「東日本大震災」被災地復興支援 ともに明日へ がんばろうニッポン!プロジェクト 『スマイル クリニック2011』 第2回福島県 開催報告
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2011年11月29日
ドリブル練習の様子
パス練習の様子
今回の参加者には、記念Tシャツとバスケットボール20個を贈呈しました。
今回クリニックを開催した福島県いわき市は、震災の影響で体育館が倒壊したり、震災後は避難所として利用されていたため、バスケットボールを行うことが非常に困難でした。その中、各学校、市町村、行政が協力しあい、「子供の幸せや楽しみは絶対に奪わない」をスローガンに、空いている体育館を共同でチームの練習を行い、震災の難を免れた地域を中心に大会を行いました。今回クリニックに参加をしてくれた皆さんも、「週4日は練習ができている。共同で練習したり、練習試合したりして、違う学校やチームにも友達ができることがうれしい」と笑顔で語ってくれました。そんな皆さんの熱い気持ちに支えられ、今回のスマイルクリニックが実現しました。
第1日目のクリニックはいわき市立赤井小学校にて開催。このクリニックにはいわき市から集まった40名のミニバスケットボール選手が参加してくれました。
クリニックは、ウォームアップを兼ねた「氷おに」で始まりました。ただ遊んで体を温めるのではなく、みんなドリブルをしながら逃げる、おににタッチされた人の氷をとくには、タッチされた人の足の間をドリブルでスルーしないといけない、などバスケットボール選手らしい工夫がされていました。このウォームアップで緊張の氷もとけた選手たちは大きな笑顔を浮かべながら、「ボールハンドリング」「ドリブル」などを練習しました。そんな笑顔を浮かべる選手たちも、講師の大山コーチや佐古コーチから「この練習はみんなだけでなく、日本代表選手もいつも行っている練習だ」と説明を聞くと、笑顔の中にも真剣な目つきで練習をしていました。そんな講師のお二人の話にうなずきながら熱い視線を送っていたのは選手たちだけでなく、会場に来てくださった父兄や先生たちです。「日本代表選手だった人たちに直接教えてもらえるとなると、子どもたちの顔つきも気持ちもぜんぜん違う。こういう機会は是非これからも増やしてもらい、また是非福島に来て欲しい」と笑顔で語ってくれました。
クリニックの最後には、選手5人対講師の大山コーチ、佐古コーチと会場の先生の3人での試合をしました。試合中の佐古コーチによるダンクシュートには会場から大喝采。選手たちも教わったスキルを活かして緊張しながらも笑顔で試合を楽しみました。
閉講式では、佐古コーチから「ここにいるみんなは自分がみんなの年齢だった頃よりうまい。でも、うまいだけでは勝てない。頑張らないと試合には勝てないし、頑張る人が日本代表選手になる。だから頑張る気持ちを忘れないで欲しいのです。頑張ることは大変だけど、周りにいる先生やご両親の話やアドバイスをよく聞き、これからも頑張って欲しい。そして日本代表チームをオリンピックにみんなの力で連れて行って欲しい」と話があり、大山コーチからは「つらいことも大変なことも沢山あったが、バスケットが好きだからここまで続けてくることができた。みんなも自分の目標をみつけて、笑顔を絶やさず頑張ろう」と子どもたちへのメッセージを送りました。選手を代表して四気拓光君から「教えてくれてありがとうございました。教えてくれたことを忘れず、これからも頑張ります。」と講師の二人に応えるように挨拶をして、クリニックは終了しました。
クリニック終了後も、講師の二人を囲んでサインをもらいながらも、参加してくれた水竹那月さんは「教わったドリブルテクニックはばっちりできるようになった。コーチの二人がかっこよかった!」と、そして大山謙進君は「クロスオーバーのドリブルテクニックを教えてもらえてうれしかった。すぐこれから使えるよう練習を頑張りたい」と、熱い気持ちをうれしそうに話してくれました。
第2日目は、1日目と同じいわき市内にある東日本国際大学附属昌平高校にて、いわき市内の中学生40名を対象にクリニックを実施。
「みんなで笑顔になれるよう楽しんでやりましょう」という大山コーチからの挨拶でクリニックがスタート。参加してくれた選手全員は、講師の二人が会場に到着する前からウォームアップを行い、万全の状態でクリニックに参加してくれたということもあり、「体幹」を鍛えるトレーニングから練習は始まりました。簡単そうにこのトレーニングを紹介し、披露してくれた大山コーチ、佐古コーチでしたが、実際に自分たちでやってみると、その大変さにみんなびっくりしていました。
トレーニングを終え、ボールを使った練習メニューになっていくと、選手の皆さんも普段からなじみのある、「三角パス」や「ドリブルシュート」といった練習になり、緊張もほぐれてきたように見えました。しかし、そんなところを選手の気合いと元気に影響を受けた佐古コーチより「試合を意識した練習をしないとダメだ!簡単なプレイこそミスをしないように意識をすること!大切なのは『意識』をすることなんだ!」と熱い激が飛び、選手も今まで以上に真剣な表情になりました。会場に来てくださっていた父兄の方、そして会場のお手伝いをしてくれた東日本国際大学附属昌平高校の選手たちもうなずきながら、「このクリニックは中学生だけのためではなく、自分たち高校生でも本当にタメになる。特に大山コーチの体幹トレーニングは今日から始めます!」と、会場全体が真剣な雰囲気になる中、クリニックは続き、大山コーチ、佐古コーチも参加した試合でクリニックを終了。
このクリニックを通じて佐古コーチ、大山コーチが常に選手たちに伝えていたことは、「大変だけど頑張ること、日々の練習のひとつひとつを意識すること、みんな自分ひとりでは成長できないので、周りにいる人からのアドバイスをよく聞くこと」の大切さでした。参加した選手たちの真剣なまなざしとバスケットボールに対する熱い気持ちを全身で感じたコーチの二人も真剣に選手と向き合い、厳しくも熱くやさしい言葉で選手たちを激励。選手を代表して大井川明日香さんから「3月11日の震災以降練習ができなくて、何度も心が折れそうになったが、こうやってまたバスケットができるようになってうれしい。これからも“Let's Enjoy Basketball”で頑張ります」と笑顔をつくりつつも真剣なまなざしで挨拶をしてくれました。参加したほかの選手たちからも、「普段の練習の意味がよくわかった。細かいことまで詳しく説明してくれたので、すごく分かりやすかった。そしてとにかく楽しかったし、うれしかった!」と多くの感動の声があがりました。
2日間のクリニックを終えて、大山コーチは「3月11日からだいぶ時間がたってしまい、当時のつらい思い出をクリニックに参加することにより思い出させてしまったのではないかと心配だったが、クリニックのタイトルの通り、みなさんを少しでも笑顔にすることができていればうれしい」と語り、佐古コーチは「クリニックをみんなで一緒にできて楽しかった。このクリニックを通じて、みんなと出会えて自分は将来への光を感じることができた。参加してくれた皆さんも未来を感じることができていればいいと思うし、バスケットを通じて、被災地の皆さんの悲しみに光をさすことができればいいと思いました。これからもスマイルクリニックを続けて被災地の皆さんを元気にしたいですし、みなさんから元気をもらいたい」と語ってくれました。
次回の「スマイルクリニック2011」の第3回は12月3日(土)・4日(日)に岩手県にて開催いたします。