日本バスケットボールトップリーグの歴史は、1967年から開幕した実業団リーグ、より事業性を高めることをテーマとした2001年からのスーパーリーグ、企業チームとクラブチームの共生をテーマとして2007年に誕生した現JBLと連なっています。この間、JBAの改革への慎重な対応と相容れずに、協会を離脱する形で2005年にbjリーグが誕生しました。
しかし、同一スポーツで、国内での関係を持たないリーグの並列は、日本バスケットボールの発展を妨げるとして、2008年にJBA、JBL、bjリーグ参加の下に「トップリーグあり方検討委員会」を開設。2010年には「次世代型トップリーグの在り方」という形でJBAに答申が提出されました。同年JBAはbjリーグと覚書を交わし、公認リーグという位置づけとしました。
同時にJBAではこの答申書に基づいて「新リーグ準備室」を開設し、その後2011年12月に参加チームの公募を開始、2012年6月に初年度シーズンの参加チームを決定しました。
その後、2012年7月より「新リーグ準備室」から「新リーグ運営本部」に名称を変更し、2013年秋の開幕に向け、準備を進めています。
JBAは、2013年に新しい「日本唯一」のトップリーグとなる、新リーグをティップオフさせます。2013年から2015年までの2年間については、経過措置として、できるだけ多くのチームが参加できるようAリーグ/Bリーグ(いずれも仮称)の2階層による方式(ステップ1)を設定します。2015年からは、さらに進化したトップの階層を設置する方式(ステップ2)に移行する予定です。
国内リーグ構造の現状は、各連盟がチームの運営形態やチームが所属する母体組織のカテゴリによって細分化され、横並びに存在しています。チームは母体組織のカテゴリで強制的に該当する連盟に振り分けられてしまうため、適正な競技レベルのリーグで活動することができません。 また、各リーグがそれぞれの連盟の中で完結してしまう構造であるため、激しい競争が生まれるはずもなく、現状の構造は、選手たちの(ある一定以上の)競技レベルの向上を期待できるものではありません。この構造は、日本のバスケットボール界が世界と戦ううえで、大きな足かせとなっています。
一方、FIBAは国単位のリーグのあり方について、「リーグはいくつあっても良いが、資金力や選手の質によって縦にリーグを重ね、一から百まで一貫したリーグ構造を作るべきである」という見解を示しています。またFIBAは、クラブが出場する国際レベルの大会についても、その整備に着手しています。将来的にはクラブレベルにおける最高の大会である「クラブチャンピオンズカップ」を頂点とし、各国の国内地域リーグまで一気通貫した統一リーグ体系を目指しています。
今回、JBAは、世界と対等に戦うために階層型のリーグ構造を志向し、2015年を目途にその実行段階に入ります。2013年からスタートするステップ1は、内外の調整を考慮した移行期間となります。そして長期的には、他のJBA組織の機構改革も含めて、統一的な相互関係にある「階層型リーグ構造」を「最終的な理想形」として目指していかなければなりません。
オリンピック競技スポーツでは、それぞれ唯一の世界連盟を持っています。その世界連盟から、一国一団体にのみ「その国において種目を統括する権利」が与えられ、その国の団体もまた、下部地域を統括する権利を持ちます。
このようなピラミッド型統一組織で構成されていることが、「オリンピック競技スポーツ」の前提となっています。つまり、新リーグは、JBAの一員であり、構成団体であるという位置づけとなります。
新リーグは、統括された日本バスケットボール界の頂点を形作る団体となり、日本代表の苗床となります。