平成23年度 U-18女子トップエンデバー開催報告 【第1日目】
<-php echo date("Y年m月d日",strtotime($news_info.post_date));?>
2012年3月23日
モーションオフェンスの基本を再確認
最後は北本文男フィジカルコーチによる講義
女子はここ数年、アンダーカテゴリーでは確実にアジア選手権を勝ち抜き、世界選手権でもある程度の結果を残していることもあって、「U-18トップエンデバー」というと、どちらかといえば「強化」の色合いが濃かった。その方向性が大きく変わることはないが、より多くの選手たちに現在、世界で通用している日本のバスケットスタイルを浸透させるためにも、人材を発掘し、育成していくことも必要不可欠である。特に来年度(平成24年度)は8月にオランダで「第2回U-17女子バスケットボール世界選手権大会」があり、9月にはマレーシアで「第21回FIBA ASIA U-18女子バスケットボール選手権大会」も開催される。強化の面から見れば底上げを、育成の面から見れば多くの選手たちにより高いレベルのバスケットを肌で感じてもらいたいという狙いが今回の「U-18女子トップエンデバー」にはある。
初日は女子U-18日本代表チームのヘッドコーチである一色建志コーチングスタッフが中心になって、地方ブロックエンデバーでも取り入れられていたモーションオフェンスの確認がなされた。一色コーチはその狙いをこう言っている。
「明日の午後からは女子U-18日本代表、女子U-17日本代表の選手選考を兼ねたスクリメージになります。そのためにもオフェンスのエントリーの考え方を確認しておこうと思い、この練習を取り入れました。各地方ブロックエンデバーでもやっていたことですが、その他の練習、たとえばスピンターンやボディチェックといった個人スキルのメニューも多くあったので、チーム的な動きまでやりきれなかったところもあったそうです。ですので、動きを教えながら、明日のゲームでちょっとしたチームの約束事になればいいかなと思い、取り組んだわけです」
練習の途中では練習メニューを作成した井上眞一サポートスタッフもコートに入り、「パスとドリブルが弱い!」「腰の位置が高い!」といった細かな指示を選手たちに与えていた。井上サポートスタッフをはじめとする、日本の高校バスケット界の手厚いバックアップと、世界に対抗するためのきめ細かな指導こそが、日本を世界で通用するチームにしているわけである。
青森・県立三沢商業高校2年の斗沢千暁選手は「東北ブロックエンデバーでやったことのある練習でしたが、もっとコミュニケーションを取っていかなければ難しいなと感じました。こういった場に選んでいただいたのは初めてのことで、ついていくだけで精一杯でした」と感想を述べている。また、大阪・府立岸和田高校1年の和田浩実選手も「近畿ブロックエンデバーでやったことに動きが加わって難しくなり、たくさんミスをしてしまいました。周りにいる選手たちも雑誌で見るような選手たちばかりで…緊張してしまいました」と言っている。多くの選手にとってこれまでにどこかでやったことのある練習だが、スピードやパワー、技術の正確性などメンバーのレベルが上がれば、その感覚はこれまでとは異なるものになる。選手たちもそれを感じたようだ。
もちろんそれは女子U-18日本代表を経験したことのある選手でも同じこと。メンバーが変われば、さまざまな違いに気付くことができる。「私自身はこれまでにやったことのあるメニューだったので迷いなくプレイすることができましたが、わからない選手たちに合わせてしまって、少し気を抜いてしまったと反省しています。明日はゲームと聞いているので、今日やったプレイを意識しながら実戦でも使ってみたいと思っています」と愛媛・聖カタリナ女子高校2年の田村未来選手。経験者が未経験者を引っ張り、未経験者が持つ「初心」を経験者が再確認する。
選手のなかにもそういった意識が芽生えれば、毎年継続しておこなわれる「U-18トップエンデバー」はより充実したものになる。