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男子U22日本代表:第2回スプリングキャンプ2019 開催報告「日本代表は一流ではダメ。目指すは超一流」佐古賢一アソシエイトヘッドコーチ
2019年3月8日
男子U22日本代表の背中を押す佐古賢一アソシエイトヘッドコーチ
176cm中村浩陸選手は工夫しながらアピール
男子U22日本代表候補選手を強化し、男子日本代表の底上げを担う「スプリングキャンプ2019」は3月4日(月)から8日(金)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第2回目のキャンプを終えました。毎回キャンプ終了後には選手選考が行われ、少しずつ人数が減っていくサバイバルであり、次週第3回が最終キャンプとなります。
男子日本代表入りを目指すための技術強化やポジションアップに挑む男子U22日本代表選手たち。第2回キャンプより佐古賢一アソシエイトヘッドコーチをはじめ、男子日本代表スタッフが本格的に指導に加わりました。佐古コーチは「日本代表が行っていることを頭ごなしに言っても角が立ってしまいます。できることは自分で準備しようね、というスタンスでやっていけば気づく部分も広がります。マインドを変えることが、バスケットの能力向上につながるきっかけのひとつです。意識を変えることができる選手が一人でも二人でも出てくることがすごく重要になります」と話しており、選手たちの背中を押します。
「ポテンシャルは十分ありますし、一流になり得る選手たち」と評価する一方で、「日本代表は一流ではダメであり、超一流を目指さなければなりません。そのためにはあと2段階ほど上を目指す必要があります」と言う佐古コーチ。彼らの目標はさらに上にあり、自らのハードルを高く設定することでマインドセットを促していました。
すでにBリーグで活躍する特別指定選手もおり、休む間もなく週末はクラブに戻って試合に備えるタフなスケジュールが続きます。第1回キャンプ後、3月3日(日)の秋田ノーザンハピネッツ戦でははじめて先発で起用され、16点を挙げる活躍した大阪エヴェッサの吉井 裕鷹選手 (大阪学院大学2年)は勝利に貢献しました。「少なからずキャンプの成果はあったと思います。Bリーグでプレーしているとはいえ、まだまだ通用していません。このキャンプでは毎日毎日いっぱい得るものがあります。それを自分の力にすることができるかどうかは自分の問題だと思っているので、しっかり得られるようにがんばっていきたいです」とモチベーションを高く持って、第2回キャンプでも多くのことを吸収しています。
ポジションアップに挑む選手が多い一方、この中で一番小さい176cmの中村浩陸選手 (大東文化大学3年)にとっては、ポイントガードを突き詰めていかなければなりません。「身長がないので、普通のシュートではこの先のレベルでは戦っていけないと思っています。日本代表の富樫(勇樹)さん(千葉ジェッツ)のプレーを見てしっかり研究をしていますし、そこが今後は求められてきます」とさらなる工夫をしながらアピールをしていました。中村選手にとって、アンダーカテゴリーを含めて日本代表合宿は今回が初となります。「上手い選手たちの中で自分がどういうプレーができるのか、どうチームをコントールするかを学べる場所にいることで、まだまだ成長できると思っています。いろんなものを吸収していきたいです」と意識を高く持って取り組んでいます。
一方で190cmの中村太地選手 (法政大学3年)や195cmの赤穂 雷太選手 (青山学院大学2年)などビッグガードが頭角を現し始めています。21年前のFIBAワールドカップ(※当時FIBA世界選手権)への出場権を獲得したときの司令塔である佐古コーチは、「まだ彼ら自身が自分ができるガード像のイメージが沸いていないと思います」と指摘します。ポジションアップした彼らに対し、佐古コーチの経験を注入することでの化学反応が楽しみです。
「成長するためには経験も、失敗も成功も全てが必要です。コンバートして急に上手くなるわけでもなく、長いビジョンを持って育てていかなければなりません。我々の役割はチャンスを与え、そこをつなげていくために必要なことをひとつずつ整理してあげることです。どんなに良い選手でも、何もしないで上手くなるかと言えばそうではない。僕自身が必ず育てられるかと言えば、それも違います。選手とコーチのお互いのマインドが重なり合っていかないと達成できないことです。これをチャンスと捉え、母体チームとは違うポジションに挑もうとする選手には思い切ってプレーさせて可能性を広げさせています」(佐古コーチ)
次週、3月11日(月)〜15日(金)に行われる第3回キャンプを経て、「第42回李相佰盃日韓学生バスケットボール競技大会」(5月17日〜19日/愛知県名古屋市)へ向け、15名ほどに絞り込むと比嘉 靖ヘッドコーチ (大阪体育大学)は話していました。