平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第3回キャンプ開催報告
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2013年12月30日
トーステン・ロイブルコーチより、きめ細かくピック&ロールの指導がなされた
高度なシュートにも積極的に挑戦
開講式では、日本バスケットボール協会の星 芳樹専務理事より、「2020年の東京オリンピックに向けて、君たちはとても重要な世代です。日本代表にとして活躍できる選手になるために、この3日間のキャンプで多くのことを吸収して、弛まぬ努力を継続してください」と激励の言葉がありました。
前回キャンプよりメンバーが21名から15名に絞られ、選手たちも気持ちが引き締まり、選手たちの顔つきや意欲に少し変化が見られました。佐々木 三男プロジェクト委員長も「人数を減らしたことで選手たちにプライドが出てきています。U-16以降の日本代表を視野に入れた意識の表れだと思います。1回目はどうしたらいいか分からずモジモジしていた選手が多かったですが、徐々に自信が出てきています」と目を細めました。
■第1日目/12月13日(金)
13:00 開講式
13:30 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
14:45 シュータークリニック(日高 哲朗 コーチ/千葉大学)
ビッグマンドリル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
16:00 フィジカルトレーニング
17:30 個人練習(シューティングドリル)
19:00 メディカル講習
20:00 栄養講習
■第2日目/12月14日(土)
6:00 シューティング
8:00 自習時間
9:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
11:15 フィジカルトレーニング
13:30 シューター個人練習
14:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:00 シュータークリニック(日高 哲朗 コーチ/千葉大学)
ビッグマンドリル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
16:15 フィジカルトレーニング
17:30 個人練習(シューティングドリル)
19:00 チームビルディング・ライフスキル
20:00 スピーチ
■第3日目/12月15日(日)
6:00 シューティング
8:15 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
9:30 シュータークリニック(日高 哲朗 コーチ/千葉大学)
ビッグマンドリル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
10:30 フィジカル
11:30 閉講式
今回の合宿もこれまでと変わらず、トーステン・ロイブル氏(JBAスポーツディレクター)のディフェンスとコーディネーション、日高 哲朗氏(千葉大学) のシュート、S&Cコーチの國友 亮佑氏(東海大学)、小山 孟志氏(公益財団法人日本バスケットボール協会) ・吉本 定明氏(青山学院大学)のフィジカルトレーニングを柱に進められました。
※日高氏のシュータープログラムについては、下記ダウンロード欄よりご覧いただけます。(PCサイトのみ)
その中でトーステン・ロイブル氏が特に重点的に指導しているのがピック&ロール。「国際的に、ピック&ロールに代表されるオンボールスクリーンのプレイはとても重要視されていますが、日本ではあまりうまく使われていません。国際大会で対応にあわてることがないよう、この年代から覚えるべきプレイの一つ。技術はまだまだですが、非常に大きな一歩を踏み出していると感じています」(ロイブル氏)。
この年代でピック&ロールを実際に使っているチームはそれほど多くのないのではと思いきや、聞いて回ると「取り入れている」と話す選手が意外と多い様子。ただ高橋 優人選手(東京都・日野市立日野第一中学校 3年/189cm)からは「アカデミーで教わるほうが技術的に細かい」、鍵冨 太雅選手(東京都・渋谷教育学園渋谷中学校 3年/190cm)と植松 義也選手(神奈川県・川崎市立柿生中学校 3年/188cm)からは「自分(エースプレイヤー)を生かすために使うことがほとんどで、他の選手にチャンスを作るために使うことはあまりない」という意見もありました。また、所属チームではインサイドを務める選手が大半とあって、「スクリーンをかける側」から「スクリーンを使う側」への切り替えに苦戦した選手が多い印象を受けました。
佐々木委員長は「日本人は攻守において、対人の中での状況判断に欠ける部分があります。そのため、この年代から色々な経験をすることよって、状況判断のためのイメージと判断力を磨いていって欲しいと思っています」と選手たちにエールを送りました。
午後には「ビッグマン」と「シューター」に分かれ、ビッグマンはロイブル氏、シューターは日高氏の指導を受けています。
ビッグマンは強い対人コンタクトの中で、ステップや体の使い方を染み込ませていきました。シューターは指の使い方までに気を配り、「人差し指、中指がしっかりリングに向けて真っすぐ打つこと」「ボールを高く上げてしっかりスピンをかけること」「指の腹(パッド)でなく爪の間(ティップ)で打つこと」といった点を強調して指導を受け、それを意識しながらいくつかのシューティングドリルに取り組みました。「このような一連のチェックポイントが習慣となるまで繰り返すことが大事です」と日高氏は話します。
180cm~200cm台のU-15プレイヤーが、ボール運びでフォーメーションをコールしたり、外のシュートやフローターのシュートを軽々と打ったり、1対1でクロスオーバーやギャロップステップを駆使するジュニアエリートアカデミー。公募アシスタントコーチとして参加した町田 洋介氏(筑波大学/東芝、リンク栃木などでプレイし、2011年に引退)も、現役時代は200cmのビッグマンとして活躍していました。
「自分が中学生だったころは、個人技術を細かく指導してもらえるチャンスなんてほとんどありませんでした。また、サイズが大きい選手は、小さい選手に比べて技術の吸収に時間がかかって、成長のスピードが遅いイメージがあります。そういった選手がこうやってピックアップされるのはとても素晴らしいことと感じます。今の大きい選手がうらやましいですね」と、自身の経験を振り返りながら話してくれました。
一流のスキルコーチたちと、所属チームではなかなか経験できない同サイズの選手たちとの切磋琢磨によって、アカデミー生たちはグングン成長を続けています。それは「心」の面でも同様。3日間の合宿中は、食事の取捨選択(バイキング形式)、休憩時間の使い方、ウエアの洗濯など、基本的に自分の身の回りのことは自分自身で判断して行動しなければなりません。戸堀 春輝選手(東京都・新宿区立西早稲田中学校 2年/186cm)は「ここでは自分で身の回りのことをやらなきゃいけないのが大変です。普段は家族とかチームメートが手伝ってくれるけど、これからは自分でもしっかりやろうと思います」と、力強く語りました。
次回、第4回キャンプは、1月10日(金)~12日(日)に開催されます。
■平成25年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第3回キャンプ 指導スタッフ紹介 ※敬称略
【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)、日高 哲朗(千葉大学)、本永 昌生(通訳)
【チームビルディング・ライフスキル】
神田 義輝
【心理カウンセリング担当】
奥野 真由(JISS)
【フィジカル担当】
小山 孟志(公益財団法人日本バスケットボール協会)、吉本 定明(青山学院大学)、國友 亮佑(江戸川大学)
【トレーナー担当】
西村 航(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【シューティングメカニズム担当】
袴田 智子(JISS)、稲葉 優希(JISS)
【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(天理大学)、古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
尺野 将太(公益財団法人日本バスケットボール協会)、七川 竜寛(パナソニック株式会社)
【アシスタントコーチ】
池田 親平(株式会社ERUTLUC)、高橋 宏典(静岡県立袋井商業高等学校)
町田 洋介(筑波大学)、三澤 貴紀(株式会社ERUTLUC)、山田 敬治(三洋電機(株))
浦野 瑞久(茨城県立下館第二高校)、田中 博昭(鳥取県立博物館)、菱沼 敏寛 (狛江市立狛江第二中学校)