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第22回FIBA ASIA U-18男子選手権大会 2次ラウンド第3戦 vsレバノン戦は94-82で勝利し、準々決勝進出 現地レポート

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2012年8月23日

日本は相手のエースを守るボックスワンと2種類のゾーンディフェンスが機能。足を止めないアグレッシブなディフェンスから速攻で主導権を握った

レバノン戦でリーディングスコアラーとなった#11成田正弘選手。レバノンに追い詰められた場面で、持ち味の3Pシュートを炸裂させた

 「第22回 FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」は大会6日目。日本は2次ラウンド第3戦をレバノンと対戦しました。この試合に敗れると準々進出が阻まれる大事な一戦。試合前に佐藤ヘッドコーチは「絶対に勝ちに行く試合」であること、「ディフェンスでしつこくついて相手にストレスを与えて自分たちのペースにすること」を強調し、全員で団結して試合に臨みました。

 日本のスタートは#4渡邊、#5森、#8大崎、#11成田、#9寺園。

 第1ピリオド開始早々から、#11成田正弘選手、#8大崎裕太選手の3Pシュート、#9寺園脩斗選手から#4渡邊雄太選手のアリウープが決まって先手を取った日本。18-12としたところで、レバノンにタイムアウトを取らせます。レバノンも負けじと当たりの強いインサイドで対抗し、第1ピリオドを22-18で終了。

 第2ピリオドに入ると相手のエース#5 ARAKJIをマークするボックスワンと2-3ゾーンが効き始め、#5森知史選手のバスケットカウント、#14馬場雄大選手の速攻、#9寺園脩斗選手のジャンプシュートなどで一気に11得点をあげ、レバノンを突き放しにかかります。第2ピリオド残り3分には15点のリード。しかし、レバノンもしぶとくオールコートプレスからの力強いドライブインを決め、再び10点差まで縮められる。ここで日本は#11成田正弘選手の3Pシュートと#14馬場雄大選手の速攻が決まって、50-36で前半を折り返します。

 ハーフタイムには佐藤ヘッドコーチから「仙台での辛かった合宿を思い出そう!もっと走れる」と気合いを入れられ、「1、2、3ジャパン!」と、チームのムードメーカーである#7赤土裕典選手が先頭を切って声掛けをして、後半がスタート。

 第3ピリオドの序盤、レバノンのエース#5ARAKJIがテクニカルファウル2つ目を取られてファウルアウト。相手を嫌がらせる厳しいマークが成功した日本は、#11成田正弘選手の連続3Pシュート、#9寺園脩斗選手のアシストから#14馬場雄大選手の速攻などで最大17点のリードを奪う。しかし、レバノンも#15NEMERのインサイド、#9CHAMOUNの3Pシュートで粘りを見せ、再び10点差。この苦しい場面でチームを助けたのが、#11成田正弘選手の3Pシュート。15点リードで第4ピリオドに挑みます。

 日本が突き放し、レバノンが追い上げる激しい攻防が最後まで繰り広げられた第4ピリオド。#11成田正弘選手の3Pシュートが効果的に決まった日本は、レバノンに追い上げられながらも94-82で勝利。この結果、グループEは日本、レバノン、シリアが2勝3敗で三つ巴となり、3チーム間の得失点率(ゴールアベレージ)により、日本はグループ3位で決勝トーナメント進出が確定しました。

 負けたら決勝トーナメント進出を阻まれていた日本。“崖っぷち”から這い上がれた要因を「チームの結束力」だと語ったのは、この日、3Pシュート6本を含む26得点、5スティールをマークした#11成田正弘選手。レバノンに追い上げられてもすかさず決めた3Pシュートは「これが自分の仕事。思い切り打った」とチームを勢いづかせました。また、アグレッシブなゾーンディフェンスからスティールを奪い、ファストブレイクにつなげた司令塔の#9寺園脩斗選手は12アシスト、18得点をマーク。#9寺園脩斗選手のパスを高い位置で受け取って、#4渡邊雄太選手が決めた2本のアリウープには会場からどよめきの声が上がったほど。このスカイプレイにチームは活気づきました。

 司令塔の#9寺園脩斗選手は「大会の最初のほうは緊張もあったし、焦りからパスミスもあったけれど、2次リーグに入ってからはみんな冷静に周りが見えるようになってきました」と、チーム力が高まってきている手応えを語りました。

 また、決勝トーナメント進出を果たすとともに、日本のグループ3位が決定したのは、最後に投入された#15角野亮伍選手がほぼブザービーターで決めたジャンプシュートが決め手となりました。この94点目となる一投により、ゴールアベレージで日本が「0.8975」、レバノンが「0.8971」となり、日本がレバノンをわずか「0.0004」上回ったのです。佐藤ヘッドコーチに「シュートを打ってこい!」と投入され、期待に応えてシュートを決めた#15角野亮伍選手のように、最後まで攻める気持ちがグループ3位へと浮上させ、決勝トーナメントに続く道へとつながったのです。

 試合後に佐藤ヘッドコーチは「インターハイ直後、仙台で1日3ゲームをこなす厳しい合宿を経験した成果が、大会の正念場であり、試合のいちばん辛い時間帯にディフェンスからの速攻という形で現れてきた。また中国戦で50本の3Pシュートを打つという果敢な攻撃をしたことで、吹っ切れてシュートを打つ気持ちにつながった。苦しいことを乗り越えた経験は今後にも生きてくる」とチームに力がついてきたことと、大会を戦い抜く流れが出てきた手応えを語りました。

 6連戦続いたハードな1、2次リーグが終了し、23日は休養日。24日から決勝トーナメントがスタートします。絶対に落とせないインドとレバノンに連勝した勢いを、一発勝負の決勝トーナメントにぶつけていきたいところ。ゲームキャプテンの#9寺園脩斗選手は「これからの試合も全員で走り続けます」と力強く誓いました。

 次戦、8月24日(金)14:00(現地時間)より、日本は準々決勝でチャイニーズ・タイペイと対戦します。

 なお、大会公式サイト(英語)では、試合の経過を伝える FIBA STATSにて速報配信をしています。
 引き続き、男子U-18日本代表チームへのご声援をお願いいたします。

◆2次リーグ成績
各グループ上位4チームが決勝トーナメント進出

【グループE】
1位 中国(5勝0敗)
2位 韓国(4勝1敗)
3位 日本(2勝3敗)
4位 レバノン(2勝3敗)
5位 シリア(2勝3敗)
6位 インド(0勝5敗)
※3~5位は3チーム間のゴールアベレージによる順位

【グループF】
1位 イラン(4勝1敗)
2位 チャイニーズ・タイペイ(4勝1敗)
3位 フィリピン(4勝1敗)
4位 サウジアラビア(1勝4敗)
5位 インドネシア(1勝4敗)
6位 バーレーン(1勝4敗)
※1~3位、4~6位は3チーム間のゴールアベレージによる順位
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