平成25年度 U-14女子トップエンデバー開催報告
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2013年10月16日
平成25年度U-14女子トップエンデバー
ボールコントロール、ボディコントロールを意識した指導を実施
今年度のテーマは、昨年度と同様に「人と合わせる」こと。講習内容は、女子日本代表チームの内海 知秀ヘッドコーチや一色 建志ジュニアヘッドコーチを含む各カテゴリー代表者が参加して、エンデバーコーチングスタッフ会議にて議論されたものです。議論の中で新しく出てきたことは、今まで「シュートはワンハンドで打つことが望ましい」とあったものを、「シュートはワンハンドで打つ」としたところでした。そのため、第1日目の講習の中で、一色コーチと日高 哲朗エンデバーコーチングスタッフが約1時間30分にわたり、熱心にワンハンドシュートを選手たちに指導しました。
鷲野 鋭久コーチングスタッフは「基本的なファンダメンタルに基づいて、人と合わせるタイミングやスペーシングを再度徹底しようと考えました。ここ数年やっていることなのですが、全国のブロックエンデバーの様子などを見ると、まだまだ徹底できていないと感じています。ですので、内容をよりシンプルにすることで、今後の伝達講習につながればと考えました」と言います。トップエンデバーは各ブロックにその内容を伝え、そこから各中学校にも浸透させることも重要な要素です。集まった選手の「個」を伸ばすだけではなく、その点も忘れてはいけないと考え、テーマは同じながら、よりシンプルなドリルを徹底して繰り返していました。
シンプルとはいうものの、やはり人と合わせるプレイは頭を使わなければなりません。ハーフコートの3対2では、選手がどのスペースに走り込めばいいかがわかりやすいように、五角形の印をつけて実施しましたが、ほとんどの選手が初めてやる練習のため、どこをどのように見て、どのタイミングで走り出せばいいのかに苦心していました。また、自分たちの学校でやっているような基本練習でも、動きの種類が増えることで、苦労している場面が多くみられました。藤本 愛瑚選手(徳島・小松島市立小松島中学校 2年)は「五角形の印を置いて行う3対2など、頭を使う練習がたくさんあって、とても難しかったです。またシェービングドリル(ボールを受けて止まるときのステップ練習)は自分の学校でもやっているんですが、種類が多くて難しかったです」と合宿を振り返ります。難しいからこそ、それがうまくいったときの喜びや出来なかった悔しさなどが彼女たちの糧になっていきます。藤本選手を含めて、練習に参加したすべての選手がすべての練習に対して真剣に、ときおり笑顔も見せながら最後まで取り組んでいました。
頭を使えば使うほど声を出すことが少なくなる選手が多い中、ひときわ大きな声を出して練習に励んでいたのが山本 杏子選手(新潟・魚沼市立広神中学校 2年)です。「U-14トップエンデバーに選ばれるような選手はみんな、練習に取り組む態度から違っていると感じました。でも私も負けたくないので、出来ることは全てやりたいと思って練習に臨んで、特に声出しだけは誰にも負けないように頑張りました」。全国から選ばれた選手たちのいいところを見て、それを真似して、成長していく。それはスキル面だけではなく、練習への態度にも通じることです。トップエンデバーとはそのような場でもあるわけです。
先日、2020年に東京オリンピックが開催されることが決定しました。14歳の彼女たちは、そのとき21歳になっています。高校からWリーグに入る選手であれば社会人3年目で、東京オリンピックに出る可能性を十分に秘めています。藤本選手も山本選手も「東京オリンピックにはぜひ出たい!」と言い、そしてその舞台に立つために「自分がチームの中心となって、動きを止めないプレイをしていきたい(藤本選手)」、「ゴール下を制圧できるような選手になりたい(山本選手)」と直近の課題と、将来の夢を語ってくれました。
「我々指導者も、そういった夢を持っている選手たちに携わっていることをもっと強く意識して、日本のバスケットが2020年に向けてどのような心構えで向かっていくのか、共通理解を持った上で指導にあたらなければいけないと感じています」と鷲野コーチングスタッフ。若い選手の育成は彼女たちの「夢」に直結するものです。2020年に向けて、選手だけではなく、指導者も心を新たにして臨んだ今年度のU-14女子トップエンデバーとなりました。