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平成23年度 U-15男子トップエンデバー開催報告 【第2日目】

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2011年11月28日

マルチのあとにディフェンスフットワーク

髙橋学コーチから細かい注意点

 平成23年度U-15男子トップエンデバーの第2日目は、ある出来事から始まりました。

 今年度のメンバーは学ぶ意欲が高いと判断したコーチ陣が、夕食後の夜練習(その日の補習)と、朝食前の朝練習(シューティング)を組みこんだのだが、朝6時15分集合、6時30分からのシューティングに5人が遅刻。そのうち1人は朝練習に参加できなかった。当然、午前の練習前からコーチングスタッフ陣は機嫌がよくない。
 髙橋学コーチングスタッフは「今回の3日間、私としては特に自覚…日本代表に対する自覚を伝えていきたいという思いがあったんです。朝の件も自覚の問題だと思います」と言っている。日本バスケットボール協会が進める育成システムとはいえ、選手たちは全国数万人の中学バスケットボール部員の中から選ばれた、いわば「U-15世代のトップ選手」である。その自覚が少し希薄だったのかもしれない。特にU-15のすぐ上には「U-16日本代表」という、国際大会に参加する代表チームができているだけにコーチ陣も厳しい。髙橋コーチは続ける。
「U-16日本代表への意識を中学生のうちから持ち始めなければいけないと思うんです。U-15トップエンデバーを足がかりにして、日の丸への意識をもっと高めていかなければいけない。そういう思いで、U-14トップエンデバー、U-15トップエンデバー、そしてU-16日本代表が連携を密にして、我々も指導しています。選手たちにもぜひそういう意識を持ってもらいたいし、ゆくゆくはこの中からトップカテゴリーの日本代表が出てきてほしいという思いがあるんです」
 この日は一日中、遅刻組が少しでも気を抜いた動きを見せると「朝に続いて、またか?」という厳しい声が飛んでいた。それはその選手の反省を促すためのものであると同時に、他の選手への強いメッセージになるのだが、この件は結果として3日目にもつながっていく。

 第2日目の練習は、マルチステージから始まった。所属する中学校で120回以上やったことがないという選手もいれば、そもそも音に合わせたこの測定をしたことがないという選手もいた。それでも選手たちは今持てる力を最大限に発揮し、走り続ける。1位は福岡市立西福岡中学の2人、浦田一朗選手(3年)と松脇圭志選手(2年)の139回だった。
 その後、午前中はディフェンス中心の練習となる。世界で体格に劣る日本にとってディフェンスは生命線の1つである。細かな点を正確にプレイできてこそ、本物の武器になる。練習メニューはめまぐるしく変化していき、そのなかでさらに厳しい注文が随時飛んでくる。
 「ディナイのときの指先が弱い!」
 「密着して、相手を感じなさい」
 「ヘルプを期待するな!苦労を惜しむな!」
など。
 すると選手たちはディフェンスを頑張りだすのだが、たとえばディナイで頑張りすぎると、パスコースに手ではなく、体まで出ていくので、正確なビジョンが取れずにバックカットの餌食になってしまう。この絶妙な空間認識が今合宿のテーマの1つでもあった。それでも、と髙橋コーチは言う。
 「チームディフェンスの練習はうまくできるかどうか少し心配していたんです。でも思ったよりも選手たちの飲み込みが早いなと感じました。午後のオフェンスについても、普段は6号球ですが、U-15トップエンデバーでは7号球を使っていて、その点はまだコントロールできていない面もありましたが、動きについては私が思っていた以上に早く順応しているなと感じました」

 午後になると、上記の言葉どおり、オフェンス中心の練習になっていく。これも目まぐるしくメニューが変化していき、それに対して選手たちも懸命についていく。すると今度はディフェンスの動きがおざなりになり、「午前中のディフェンスをもう忘れたのか? ボールと逆サイドのディフェンスはマークマンにつきっきりではないだろう?」と注意される場面もあった。それでもスペーシングなど状況を判断して、空いているスペースを見つけて攻める練習では、動きそのものはぎこちないが、それをみんなで解決していこうという意識を垣間見せていた。順番を待つ間にお互いに教え合ったり、実際にコートでやっているメンバーに声をかけたりして、全員で2日目の練習を乗り切ろうとしていたのである。
 30名のなかで一番背が小さく、トップエンデバーに初めて参加した熊谷航選手(別府市立北部中学 3年)は「初日は緊張したけど、2日目は初日よりもしゃべれる友だちが多くなってやりやすかったです。最初は身長の違いを感じたけど、でも自分は小さいなりにできることはないかと普段から考えているので、最後の方は身長のことをあまり気にしなくなりました」と言っている。小さい選手が大きい選手に打ち勝つ方法を考える。これは日本が世界で戦うために避けては通れない点であり、それについては中学生なりに考えているとわかる。
 朝練習の一件と、午前・午後ともに終盤になると、頭を使う練習メニューの多さに少し集中力を欠くといった問題点もあったが、選手たちは最後まで持ち前の明るさを失わず、合宿2日目を無事に終えた。

【練習メニュー:2日目】
≪午前≫
 ①ウォーミングアップ
 ②マルチステージ
 ③ディフェンスフットワーク
 ④ディナイディフェンス
 ⑤3対3のローテーションダウン(ヘルプ&リカバリー)
 ⑥2人組でミートドリル
 ⑦クールダウン
≪午後≫
 ①ウォーミングアップ
 ②ミート~レイアップシュート
 ③1対1のボールミート&スペーシング→2対2へ移行。
 ④3対0でのスペーシング
 ⑤4対0でのスペーシング(ボール2個使用)
 ⑥オールコートのツーメン
 ⑦リバウンド~ツーメン~スリーメン~4メンブレイク
 ⑧補強トレーニング・クールダウン
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