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平成24年度 U-14男子トップエンデバー開催報告

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2012年9月28日

今年で第3回目となる平成24年度U-14男子トップエンデバーが開催された

小倉 恭志スーパーバイザーから喝が入る

 今年で3回目を迎える「平成24年度U-14男子トップエンデバー」が9月15日(土)から3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターで開催されました。

 全国9つのブロックエンデバーから推薦された27名に対して、陣頭で指導するのは小池 一元コーチングスタッフです。その小池コーチングスタッフは「今年度のU-14男子トップエンデバーは、ある意味で新しいスタイルと言えます」と胸を張って言います。
 「新しいスタイル」とは、日本代表やU-16日本代表のヘッドコーチなどが会場に足を運んでくれて、実際に強化の場で戦う彼らと密にディスカッションができたこと、ドイツでアンダーカテゴリーの育成に当たった経験のあるトーステン・ロイブル氏(ジュニア専任コーチ・スポーツディレクター)が指導に入ってくれたこと、そして平野 彰夫審判委員会規則部部長がルール面からの指導を入れてくれたことが挙げられます。

 「トップの方々とディスカッションをしたときに、これからの日本のために何が必要なのだろうかという話になりました。国際大会の経験が必要だということはもちろん私もわかっていたのですが、世界に行ったときに問題になっているのが、トラベリング、コンタクトの弱さ、シュート力のなさだと言うのです。そういった話を受けて、今回は強いドリブル、強いパス、ボディーコンタクトをしてシュートを決めてくる、いわゆるパワープレイを重視するようにしました。さらにはステップを利用して、トラベリングをしないでシュートに持ち込む技術。平野規則部部長に来ていただいた理由は後者にあります。技術の指導だけに偏ってしまうとルールが疎かになってしまう。ルールと技術を別々にやっていると世界に通用する技術かどうかを判定できない。我々の指導している技術がルール上通用するのか、U-14トップエンデバーとしても確認しておきたいと思ったのです。」

 エンデバーは育成プログラムですが、何のために育成をしていくのかといえば、強化への視点は外せません。とはいっても、トップチームだけのために育成をするのではなく、ブロックエンデバーから推薦されて合宿に参加したコーチたちとともに、それぞれの地方に今回得た技術や考え方、ルールの徹底などを伝達することで、日本中が1つの方向に向きやすくなる、つまりは普及という側面もあります。小池コーチングスタッフは次のようにも言っていました。
 「日本中にトップの姿、日本の目指している姿を常に発信する必要があるのではないでしょうか。発信をして、日本中に広がっていけば、それが当たり前になります。当たり前のことは習慣化されて、みんなができるようになります。そうすると、誰ということではなく、強化としてのトップチームに集められたときには戦術的な練習に入っていけます。だからこそまずは個人がスキルを高めていく。今回はそのことを強く意識しました。強いドリブル、強いパスを心がけてプレイすることはこれからも伝えていきたいところです。」

 特に14歳という年齢は、「運動能力」と「技術」の両方を同時におこなうべき年齢と言われています。ここから先はスキルに比重が移り、これより前の年齢ではアジリティに重点が置かれるべきです。だからこそ、そのちょうど中間点にある14歳はとても重要な年代であると言えます。

 個人のスキルアップと同時に、今年度の「U-14男子トップエンデバー」では、「コミュニケーション」を全体的なテーマにしていました。今年の選手たちもそうですが、ここ数年、練習やバスケットそのものに対して少し消極的な選手が多いように見受けられます。これは小池コーチングスタッフも認めるところです。
 「日本人の奥ゆかしさかもしれませんが、バスケットにおいて大きな声でコミュニケーションが取れないことは、ディフェンスで致命的になります。ただしこれを習慣化させるのには時間がかかりますので、U-14トップエンデバーだけではなく、U-15トップエンデバーでも継続してやっていきたい課題の1つです。これも全国に発信していかなければいけない重要案件です。」

 新しいスタイルを見出し、そのなかで進めた今回の「U-14男子トップエンデバー」。参加した選手たちは、今の日本人プレイヤーに必要なスキル、それは単に強いドリブルやパスをするというだけでなく、声を出すといったスキルの大切さも学びました。それらを自分の所属するチームに持ち帰り、実践し、周りに少しでも影響を与えることができれば、U-14男子トップエンデバーから日本のバスケットが変わることになります。まさに日本の「新しいスタイル」がここから生まれていくのです。
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