第34回男子ウィリアム・ジョーンズカップ 大会最終日 vsレバノン 現地レポート
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2012年8月27日
アジアのライバルに脅威と思われるような活躍を見せた#10竹内公輔選手
今大会の経験を活かし学生や日本代表初選出の若手選手たちの台頭に期待
日本は#11桜井選手の3Pシュートで先制し、守っては#9栗原選手、#11桜井選手がスティールや相手のミスを誘い、幸先良いスタートを切りました。しかし、ミスやゴール下でのファウルで得点を許し、18-18と同点で第1ピリオドが終了します。第2ピリオド、逃げずに体を張ったディフェンスや積極的なリバウンド、ルーズボールを追いかけたことで日本に良い流れを呼び込みます。#10竹内公輔選手のダンクも飛び出し、42-34と8点リードで前半を終えました。
後半に入るとさらに日本の勢いは加速します。起点となったのはリバウンド。鈴木 貴美一ヘッドコーチは、「日本人の選手はインサイドが弱い、リバウンドが弱いと言われてきましたが、今大会においてのフィリピン、ヨルダン、そしてこのレバノンとの試合では、リバウンドは対等に獲っていますし、インサイドでも攻められていた」と手応えを感じています。そのリバウンドから流れを作った日本は、第4ピリオド残り3分に#10竹内公輔選手が相手のディフェンスに怯むことなくゴールへアタックし、バスケットカウント。フリースローも決め、82-62と日本のリードは20点に広がります。その後は、ベンチメンバーを全員出場させ、89-70で最終戦を勝利で終えることができました。
この試合では、いつも以上に細かい指示をベンチから送っていた鈴木ヘッドコーチ。「正直言って今大会は、勝負どころや最後の大事な場面で思い切って若手選手を使って経験を積ませながらも、勝たせてあげたいと思って指揮をしていました。しかし、今日のゲームはこれまでと違い、最後はきちっとした形でやらなければ今後につながっていかないと思い、ある程度はベンチから攻撃などの指示を出しました。それに対してしっかり選手たちも応えてくれましたし、一昨日の安養KGC(韓国)戦での課題点を昨日1時間ほど練習しただけで、経験ある選手たちを中心に若手とともにしっかり修正できたのは明るい材料であり、今後につながる試合でした」と、この試合を振り返りました。
#11桜井 良太キャプテンは今大会の総括として、「この大会に入る時にヘッドコーチからは、『武者修行のつもりで毎試合全力を出し切り、ダメなところがあれば練習で改善して、次の試合に臨んでいこう』と言う話がありました。その言葉通りの大会になりました。若手選手たちが海外のA代表たちと試合したことで、多くの経験を積めました。3勝5敗という結果ではありますが、僕たちにとっては有意義な大会でした。この結果をマイナスには捉えず、ポジティブに考えて次の大会に臨んでいきたいです」と話しています。また、「チームのルールをしっかりと全員が徹底して守ってプレイしなければなりませんが、細かいリバウンドやピック&ロールに対してのディフェンスなど、大会の前半はできていたいところの方が多かったです。しかし、それは徐々に良くなっており、この試合でも問題なくディフェンスでは相手を困らせることができていた時間帯がありますので、その精度を高めて継続させることが今後の課題です」と、今大会で見えた点を挙げました。
#10竹内 公輔選手は、「新しくなった日本代表は若い選手が多く、その選手たちにとっては良い経験になったし、僕たち日本代表経験ある選手にとっても、すごく勉強になった大会となりました。この大会は負けても次の日に試合がありますので、チームにとっても成長できる大会でした。若手選手たちには自信を持ってプレイしてもらいたいです。いろいろとお世話になったジョーンズカップ関係者にお礼を申し上げます」と、記者会見でコメントしました。インサイドで存在感を示した点について、「シュートは少し波がありましたけど、最初の頃は若い選手が攻めていなかったので、自分が攻めた方が良いと思ってやりましたが、ちょっと無理なシュートも多かったと思います。アジアの選手に脅威と思われるようなプレイヤーになりたいと思っていたので、その点は少しできたかなと思います」と謙遜していましたが、昨年のFIBA ASIA選手権では平均11.5得点/9.5リバウンドに対し、今大会、出場機会のなかったチャイニーズ・タイペイB戦を除く7試合で平均18.4得点/9.6リバウンドと得点が伸び、安養KGC(韓国)、レバノン戦とラスト2試合はともに24得点をマーク。今日の試合ではブロックショット3本を記録し、攻守に渡り活躍しました。
今大会は毎回先発メンバーを変え、要所で若手に経験を積ませましたが、鈴木ヘッドコーチとしての手応えを伺ったところ、「選手それぞれの特徴や起用するタイミングなどが分かりました。あらためて国際大会に出場することの大切さを感じています。思い切って学生を勝負どころで起用し、それがまたうまく行った場面もありましたので、今後の成長が楽しみです。今大会6位で終えた成績に関しては、申し訳ないと思っています。新しいチームではありますが、4強以内に入ることを狙っていました。しかし、アメリカ選抜も安養KGCも強いチームでした。まだどのチームも本来の力ではありませんが、それでも日本代表もやればできる、戦えるということがハッキリと分かりました」と断言して、今大会を締めくくりました。
■第9日目(8月26日) 試合結果
○ イラン(6勝2敗) 87-74 ヨルダン(2勝6敗) ●
○ 日本(3勝5敗) 89-70 レバノン(3勝5敗) ●
○ フィリピン(7勝1敗) 76-75 アメリカ選抜(5勝3敗) ●
○ チャイニーズ・タイペイ(5勝3敗) 77-72 安養KGC(韓国)(5勝3敗) ●
■最終順位
1位 フィリピン(7勝1敗)
2位 イラン(6勝2敗)
3位 アメリカ選抜(5勝3敗)
4位 チャイニーズ・タイペイ(5勝3敗)
5位 安養KGC(韓国)(5勝3敗)
6位 日本(3勝5敗)
7位 レバノン(3勝5敗)
8位 ヨルダン(2勝6敗)
9位 チャイニーズ・タイペイB(0勝8敗)
※同率の場合は直接対決の結果、得失点差等で順位決定
9日間、各チーム8試合を戦い抜いたジョーンズカップは、最終戦でアメリカ選抜に勝利し、1敗を守り抜いたフィリピンが優勝して幕を閉じました。MVPにはフィリピン#5TENORIO選手が選ばれました。試合を重ねるにつれて調子を上がり、終わってみればどのチームのレベルも拮抗していた良い大会でした。優勝したフィリピンを始め、イラン、チャイニーズ・タイペイ、レバノンは、9月14日(金)から日本で開催される第4回FIBA ASIA カップにも出場します。どのチームもまだ発展途上であり、今後の強化次第では差がついてしまう可能性もあります。多くの経験と同時にたくさんの課題が明確になったハヤブサジャパン。残る2回の合宿でしっかりと修正し、来年の世界選手権アジア予選となる第27回FIBA ASIA選手権の出場権獲得を目指します。
■第4回FIBA ASIAカップ
期間: 2012(H24)年9月14日(金)~22(土・祝)
会場: 大田区総合体育館
【ハヤブサジャパン男子日本代表チーム 予選ラウンドスケジュール】
9月14日(金) 19:00~ 日本 vs カタール
9月15日(土) 16:30~ チャイニーズ・タイペイ vs 日本
9月17日(月・祝) 16:30~ 日本 vs インド
9月18日(火) 19:00~ イラン vs 日本
※16日(日)は日本戦なし
連日、アンダーカテゴリーの国際大会を含め、日本や現地でご声援を送っていただきまして、ありがとうございました。第4回FIBA ASIA カップは大田区総合体育館で開催されますので、ぜひ会場でのさらなるご声援をよろしくお願いいたします。また大会期間中、ジョーンズカップ関係者を始め、チャイニーズ・タイペイの皆様には滞在中、大変親切にしていただきまして、ありがとうございました。ハヤブサジャパンは、大会終了翌日、帰国の途につきます。