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男子U22日本代表:第1回スプリングキャンプ2019 開催報告「男子日本代表が弱いのは大学生が弱いからだ」底上げ急務な世代
2019年3月2日
最上級生になり、これまで以上に積極に取り組む増田 啓介選手
横浜ビー・コルセアーズの特別指定選手として28試合に出場した経験を生かしてチームを引っ張る中村 太地選手
大学3年生から高校生まで男子U22日本代表候補選手30名を選出し、2019年2月25日(月)から3月1日(金)までの期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1回「スプリングキャンプ2019」を実施。昨年から強化してきた戦術等の復習からスタートし、4日目には早くも遠征中の韓国・東国大学とスクリメージを行いながら、実戦形式を踏まえた強化ならびに選考合宿となりました。
男子日本代表がFIBAワールドカップ2019出場を決めて日本中が盛り上がる中、この合宿がスタート。「日本バスケ界にとって久しぶりに明るいニュースが舞い込み、特別指定選手としてすでに日本代表選手たちと一緒にプレーしている選手をはじめ、意識を高く持って練習に臨んでくれました」と比嘉 靖ヘッドコーチ (大阪体育大学)。しかし、5日間に及ぶキャンプ終盤、疲れが見え始めるとその集中力が切れてしまい、「高い意識を継続できなかったのは課題であり、そこはヘッドコーチの責任でもあります」と言うように、最終日には網野 友雄アシスタントコーチ (白鷗大学)や西尾 吉弘アシスタントコーチ (大東文化大学)の檄が飛びます。
男子U22日本代表は日本代表に直結する世代であり、日本代表アシスタントコーチでもある佐古賢一アドバイザリーコーチが名を連ね、一気通貫の強化を図っています。フリオ・ラマスヘッドコーチからは、世界と戦うためにも各選手のポジションアップが求められています。1年前のスプリングキャンプ時は、ちょうど男子日本代表がFIBAワールドカップ2019 アジア地区 1次予選で4連敗を喫したときでした。「日本が弱いのは大学生が弱いからだ」と男子日本代表スタッフから指摘され、その悔しさを比嘉ヘッドコーチは今なお忘れていません。この世代からの底上げが急務であり、「今年は今までとは違うことを証明するためにも、この中からFIBAワールドカップ2019に出場する選手を一人でも多く輩出できるようにしたいです」と目標を掲げ、選手もスタッフも全員が意識を高く持たなければなりません。
凱旋帰国した男子日本代表選手たちは「ここがスタートラインであり、自分たちの世代で切り拓いて行こう」と声を揃えており、その競争にこの世代の選手たちも絡んでいくことが底上げになります。現大学3年生は八村塁選手(ゴンザガ大学)と同い年であり、渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ)とも同世代の選手たち。4年後、FIBAワールドカップ連続出場を果たすためにも、彼らのレベルに少しでも近づけるようにすることが大事です。
特別指定選手としてすでにBリーグで活躍する選手もおり、中村 太地選手 (法政大学3年)は横浜ビー・コルセアーズで28試合に出場。「プレーの強度の高さや駆け引きは経験豊富な選手が多く、毎日の練習から学ぶことは多いです。それをこの合宿でも生かしながら、自分のスタイルを確立していきたいです」と持ち味を発揮しながらアピールしていました。増田 啓介選手 (筑波大学3年)も日本代表3選手を擁する川崎ブレイブサンダースを経て、意識の変化が見られています。「今までは練習の雰囲気などを先輩任せにし、自分のことだけをすれば良いというスタンスでした。しかし、最上級生になりますし、コーチが仰ってたように練習の強度や雰囲気は選手自身が作っていかなければなりません」とこれまで以上に積極的に取り組んでいました。
昨年から「第30回ユニバーシアード競技大会」(イタリア・ナポリ)を目指して強化を図ってきましたが、これまでの24チームから16チームに出場国が縮小されるため、毎回下位争いをしていた日本は「残念ながら、ほぼ出場できない状況です」(比嘉ヘッドコーチ)。しかし、NBAや世界を見渡せばこの世代はすでにプロとして活躍している世代です。「男子日本代表に直結する世代であることをモチベーションにし、FIBAワールドカップ2019や東京オリンピックをこの世代から目指していくことが全体の底上げになります」と新たな目標に向かって練習に励んでいます。
次回、3月4日 (月)〜3月8日 (金) に行われる第2回キャンプでは、「日本代表と同じスタイルをもっと細かく、基本に忠実に落とし込んで徹底させていきます。40分間フルコートを走り続けることを目指すオフェンスの強化も行っていきます」。佐古アソシエイトヘッドコーチや阿部勝彦S&Cコーチ、一柳武男アスレティックトレーナーら男子日本代表スタッフが本格的に参加することで同じ雰囲気を作り、質の高い練習を目指します。