第22回FIBA ASIA U-18男子選手権大会 準決勝 vs中国戦 日本は中国に敗れ、世界選手権の切符がかかったイランとの3位決定戦へ
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2012年8月26日
司令塔としてスタメンに抜擢された#10渡辺 竜之佑選手。185㎝の上背を生かし、果敢な突破力を見せてチームをリードした
中国の高さに対し、激しいプレッシャーやダブルチームで襲い掛かった日本。リバウンドの課題にも取り組み、手応えをつかみ始めた
2次リーグでは73-138で敗れた相手。そのときは「3Pシュートを50本打つ」という目的のもと、2メートルの大型選手の前でも果敢にシュートを打つことにチャレンジしました。その結果が、2次リーグ後半から積極性を持って攻めることにつながっています。準決勝では日本にとって永遠の課題であるリバウンドについて「相手のオフェンスリバウンドを1 桁に抑えること」を目的とし、そのためには「全員でディフェンスのプレッシャーを激しくかけること」をテーマに試合に挑みました。
日本のスタートは#4渡邊雄太、#6満田丈太郎、#8大崎裕太、#10渡辺竜之佑、#13杉浦佑成。
今までとは違ったスターティングメンバーを選出した意味は「決勝トーナメントではこれまでスカウティングされていない選手たちの活躍が必要不可欠」(佐藤ヘッドコーチ) であることと、また「全員で戦うこと」が次戦へとつながっていくからです。このことは、決勝トーナメントに入る前から佐藤ヘッドコーチが選手たちに伝えていたことでした。
この日、ポイントガードのポジションでスタメンとなった#10渡辺竜之佑選手は「ポイントガードのポジションは不安もあったけど、チーム(福岡・福岡第一高)でもボール運びをすることはやっているので、やってやろうと気持ちが入っていた。周りを生かしながら自分も攻めようと思った」と意気込みを語り、#6満田丈太郎選手は「チャンスをもらったので自分の全部を出そうと臨んだ。中国は自分たちをナメてくると思ったので、そこを突いて出だしからやってやろうと思いました」との言葉通り、スタメンを任された選手たちが出足から躍動します。
#8大崎裕太選手、#13杉浦佑成選手の連続3Pシュートが決まって6-2と好スタート。全員でリバウンドに跳び込み、叩いて床に落ちたボールを奪い、中国の215㎝の#14WANG、217㎝の#15ZHOUのツインタワーに対して、ダブルチームで激しいプレッシャーをかけていきます。開始4分で7-8と追い上げられると、今度は#5森知史選手、#7赤土裕典選手、#9寺園脩斗選手、#11成田正弘選手、#14馬場雄大選手の5人とオールメンバーチェンジ。さらに1分後には再びスタートメンバーに変えて、#15角野亮伍選手を入れるなど、めまぐるしいメンバーチェンジと運動量あるゾーンディフェンスで中国を攪乱します。
このアグレッシブな戦法が効き、#15角野亮伍選手、#8大崎裕太選手の3Pシュートで序盤はリードを奪い、第2ピリオドの終盤まで一進一退でゲームは進みます。第2ピリオドの中盤、#4渡邊雄太選手がバスケットカウントを奪い、#11成田正弘選手、#8大崎裕太選手がジャンプシュートを決めて36-36とした場面には観客から大歓声が沸くほど。日本の粘りは明らかに中国のリズムを狂わせていました。
しかし、中国のインサイドは抑えていた日本ですが、インサイドからパスアウトしての3Pシュートだけは防ぐことができませんでした。この間に決まっていた確率のいい3Pシュートが中国の攻撃をつなぐものとなり、前半終了間際の3分半、ここから中国はインサイドプレイで盛り返してきます。#13DAI、#14WANGの連続ゴール下シュートが決まって、38-54で前半終了。
後半に入ると日本は気持ちを引き締め直し、前半同様、メンバーチェンジを繰り返しながら果敢なディフェンスからリズムをつかみます。後半はスローダウンしたオフェンスをまじえながら、#4渡邊雄太選手と#5森知史選手のインサイドへの合わせが決まるなど、練習してきた様々オフェンスを試みていきます。しかし、いい形の攻めがあっても最後のシュートだけが決まらず、第2ピリオド終盤につけられた点差を縮めることはできませんでした。
第4ピリオドの日本はオールコートマンツーマンで上から当たり、積極的な1対1を仕掛け、最後の最後まで中国の高さに挑みます。ラストのオフェンスは#5森知史選手がドライブを成功させて80-103で試合終了。
中国に勝利することはできませんでしたが、2次リーグの時から比べると、得点を増やして失点を抑えたゲーム内容には成長のあとがありました。また、リバウンドでも日本25本、中国36本と9本差まで詰めることができ、目標としていた相手のオフェンスリバウンドは1ケタに抑えることはできませんでしたが、10本に留めました。そして、日本のオフェンスリバウンドは中国を上回った14本。敗れはしたものの、手応えを感じた一戦となりました。
スタメンを任されて14得点をあげた#8大崎裕太選手は「一度目の中国戦より高さに慣れてきました。試合前からみんなで“絶対に世界選手権に行こう”と言っていて、強い気持ちで向かっていけたゲームでした」と振り返り、#6満田丈太郎選手は「ディフェンスでダブルチームをしたあとに、それをカバーする逆サイドを守ることも徹底できるようになりました。オフェンスの連携も良くなったと思います。高さに対してブロックをしにいくとファウルになってしまうので、それが明日の課題です」と冷静にゲームを分析しました。
佐藤久夫ヘッドコーチは「スタートの選手が頑張ってくれていいリズムで入ったことで、狙い通りのゲームができた。ただ第2ピリオドの終盤に得点が止まったことと、ゲームの中盤にイージーシュートを落としたことだけがもったいなかった。また、高さへのディフェンスが成功したあと、シューターチェックにいくディフェンスができなかったので、そこは明日に向けて修正したい。明日の3決でやりたいことを試し、チームが機能したことで手応えを感じている。明日は韓国でもイランでも、どちらも高さがあるチームだが、何としても勝って、世界選手権の切符をつかみたい」と語りました。
日本vs中国のあとに行われた準決勝、韓国vsイランは大接戦の末に韓国が96-93で逆転勝利。この結果、3位決定戦でイランとの対戦が決まりました。
世界選手権の切符がかかったイランとの3位決定戦は8月26日(日)18:00開始(現地時間)。イランは2メートル台を4人擁し、フィジカルが強いチーム。日本はこの高さに対し、中国戦で手応えをつかんだ戦い方にさらに修正を重ねて、3位決定戦に臨みます。
なお、大会公式サイト(英語)では、試合の経過を伝える FIBA STATS にて速報配信をしています。
世界への切符をかけて戦う男子U-18日本代表チームへのご声援をお願いいたします。
◆準決勝の結果
● 日本 80-103 中国 ○
○ 韓国 96-93 イラン ●