平成25年度全国バスケットボールコーチクリニック【東北会場】 開催報告
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2014年3月7日
第1日目・第2部 トーステン・ロイブル氏による「ゲームで身につけるファンダメンタル(実技編)」
第2日目・第1部 荒木 秀夫氏による「スポーツコオーディネーション2(理論編)」
2月15日(土)の第1部では、荒木 秀夫氏(徳島大学大学院教授)より、「スポーツコオーディネーショントレーニング2(実技編)」というテーマで実技指導が行われました。
講師自らのデモンストレーションを交え、コの字、Sの字に体を左右に振るなどの身体操作、ボールを両手と胸の3点でキャッチすること、スラローム走の走り方など、効率の良い身体の動かし方やボールの軌道や空間を認知するといったバスケットボールに通じる能力をトレーニングする方法の指導が行われました。
受講者の方々も、荒木先生の指導によってモデルプレイヤーの動きが改善される場面を間近に見ることで、バスケットボールに生かせるコーディネーショントレーニングの可能性や必要性を再認識されているようでした。
第2部では、トーステン・ロイブル氏(JBAスポーツディレクター)より、「ゲームで身につけるファンダメンタル(ディフェンス編)」というテーマで、ゲームで起こり得る状況をスキル競争とスキルゲームでトレーニングする方法の指導が行われました。
そこでは、日本における多くのチームの練習でファンダメンタルドリルによって技術習得をなされた後、すぐにゲーム形式の練習に入ってしまう問題点を指摘され、ファンダメンタルドリルとゲーム形式の間に競争を伴ったゲームに関連づける練習を入れることの重要性を説明され、具体的な練習方法を紹介されました。
初日のディフェンス編では、フットワークやオンボールディフェンスに競争的な要素を取り入れ、モデルプレイヤー達が生き生きした姿で熱中する場面が見られました。
またリバウンドのドリルにおいてはボックスアウトに加え、ボールに飛びつくことの重要性を強調され、相手と接触した後はフロントターンすることによってボールに飛びつきやすいなどの細かいポイントの説明もなされていました。
今回の実技指導は、具体的なドリルはもちろんのこと、日々の練習において試合で起こり得る状況の中で選手たちが競争に夢中になりながら、身につけたファンダメンタルを実践することの重要性を考えるきっかけとなったようです。
第2日目となる2月16日(日)の第1部では、荒木氏より「スポーツコオーディネーショントレーニング2(理論編)」として、コーディネーショントレーニングは誰もがやっていることを組み合わせていくことが重要であると紹介され、競技力との関係において練習の効果を高める、感受性を高めることなどの説明がなされました。
また、ホームセンターなどで簡単に手に入る道具を用いて行える平衡能力のトレーニングが紹介されました。質疑応答においてより詳しい説明を求められるなど受講者の興味を引きつけたようでした。
最後にコーディネーショントレーニングの注意点として、ついつい究めてしまうこと、成功させたいと思うことによって本来の種目の動きが下手になってしまう可能性があるなど副作用についての説明がなされ、猛特訓しないことが重要であると強調されました。
第2部では、ロイブル氏より「ゲームで身につけるファンダメンタル(オフェンス編)」というテーマで、実技指導がなされました。
はじめにウォーミングアップのアイディアとして、選手たちが楽しみながら行えるマイナーゲームを紹介されました。そこではパスやドリブル、シュートを上手く取り入れ、楽しみながら競争させウォーミングアップを行わせていました。
実技指導では、シュート競争から入り、試合と同じようなスピード、疲れ、プレッシャー(勝とうとする気持ち)を組み込むことで、習得したファンダメンタルをトレーニングする方法を紹介されました。
また、トラップディフェンスに対するパッシングについての練習方法も紹介されました。そこではボールを保持したらリバースターンし、ポジティブスタンスを維持することでトリプルスレットの姿勢をとることができるなどの具体的な指導がなされました。
受講者からリバウンドにおけるボックスアウトから飛びつくまでのターンの詳しい方法や、ポジティブスタンスにおける望ましい足の位置についての質問がだされ、自らの指導現場に早速生かそうという姿勢が見られました。
このような形で2日間の全国コーチクリニックを無事終了することができました。開催初日は大雪の荒天にも関わらず、多くの受講者の方々にお集りいただきました。また開催にあたってご協力いただきました地元関係者・スタッフの皆様には、大雪の中での会場準備など臨機応変に対応いただき、多大なるご支援を賜わりました。どうもありがとうございました。
当協会では、引き続き、日本のバスケットボール指導者の資質と指導力の向上につながる、指導者養成事業を展開していきたいと考えております。今後とも皆様のご理解・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。