第88回天皇杯・第79回皇后杯 全日程終了 -男子はパナソニックが16年ぶり10回目の優勝-
2013年1月14日
21得点6ブロックで攻守に渡り活躍したパナソニック#40ワトキンス選手
天皇杯を高く掲げて喜ぶパナソニック
「この試合は珍しく出だしから調子が良く、一生懸命プレイし飛ばしすぎた」と、アイシンの鈴木 貴美一ヘッドコーチが言うとおり、序盤からコンスタントにシュートを決めたアイシン。ディフェンスも良く、思うように攻められないパナソニックに対し、24-12と第1ピリオドで12点差。3Pシュートで巻き返すパナソニックは、第2ピリオド5分に2点差まで詰めるも、そこから点数を決められずに再び点差は離れ、さらに#32桜木選手の3Pシュートブザービーターが決まり、40-26と14点差にアイシンがリードを広げて前半終了。
「立ち上がりからすごいアイシンの流れになってしまいまして、浮き足立つ形になってしまいました。PGの責任であり、インサイドにオフェンスが偏ってしまったのが前半の反省点です」と振り返るパナソニック#1木下選手。追うパナソニックは、ハーフタイム中、「準決勝のトヨタアルバルク戦のような積極性がなかったので、選手にはどんどんシュートを打て」と指示し、清水 良規ヘッドコーチは選手たちを送り出します。
その後半、インサイドから#40ワトキンス選手がコツコツとゴールを決め、#1木下選手の2本連続3Pシュート、さらに#10大西選手が3Pシュートを沈め、第3ピリオド残り2'25、47-48と1点差に迫ったパナソニック。「後半の入り方はディフェンスからと決めており、ハードにプレッシャーをかけていこう」と#14金丸選手が話すとおり、ディフェンスが成功し、そこから#24広瀬選手の速攻が決まり49-48、ついに逆転に成功。しかし、王座奪回を狙うアイシンも#24古川選手が3Pシュートを決めて51-49。再びアイシンがリードし、最終ピリオドへ。
「気持ちを前面に出してプレイを続けていたので、その勢いがチーム全員に伝染し、ディフェンスやリバウンドといった気持ちの部分が一番現れるプレイが光った」と#24広瀬選手。対するアイシン#24古川選手は、「受けてしまい、リバウンドを獲られチャンスを与え、細かいミスも出て相手にリズムをもっていかれました」。第4ピリオドのリバウンド総数は、アイシン6本に対し、パナソニックは倍以上の15本をもぎ取りチャンスを作ります。両チームの一挙手一投足に沸き、ため息がもれる場内。このピリオドだけで7本のフリースローをもらいながらも、3本しか決められなかった#40ワトキンス選手。残り39秒でもらったフリースローの2本目を外すも、#13渡邉選手がオフェンスリバウンドでつなぎ、ファウルゲームで64-61。#40ワトキンス選手は6本のブロックショット、そして最後は#14金丸選手がブロックショットを決めてアイシンの攻撃を阻止。結局、64-61で激戦を制したパナソニックが勝利し、16年ぶり10回目、そして休廃部を発表したチームがこれまで優勝できていなかったジンクスを打ち破り、日本一に輝きました。
優勝したのヘッドコーチ、選手の喜びの声をご紹介します。
■清水 良規ヘッドコーチ
「うれしいです。本当に、その一言に尽きます。僕がバスケ部の副部長になった時に優勝して以来ですので、本当に久しぶりで、選手たちには本当に感謝しています。いろんな境遇の中で、いろんな思いをしながらリーグ戦に入り、天皇杯を迎えて、こんなにうまくいくとはよもや予想していなかったことです。もう一つは、予想もできないような試合展開に準決勝も、今日もなりました。普段ならばズルズルといってしまうところが、今日の第3ピリオドのような粘りを見せてくれました。だんだんチームがひとつになり得てきたのではないかという気がします。それも、いろんな思いをしてきたことが、この結果につながったと僕は思います。本当に今回は、選手たちに助けられました。素直に感謝していますし、うれしい優勝です」。
■#1 木下 博之選手
「後半はディフェンスから早い展開で組み立てようと切り替えて、みんなもディフェンスから走ってくれたことで、我々らしい展開になってきて、そこからは勝負になるな、と実感しました。最後は我々の気迫の方が相手より勝っていたのが勝因だと思います」。
■#10 大西 崇範選手
「チーム一丸となって、すごい勢いに乗れるようになったのが一番の勝因だと思います」。
■#14 金丸 晃輔選手
「リバウンドも獲れていたし、リバウンドからの速攻という我々のスタイルが出すことができ、それで優勝できたのでとてもうれしいです」。
■#24 広瀬 健太選手
「チーム一丸となってディフェンスを頑張ってオフェンスをして、コートにいる5人だけではなく、ベンチ、スタッフを含めて全員で勝ち取った勝利でしたので、すごくうれしいです」。
■#40 ジャミール・ワトキンス選手
「両チームとも良いプレイがあった試合でした。運が自分たちの方にあり、最後は勝つことができてうれしいです」。
大会ベスト5は以下の通りです。
木下 博之 選手(パナソニックトライアンズ #1/2年ぶり2回目)
金丸 晃輔 選手(パナソニックトライアンズ #14/初)
ジャミール・ワトキンス 選手(パナソニックトライアンズ #40/初)
柏木 真介 選手(アイシンシーホース #3/2年連続6回目)
桜木 ジェイアール 選手(アイシンシーホース #32/3年ぶり5回目)
悪天候かつ交通機関が乱れている中にも関わらず、多くのファンの皆様が会場へ足を運んでいただき、ありがとうございました。両チームに大きな声援を送っていただいたことで、昨日の女子決勝に引き続き、素晴らしい試合になりました。元日よりスタートした天皇杯・皇后杯(オールジャパン2013)は、女子はトヨタ自動車が初優勝し、男子はパナソニックが休部前最後のオールジャパンで有終の美を飾り、全日程が終了しました。
優勝した両チーム、そして惜しくも敗れたJBL、WJBLチームにとってはリベンジを狙う各リーグが1月26日(土)より全国各地で再開されます。引き続き、応援をお願いいたします。
大会サイトには、この決勝戦の試合結果やフォトギャラリー、現地レポートを順次アップしていきます。ぜひサイトをご覧否っていただき、オールジャパンを振り返ってお楽しみください。
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