどの気迫がこもっていました。そして一度は#4橋本 椿選手の3Pシュートで逆転をしますが、両チームのコーチが驚いたという正智深谷高の#14波多 智也選手の3Pシュートが決まり、同点。その同点3Pシュートが流れを正智深谷高にもたらしたのです。「まだまだ選手たちはバスケットを知らない。私ももっともっと勉強しなければいけません」と桐生第一高の蛭間コーチ。激戦を制することができませんでしたが、だからこそ桐生第一高が今後どのように変わるのか、彼らの挑戦を見守りたいです。

 大会第5日目となる明日は、男女の準決勝が行われます。勝っても、負けても悔いが残らないよう、そして次につながるよう、すべてのチームに自分たちのスタイルを最後まで貫いてもらいたいです。

 北信越インターハイの模様は、大会特設サイトにて掲載されています。是非、高校生の熱い戦いの模様をご覧ください。
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