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ロンドン2012パラリンピック競技大会 車椅子バスケットボール男子日本代表チーム帰国

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2012年9月12日

テレビの取材を受ける#4藤井キャプテン

9位という結果に終わるも試合を通して成長が見られたハヤテジャパン

 「ロンドン2012パラリンピック競技大会」を戦い終えたハヤテジャパン 車椅子バスケットボール男子日本代表チームが、9月11日(火)無事に帰国しました。金メダルを獲得したゴールボール女子日本代表をはじめとした日本選手団を出迎えるため、多くのメディアや関係者、ファンの方々が成田空港に集まっていました。ハヤテジャパンが現れると、「お帰り」「お疲れ様でした」という声をかけられる中、岩佐 義明ヘッドコーチの第一声は「申し訳ありませんでした。もう一歩、結果が及びませんでした」と、頭を下げながら出迎えた方々の間を通り抜けていきました。

 岩佐ヘッドコーチにパラリンピックを振り返っていただいたところ、「ヨーロッパの高さとシュート力は素晴らしく、ヨーロッパ勢に勝たないことには決勝トーナメント進出はあり得ないことを再認識しました。しかし、最後の9位決定戦でのイタリア戦はチーム全員で勝負して、良いバスケットをしてくれました。選手たちは最後まで諦めずに、負け試合でもみんな一生懸命にプレイし、本当に頑張りました。褒めてあげたいです」と話していました。4位以上を目標に掲げながらも、結果は決勝トーナメント進出を逃し、9位に終わったロンドンパラリンピック。「スピードや技術が世界にも通用することは分かりました。次は精度を上げる必要があります。そのためにも個々のレベルアップが必要です。それをベースにチームとして組織だったプレイを修正していけば、もっともっと上を狙えるという手応えは感じています」と、岩佐ヘッドコーチは話し、2年後の世界選手権、そして4年後のパラリンピックでの世界4強を目指します。

 チームのキャプテンである#4 藤井 新悟選手もまた、「今まで以上に海外経験をさせてもらい、良い準備をしてパラリンピックへ向かった分、期待していましたが、実力も経験も海外に追いついていなかったということです。力の差、実力の差を一番に感じました。パラリンピックという場所で何かが起きるのではないかという期待もありましたが、やっぱり実力というのはそう簡単にひっくり返ることはありません。明らかな実力の差を感じました」と、反省の言葉を並べました。

 ハヤテジャパンの目標には世界4強の他に、「もう一つ大会全体の目標として、一試合一試合を確実に成長していくということを掲げていました。初戦のカナダで良い入り方ができましたが、次のポーランド戦では修正が必要な内容でした。しかし、そこからメダルラウンドに行った強豪チームを相手に、ある程度は対等に戦えるバスケットができ、終盤に進むにつれてチームが良くなって行ったのは、僕たちにとっては大きな収穫でした。大会全体を通してみて、日本の勝てる術が見えた良い大会であったと思っています」と#15 藤本 怜央選手は話し、この悔しさと経験を糧にさらなる飛躍を目指します。

 23歳ながら2回目のパラリンピックを経験した#7 香西 宏昭選手は今大会における成長した点について、「一番は気持ちをコントロールすることが出来た点です。北京パラリンピックの時は、何が何だか分からないまま2週間が過ぎ去っていました。その後、いろんな経験をしてきたことを活かして自分をコントロールできたことで、周りに目を向けることができました」と話し、さらなる経験の場としてヨーロッパプロリーグ挑戦を視野に入れています。4年後には38歳を迎える藤井選手ですが、「パラリンピックを通して、自分自身もうまくなれる、うまくなりたい、もっと強くなりたいということを実感できました。4年後もチャンレンジしたいです。そのためにも、まずは今の自分を知ることが一番大事なことです。絶対に、選手それぞれが気付いたことがあるはずです。自分の足りない部分や得意な部分など、まずは自分のプレイを知って、どのようなプレイヤーになりたいのか、どういうプレイをしていかなければいけないのかを明確にし、それに対して一番効果があるトレーニングをしていかないと、今後は勝てないと思います。まずは自分を知ることから始めていきたいです」と、個人として、チームとして向上するために先を見据えました。

 ロンドンパラリンピック出場を賭けたアジアオセアニア地区予選では、予選ラウンド最終戦での韓国戦で78-77と1点差で勝利し、なんとか2位通過を果たし、2枚しかない切符を手にすることができました。今後はさらに厳しくなるであろう地区予選について藤本選手は、「今までは確実に日本がパラリンピックに出ていましたが、韓国もさることながら中東アジア勢はヨーロッパに近いバスケをして力を付けてきています。その中でも、アジアオセアニアを勝ち上がって日本がパラリンピックに出るという使命を日本は持っています。今後の世界選手権までの2年間、そしてパラリンピックへの4年間がすごく大事であり、鍵になります。まずはアジアで圧倒する力をもう一度付け直して、アジア全体から日本には勝てないと思わせることが大事です」と、気を引き締めました。

 2014年の世界選手権、そして4年後のパラリンピックで、ハヤテジャパンは今回果たせなかった世界4強を目指します。合わせて、ロンドンパラリンピック出場を逃した車椅子バスケットボール女子日本代表チームの復活も願っています。そして、夢舞台から遠のいているハヤブサジャパン 男女日本バスケットボール日本代表チームもまた、オリンピックの切符をつかみ、4カテゴリー全てがリオデジャネイロ・オリンピック/パラリンピックに出場できるよう、ハヤテジャパンに刺激を受けて強化を進めていきます。今後とも、ご声援をよろしくお願いいたします。
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