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平成24年度 U-18女子トップエンデバー開催報告

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2013年3月31日

女子日本代表チーム 内海 知秀ヘッドコーチより、ボールの受け方、足の出し方、そこで肩を入れるなど基礎的なことを教わった

激しいリバウンド争いなど、世界に通じる日本女子のバスケットを実践した

 去る3月9日~11日までの3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて
「平成24年度U-18女子トップエンデバー」
が行われました。地方ブロックエンデバーから推薦された41名(42名のうち怪我のため1名欠席)は、最後まで欠けることなく、世界に通じる日本女子のバスケットを実践していました。

 女子U-18日本代表チームのヘッドコーチであり、平成25年度よりジュニアカテゴリー女子日本代表チームのヘッドコーチに就任することが決まっている一色 建志エンデバーコーチングスタッフ(以下、ECS)は、「今回は昨年の『第2回U-17女子バスケットボール世界選手権大会』で4位に入った(女子U-17日本代表)の選手たちが参加しているので、その選手たちを基準にして、そのメンバーに選出されなかった選手がどこまで伸びているかを確認しました」。ここ数年、世界に出ることはもちろん、世界でも通用するバスケットを展開している女子のジュニアカテゴリーは、より高いところを目指すべく、選手たちを育成しているわけです。

 初日は、女子日本代表チームのヘッドコーチでもある内海知秀ECSが、ボールの受け方からドライブに移行する体の使い方について、オフェンスの細部にわたり徹底して指導されました。内海ECSは「トップエンデバー自体は何度か見たことがありますが、40名にも及ぶ選手を教えたのは初めてです。さすがは全国から集まってきたトップクラスの選手たちだけあって、それぞれ光るものを持っていますね。私としては、この選手たちが将来、日の丸をつけていく選手になってもらいたいという思いがあります。ボールの受け方、足の出し方、そこで肩を入れるなど基礎的なことを教えたのは、世界に出るためには、そのような基礎が非常に大事になってくるからです」とコメントしました。国内の試合で結果を残したり、もしくはチーム内でトップに立ったりと、つい自分は基礎ができていると勘違いして疎かになりがちですが、基礎の繰り返しはジュニア世代に限らず、トップレベルになっても重要になってきます。アテネオリンピックをはじめとして、世界の舞台を知る内海ECSは「何かの機会に、そのことを伝えたいと思っていたので、今回の合宿では、そのような練習になりました」と言っています。基礎的な動きを細部に至るまで意識させることで、今後のプレイの伸びは大きく変わってきます。「意識付けをしっかりすることで、様々なプレイの細部についても習得することができ、試合でパフォーマンスとして発揮されるのです」。

 2日目は、1日目に内海ECSが行なった基礎的な動きに「合わせ」の要素を加えたドリルを、一色ECSが指導しました。練習中、「合わせで大切なのは動き出しのタイミングです。ディフェンスの動きに合わせた状況判断をすること。ボールを持っていない選手が自分のディフェンスをよく見て、先に判断すること。合わせでは、ボールを持っていない選手の動き出しが優先になります」と説明。最初は動き出しのタイミングが合わなかった選手たちも徐々にタイミングがあってきて、スムーズなボール展開になっていきました。このように人とボールが動き続ける展開こそが、ジュニアカテゴリーの女子日本代表チームが目指しているバスケットスタイルであり、このバスケットスタイルが世界に通用していることから、U-18トップエンデバーも世界基準のバスケットを展開していると言えるでしょう。

 一方で、それらはこのトップエンデバーや日本代表活動だけで行われていたのでは間に合いません。一色ECSはこう言います。「基礎基本の徹底こそがエンデバーの重要な要素と思います。常日頃行なっている各所属チームでの練習が非常に重要になります。内海ECSが行なった基礎的なことを含めて、各チームがいかに継続して練習していただけるかでしょう。そういう意味では、今回の合宿にも多くの指導者が来てくださり、参加いただいた指導者の方々が“世界基準”の感覚になり、根気強く練習をしていただければ、ありがたいなと思います。世界基準の感覚になれば、おのずと勝つためには基礎基本が重要であることにたどり着くと思います」。

 その点については、現時点の選手を見る限り、もう少し足りていない部分がみられました。一色ECSも「運動能力が高いなと思っても、フィニッシュが悪かったり、ちょっとしたシュートチェックでファウルをしてしまったり、『もったいないな』と思える選手が何人かいました。これは日々の練習によるものでしょう」と残念な表情を浮かべていました。各チームの監督・コーチが世界基準の感覚で選手たちを指導し、同様に選手たちも世界基準の意識で練習に取り組むことが、日本をより高いところに登らせるカギになりそうです。

 今回、はじめて全国規模の合宿に参加した吉田 由美選手(栃木・宇都宮中央女子高 1年)は「全国のすごい選手たちが集まっていて、自分がいていいのかなと思ったのですが、実際にやってみると本当に勉強になるし、すごくいい経験をさせていただきました。特に基礎をしっかり固めなければいけないところは考えさせられました」と、基礎の再構築に気持ちを新たにしています。その世界基準を体で知る宮崎 早織選手(愛媛・聖カタリナ女子高 2年)は「U-16日本代表、U-17日本代表、そしてU-18日本代表も経験させていただいている分、他の選手に負けてはいられないなという思いは強いですね」と言います。そのうえで「内海ECSに教わったことは、普段(所属チームの監督でもある)一色ECSとは声のかけ方や、練習の進め方も異なるのですごく刺激になりました」と新たな発見をしたようでした。

 世界に近いからこそ基礎を見つめ直し、世界に近いからこそ選手間の切磋琢磨がより強くなされていく。そんなことを感じさせる今年度のU-18女子トップエンデバーとなった。
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