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平成24年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 第4回キャンプ開催報告

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2012年11月2日

「ものになりそうな選手が数名いる」と期待する、1972年ミュンヘン五輪で監督を務めた笠原 成元氏

全体的にレベルも上がってきており、次のステップへ進むビッグマンたち

 第4回「ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン)」(※以下キャンプ)は、10月27日(土)~29日(月)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて実施しました。今年8月からスタートし、全8回を開催するこのキャンプも半分まで来たことになります。

 佐々木 三男ジュニアエリートアカデミープロジェクト長は、「キャンプ後に戻ってから意欲的に取り組めているかどうかで選手同士のレベルの差も、正直言って現れてきています。練習について来られなくなっている選手もいますが、今回は志願してきた選手たちですので、最後まで諦めさせることなくバスケの楽しさを伝えていきます。全体的には確実にレベルアップしてきています。これまでは個人のスキルアップ練習を中心にしてきましたが、少しずつゲーム形式の練習メニューを増やしていきます」と、これまでの経過について感想を述べました。

 バスケットボールスキルの指導を行っているトーステン・ロイブル コーチ(JBAスポーツディレクター)は、「最初はどうなるかと思いましたが、コーディネーションドリルを続けて来たことで選手たちの動きも良くなって来ており成長を実感しています。今後、U-16やU-18日本代表に選出される選手も出てくるかもしれません。大きなメンバーが集まっていますが、将来を見据えればインサイドはもちろんですが、2番、3番で活躍できるようなビッグマンが育ってくれることにも期待しています」と話しており、このキャンプを通じて日本代表への架け橋になれるよう根気よく指導を続けています。

 キャンプ期間中、来年「第3回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」を控える男子U-16日本代表の大平 敦チームリーダー(鎌倉市立玉縄中学校)が訪れ、選手たちや練習内容を視察されました。「みんなが頑張っていることをいろんな方々に発信しています。今回は男子U-16日本代表スタッフもきました。見られたということは、日本代表候補に選ばれる可能性が出てきたわけです。日々の努力次第でいくらでも変われます。高い意欲を持って取り組み頑張ることが、選手として、人間として成長できます」と、開講式にて佐々木ジュニアエリートアカデミープロジェクト長は選手たちに伝えました。また、フィジカルトレーニングを担当する吉本 完明コーチも、「U-16、U-18日本代表と同じようにトレーニングの基礎は教えましたが、ここで行う時間は限られています。帰ってからも続けるかどうかは君たち次第。キャンプも半分まできたのだから、もっと自覚を持って臨み、U-16やU-18日本代表といった高い目標に向かって行こう」と発破をかけました。

 4回目を終え、「体幹トレーニングをしているおかげか、フォームが良くなっているのは実感しています。でも、まだまだですのでどんどん練習していきたいです。受験もありますので、苦手な数学と英語の基本を朝の勉強会で質問して勉強も頑張っています」とキャンプの感想を話してくれたのは、中学3年生の越後 航平選手(静岡県・190cm)。選手たちの動きに目を見張る場面が増え、何よりも意欲的に取り組む姿勢がこの4回で確実に成長しています。

 第4回キャンプ内容は、以下のようなスケジュールで行われました。

第1日目/10月27日(土)
13:00 開講式
13:30 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:00 マルチステージシャトルランテスト
16:00 フィジカルトレーニング
17:00 個人練習(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
19:00 プロジェクトアドベンチャー
20:00 スピーチ(※毎日数名の選手が代表し、気付いた点などをみんなの前で発表)

第2日目/10月28日(日)
7:00 スピーチ
8:00 勉強会
9:00 個人練習(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
9:30 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
11:00 フィジカルトレーニング
13:30 個人練習(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
14:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:40 フィジカルトレーニング
19:00 栄養・メディカル講座
20:00 スピーチ

第3日目/10月29日(月)
7:00 スピーチ
8:00 勉強会
9:00 バスケットボールスキル(笠原成元氏/1972年ミュンヘンオリンピック男子日本代表ヘッドコーチ)
10:45 フィジカルトレーニング
12:00 閉講式

 最終日のゲストコーチには、1972年ミュンヘンオリンピック男子日本代表チームの監督であり、今なおバスケットボールの指導方法を追求されている笠原 成元氏にお越しいただきました。体の使い方やボールの持ち方、リバウンドやパスなどなど様々なスキルをテンポ良く、たくさんの練習メニューを行いました。「日本が世界に出て行くためにも、個人スキルをしっかり教えることが大事です。大きな選手にこそ、スキルを持たせなければ勝てません。昔に比べれば、日本人の身長もある程度は世界に追いついてきましたが、残念ながら中身は追いついていません」と、笠原コーチは現状をこう話しています。また、練習中には「新しい」というキーワードを頻繁に使っていました。
 「新しいとは言いましたが、実は今日ここで教えたことも、もう古いです。日本全体では、もっと古いことを教えています。だから世界で勝てません。ボールはこう持って、こう動かして、ここを見て、こういう動きをしなさい、としっかりスキルを教えられるコーチがほとんどいない現状もあります。コーチ一人ひとりのレベルアップが絶対に必要です」と示唆されており、選手はもちろん、コーチ陣にとっても貴重な時間となりました。

 笠原コーチの指導を受け、高校1年生の高橋 浩平選手(新潟県・197cm)は、「いろんなパスの仕方を教えてもらいました。これまでずっとセンターでしたので、難しいパスなどはやったことがありませんでしたが、センターでもパスを覚えることが大切だと思いましたし、これからどんどん使っていけるようにしたいです」という感想を話してくれました。学校に戻ってから続けることで、選手たちのプレイの幅も広がっていきます。

 次回は11月9日(金)~11日(日)に第5回キャンプを開催します。このキャンプ中、ロイブルコーチ、笠原コーチより、「練習をただ行うのではなく、しっかりポイントを考えながら取り組みなさい」と言われています。残るキャンプもあと4回しかありません。さらに意欲を高く持ち、比例してレベルアップして行けるよう、強化の段階に突入していきます。


第4回ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 指導スタッフ紹介 ※敬称略

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)、笠原 成元、本永 昌生(通訳)

【心理カウンセリング担当】
土屋 裕睦(大阪体育大学)

【プロジェクトアドベンチャー担当】
長尾 彰(長尾考務店)、中川 綾

【映像撮影】
末広 朋也(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【フィジカル担当】
小山 孟志(公益財団法人日本バスケットボール協会)、吉本 完明(青山学院大学)、宮崎 智之(江戸川大学)

【トレーナー担当】
西村 航(公益財団法人日本バスケットボール協会)、川上 洋次(城所整形外科)

【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【指導スタッフ】
岡田 義弘(日本大学豊山中学校)、小林 良久(つくば市立吾妻小学校)

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、山本 明(愛知学泉大学)、古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
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