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【大会前特集】JX-ENEOSウインターカップ2013 男子展望 ~読めない優勝戦線。先に勢いを掴め!~

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2013年12月17日

第1シードの京北(東京)は「ラン&ガン」で30大会ぶりの優勝を狙う

2年生エース・角野 亮伍選手を中心に、インターハイで初の決勝の舞台を経験した藤枝明誠(静岡)はどう戦ってくるのか

 今年も「ウインターカップ」の季節がやってきた。
 ウインターカップ――正式名称「東日本大震災復興支援 JX-ENEOSウインターカップ2013 平成25年度 第44回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」は、その年行われる高校バスケットの最後の全国大会であり、「最もレベルが高い」と言われる大会でもある。その大会に都道府県予選を勝ち抜いた47チームと、開催地枠として東京都から1チーム、そして夏の高校総体で決勝戦まで勝ち上がった2チームの、合わせて50チームが挑む。男女を合わせると100チームが出場するという意味では、規模としても最大の全国大会と言える。
 大会期間は12月23日(月・祝)から29日(日)までの1週間。場所は東京・千駄ヶ谷にある東京体育館で、改修工事後、2年ぶりの開催となる。

 大会を目前に迎えて、ここでは男女の展望をそれぞれ記しておこう。
 まずは男子から。

 第1シード(トーナメント表の左上)の京北(東京)は、40年ぶりにインターハイを制した古豪。伝統のプレイスタイル「ラン&ガン」を進化させ、ついに念願の全国トップに返り咲いた。コートに立つ5人がどこからでも攻めることができるのが今年のチームの強み。勝てば30大会ぶりのウインターカップ――当時は3月に行われたため、正確には「ウインターカップ」ではなく、「(春の)選抜」――優勝となる。男子で地元・東京のチームが優勝するのもそれ以来であるだけに、応援にも力が入るだろう。
 同じブロックの対抗は北陸(福井)。インターハイではベスト8止まりだったが、その爆発力と勝負強さは侮れない。また今大会No.1プレイヤーの呼び声が高い#18馬場 雄大選手を擁する富山第一(富山)と、強固なチームディフェンスを身上とする県立山形南(山形)の対戦は、1回戦きっての注目カードである。さらにはディフェンディングチャンピオンの延岡学園を倒して出場を決めた県立小林(宮崎)、今年の全国大会優勝候補のひとつでもあった船橋市立船橋を破った柏日体(千葉)、そして全国常連校になりつつある東海大学付属第三を破って、全国大会初参戦の佐久長聖(長野)の戦いぶりにも注目したい。

 トーナメント表の右下は、高校総体2位で第2シードの藤枝明誠(静岡)が一歩リードしている。昨年度の日本代表候補にも選ばれた2年生エースの#15角野 亮伍選手の得点力は超高校級といっていい。脇を固める#4伊藤 大和選手、#10松原 寿樹選手も実力のある選手だけに、相手チームも角野一人を抑えればいいわけではない。それでもすぐ隣にディフェンス力のある県立新潟商業(新潟)がいる。初戦で当たることになれば、ウインターカップに住む魔物――例年、シード校が初戦で敗れることは多々ある――に取りつかれることも十分考えられる。
 このブロックの対抗は明徳義塾(高知)。#14 アユエン ピーターマジョック選手は202センチと高さがある。各校ともにマジョックの高さを封じつつ、いかに得点を伸ばしていくことができるか。昨年の高校総体でベスト4まで勝ち進んだ正智深谷(埼玉)中部大学第一(愛知)なども相手の隙を狙っているに違いない。また偉大なる先輩、渡邊 雄太選手のプレイを間近で見てきた今年の尽誠学園(香川)がどのようなプレイをするのかにも注目したい。

 トーナメント表の右上は第3シードの明成(宮城)が抜け出すだろう。#6植村 哲也選手、#10白戸 大聖選手、#11宮本 滉希選手といった力のある3年生に、9月末に行われた「第3回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」で3位に入った男子U-16日本代表の#14八村 塁も加わり、タレント性は十分。鍛え上げられた、速くて正確なバスケットを最後まで貫き通すことができれば4年ぶりの戴冠も十分にありうる。
 その対抗は八王子学園八王子(東京)か。198センチの#7ソレイマン ゲイ選手の高さと、#4新号 健選手らアウトサイド陣がかみ合えば最終日まで残る力はある。ただ星翔(大阪)もインターハイでベスト8の大阪学院を破っての出場だけに、簡単に突破できる相手ではないと言えるだろう。また、高校総体2回戦敗退の伝統校、県立能代工業(秋田)がどのような巻き返しを果たしてくるか。ここ数年、上位には食い込めていないが、それでも侮ることのできないチームだ。1回戦の金沢(石川)との対戦は注目である。

 トーナメント表の左下は第4シードの福岡大学附属大濠(福岡)が中心になってくる。今年度は高校総体、国体ともに優勝候補に挙げられながら、あと一つが勝ちきれていない。#14杉浦 佑成選手、#4青木 保憲選手ら最上級生から、#11津山 尚大選手、男子U-16日本代表の#8牧 隼利選手といった下級生までタレントは全国でもトップクラス。高校総体、国体と相手の術中にはまったゾーンディフェンスの攻略が優勝へのカギとなるだろう。最後にして、最高の舞台で頂点まで駆け上がることができるか。
 ただし、すぐ隣には土浦日本大学(茨城)がいる。攻撃力のあるチームだけに、ゲームの入り方を間違えると一気に流れを奪われる可能性もある。
 対抗は洛南(京都)だろう。昨年ほどのベンチ層の厚さはないが、それでも司令塔の#4森井 健太選手を中心に、前回大会を経験しているメンバーもいる。高校総体ではベスト8で京北に敗れており、そのリベンジを果たすためには福岡大学附属大濠を倒すしかない。ほかにも高校総体で北陸相手に3点差のゲームをした國學院大久我山(開催地・東京)や、激戦区・神奈川を突破してきた法政大学第二も虎視眈々と上位を狙っている。

 トップシードの4校が引っ張る形ではあるが、それ以外のチームにも十分チャンスの芽はある。一発勝負のトーナメントは先に勢いを掴んだほうが有利とも言われる。東京体育館の大舞台に緊張することなく、自分たちのプレイを出し切って、新しい年を迎えてほしい。
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