ニュース
「FIBA 3×3 U23 WORLD CUP 2019」3×3 女子 U23 日本代表チームが初優勝で金メダル獲得‼ 大会MVPに#23 山本麻衣 | 一覧へ | FIBA女子アジアカップ総括:「次はドライブが通用する」宮澤夕貴選手 |
FIBA女子アジアカップ総括:「ベストバスケを40分間できていないことが楽しみ」トム・ホーバスヘッドコーチ 〜Wリーグ本日開幕〜
2019年10月4日
「もっともっともっともっと良いバスケになる」トム・ホーバスヘッドコーチ
フィジカルバスケに慣れることが課題点
「FIBA女子アジアカップ」がはじまる前、優勝候補はオーストラリアや中国であり、3連覇中のAKATSUKI FIVE女子日本代表は「アンダードッグような扱いだった」とトム・ホーバスヘッドコーチは不満を抱いていました。しかし、ホーバスヘッドコーチをはじめとしたスタッフと選手たちが優勝を信じて、自らのバスケスタイルに自信を持って戦い抜いた結果、周りの評価を一蹴する4連覇を達成しました。
東野智弥技術委員長は「シュート力」「フィニッシュ力」「ディフェンス力」の3つの点を評価します。シュート力は3Pシュートを指します。15本中9本(60%)を決めた中国との決勝戦は「ここまでの確率で、必要なところで決められる、勇気を持って打ち続けることができるのは日々の努力の証です」。「フィニッシュ力」は決勝で見せた本橋菜子選手(東京羽田ヴィッキーズ)の『菜子タイム』に代表される「ペイントまで行き、シュートを決める力を毎日のようにトムヘッドコーチの下でやってきました。また、見事にそれが必要であることを証明しました」。
3つ目の「ディフェンス力」はフィジカルが課題と言われていますが、「渡嘉敷(来夢)選手が中国やオーストラリアを相手に素晴らしいディフェンスで抑え、オフェンスチャージを取りました。ボディアップという技術をトムヘッドコーチが毎日のように取り組んできました。もちろんトレーナーも大変だったことでしょう。それを見事にあの場でオーストラリアを破り、遠征で敗れていた中国に対しても本番では素晴らしいゲームをしてくれました」。
男子日本代表がFIBAワールドカップでフィジカルの弱さを痛感しました。大きなオーストラリアや中国を相手に身体を張って破りましたが、女子日本代表もまた、「フィジカルバスケに慣れていかなければならないです。相手がフィジカルディフェンスをしてきたときに、選手の足が止まってしまいました」とホーバスヘッドコーチも課題に挙げます。
最年少の赤穂ひまわり選手(デンソーアイリス)は、「5試合を戦っていく中でフィジカルや体力面でまだまだ足りないと思う部分がありました。身体をぶつけながらでもシュートを決めきるなど、フィジカルが一番の課題です」と言います。ベテランの髙田真希選手(デンソーアイリス)もこれから世界を相手に戦うためには、「フィジカルの部分で劣ってしまうので、最後のフィニッシュを決めきることやタフなディフェンスをするとか、きれいにプレーするだけではなくどんどんフィジカルの部分で相手を圧倒できるようにもっともっと磨いていかないといけないです」とさらなるレベルアップに励みます。
フィジカル強化のために、主戦場となるWリーグから変化の必要性をホーバスヘッドコーチは訴えます。
「フィジカル強く相手は来ましたが、簡単にファウルを吹かなかったですし、我々のファウル数は本当に少なかったです。中国戦も少なく(チームファウル数=日本6:中国11)、逆に日本ではフィジカルプレーをするとすぐにファウルを吹かれてしまいます。そのため日本の選手はフィジカルプレーにあまり慣れていません。もう少し日本もファウルの基準を変えて、フィジカルバスケをした方が良いと思います。それがオリンピックに向けても、日本代表の強化のためにも必要です」
フィジカル面を課題に挙げる一方で、「リバウンドがうまくなったのは、信じられないことです。オーストラリア戦(52:45本)はリバウンドで勝っています。中国戦(36:37本)は1本差でしたが、オフェンスリバウンド(13:9本)は勝ちました。本当にそこはうまくなったし、レベルアップしました」とリバウンドの向上をホーバスヘッドコーチは評価します。リーダーズのリバウンド部門2位に宮澤夕貴選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)、3位に渡嘉敷来夢選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)と髙田選手がランクイン。宮澤選手はオーストラリア戦で15本を獲り、全試合を通したゲームハイを記録しました。
リバウンドについて宮澤選手は、「センター陣がボックスアウトをしてくれていたので、そこに3人目として加わってリバウンドを獲ることが今回の自分の仕事でした。結構、アーリーでシュートを打つ場面が多かったので、チームメイトが打った時に積極的にオフェンスリバウンドにも入ろうと思っていました。自分がシュートを打った時にリバウンドに入ってくれるとすごく助かるので、それを次は自分がしなければいけないと思ってリバウンドは意識しました」と仲間と協力し、仲間たちのために身体を張ったことがリバウンドの成長につながっています。
優勝を喜ぶホーバスヘッドコーチは、さらに2つ得られたものを紹介しました。「他のチームを見ていて良いものや、自分たちに足りないものが分かりました。それはすごく良い勉強になりました」と課題が明確になった点を挙げます。
「もう一つ楽しみなことは、優勝しましたが、我々のベストバスケを40分間通してまだできていません。もっともっとレベルアップできます。金メダルの目標を達成することは絶対にできます。これからもっともっともっともっと良いバスケになります。引き続き、応援をよろしくお願いします」
女子日本代表選手たちの主戦場となるWリーグが、本日10月4日(金)より開幕します。