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第5回FIBA ASIAカップ 最終日(第9日目) イランの大会2連覇で閉幕

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2014年7月20日

感謝の意を表明するハヤブサジャパン

第5回FIBA ASIAカップを制したのはイラン

 7月11日(金)より中国・武漢で開催された「第5回FIBA ASIAカップ」は、決勝でイランがチャイニーズ・タイペイを89-79で下し、大田区総合体育館で開催された2012年大会に続き、2連覇を達成して閉幕しました。

■第5回FIBA ASIAカップ 最終順位
優 勝  イラン ※2大会連続2回目
第2位  チャイニーズ・タイペイ
第3位  フィリピン
第4位  中国
第5位  ヨルダン
第6位  日本
第7位  インド
第8位  シンガポール
第9位  インドネシア

 ハヤブサジャパン 男子日本代表チームは、6位という結果で終わりました。#4石崎 巧キャプテンは、「情けなくて、悔しいという言葉に尽きます。チーム全体のことよりも、僕自身がPGとしてゲームのコントロールに関して、以前よりもうまく試合の中で考えを持ってプレイできていないという感じがあります。勝たせられる試合をいくつも落としてしまいました」と、責任を感じていました。ドイツ1部リーグに籍を置いていますがプレイタイムは限られ、「ゲーム感がなくなっている」と、長谷川 健志ヘッドコーチは心配していました。それは石崎選手自身も把握しています。
 活躍の場を求めて、海外に出ていったのも全ては日本代表を強くするという志を持ってのチャレンジでした。しかし、今大会の悔しい結果を受け、「満足のいくプレイができない中で、海外に挑戦することにだけをフォーカスしてて良いものか……もう少し考えたい」と、迷っていました。

 試合後、選手同士がハドルを組む際、ヨルダン戦後は長い間、石崎選手が仲間たちに何かを話していました。「個人やチームの課題を、ウィリアム・ジョーンズカップに行く選手やアジア競技大会を目指す選手それぞれが、チームを離れてもこの悔しさを忘れることなく、所属チームでもしっかり落とし込みながら練習を積んで帰って来よう。また、わざわざ日本から応援に来ていただいたファンの方々への感謝であったり、サポートしていただいている現状を当たり前だと思わないように、これで一区切りになるがお世話になった方々に感謝の意を表明して、チームを離れよう」と、日本を離れたことで身に染みて感じたことを伝えていました。

 石崎選手をはじめ、1984-85年生まれの黄金世代と呼ばれる7人の選手たち。#10竹内 公輔選手、#15竹内 譲次選手、#5太田 敦也選手と206~7cmの大型選手が揃った世代ではありますが、バスケットボールの能力で言えば若い世代の方が優っていると言っても過言ではありません。しかし彼らは、真摯にバスケットに取り組み、努力してきたことがユニバーシアードで世界4位という結果につながり、黄金の輝きを放ったわけです。今大会期間中もホテルに帰れば試合の映像を見ながら意見交換をし、より良いプレイができる改善案を見出していました。若い世代に継承する作業はこれからのようであり、「先発出場するのは比江島(慎)や(田中)大貴です。話をしても遠慮するかも知れないし、僕らが一方的に話をしてもいけませんので、もう少し上手いやり方を考えなければいけないと思っています。今後は、もっと個々で話していくことを世代は関係なくやっていきたいです」と石崎選手は話しており、黄金世代が当たり前のようにしてきたコミュニケーションを、世代を越えて取り組み、チームの結束力を高めていきます。

 出場チームを見渡せば若い選手たちが台頭し、自信と結果を掴んだ第5回FIBA ASIA カップ。優勝したイランの#14KAZEMI Naeini選手は、フィラデルフィア76ersの一員としてNBAサマーリーグを終えた後に合流し、決勝戦では25点を挙げる活躍。日本戦で22点も決められたチャイニーズ・タイペイ#11LIU選手。この2人は比江島選手と同じ1990年生まれ。しかし比江島選手は、チャイニーズ・タイペイの同世代の選手たちに対し、「1年間で上手くなっている」と言い、差を感じていました。
 さらに若い20歳前後の選手たちも活躍した今大会。長谷川 健志ヘッドコーチは、「アジアのレベルは、総じてある程度の一定ラインを越えてきている印象を受けました。今回の出場チーム以外に韓国やカタール、レバノンなどが加わる上位チームは、非常に力が拮抗していると感じています。でも、けっして日本が上位チームと大きく差が開いているとは思っていません。日本の勝ち方というのが出てこないと、最後まで同じような形で負けてしまいます。頑張ってはいるのですが最後に落としてしまっているので、第4ピリオドの戦い方が僕自身にとっても課題となりました。映像を見直しながら、どうすべきかをしっかり対策していきたいです」と、FIBA ASIAカップから見えたアジア情勢と対応策について語っていました。

 敗れた試合も前半は互角以上に戦えていたことも多く、目指すバスケットの方向性は間違っていません。しかし、アジャストされた後半に、インサイドや思い切り良い1on1といった個の力で上回れてしまいました。多くの課題が見えた大会ではありましたが、取り組むべきことは明確になりました。
 「時間があるわけでも、余裕があるわけでもなく、本番は来年のリオデジャネイロオリンピック予選(FIBA ASIA選手権)。そこへ向け、もっともっと早いスピードでチームを作っていかなければなりません。チームを離れて再び集まった時に、またゼロからスタートしていては意味がないので、日本代表としてステップアップしていくためにも、それぞれが普段の練習から考えて強化に取り組んで欲しい」と石崎キャプテンは告げ、選手たちはそれぞれのチームへと帰っていきました。

 ハヤブサジャパンの次なる戦いは、8月9日(土)よりチャイニーズ・タイペイで開幕する「第36回ウィリアム・ジョーンズカップ」。ベテランを休ませ、若いメンバーで挑むにあたり、「もっと走るチームにするためにも練習から激しくしなければなりません。若いジョーンズカップ組には、練習の強度も量も増やして、それに耐えられるかどうかを試したい」と、長谷川ヘッドコーチは改善に着手するようです。NBAサマーリーグに出場した富樫 勇樹選手も参加予定であり、「スピードとボールコントロール、さらにシュート力もある素晴らしい選手。アジアのチームを見渡しても、さほど大きい選手がいるわけではありません。日本代表にとってもおもしろい存在になる」と、期待を寄せていました。

 9日間で7試合を行った第5回FIBA ASIAカップ期間中は、たくさんのご声援いただき、ありがとうございました。今年度は9月19日(土)に韓国・仁川で開幕する「第17回アジア競技大会」をメインターゲットとし、さらなる強化を進めていきます。引き続き、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
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