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2019年度 ジュニアユースアカデミー (男子) 第1回キャンプ 開催報告

2019年12月23日

スクリーンセットの姿勢や角度など、きめ細やかな指導が行われた

このキャンプでは、個人スキルにフォーカスして取り組む

 11月29日 (金)~12月 1 日 (日) の 3 日間、味の素ナショナルトレーニングセンター (東京都北区) で「2019年度ジュニアユースアカデミー」の男子第 1 回キャンプが開催されました。
 このキャンプは「中学 3 年が190cm以上、高校 1 年が192cm以上、高校 2 年が194cm以上」の身長制限を設けたキャンプで、トライアウトに合格した14名で行われました。

 キャンプを主導するのは U15 ナショナル育成センターでもコーチを務めるトステン・ロイブルコーチです。ロイブルコーチは練習のコンテンツについて、「ジュニアユースアカデミーは個人スキルの育成にフォーカスする」と言います。
 初日こそ U15 ナショナル育成センターと同じように個人ファンダメンタルから、「2 メンオートマティック」や「3 メンオートマティック」といったチームファンダメンタルの練習に取り組みましたが、そのなかでもロイブルコーチはスクリーンの姿勢や角度、ダイブの角度まで個人として身につけておくべきスキルを細かく指導していました。
 これは30名のトライアウト形式で行われる U15 ナショナル育成センターと異なり、最終キャンプまで誰もカットされることなく内容を進めていくジュニアユースアカデミーだからこそできるきめ細やかさともいえます。

 また、ジュニアユースアカデミーの選手たちの多くは自チームでペイントエリア内でのプレーを求められているのが実情ですが、国際基準で考えると彼らのなかにはアウトサイドに出ていかなければならない選手もいます。そうしたオールラウンダーを育成するためにも、ジュニアユースアカデミーではボールの受け方からドリブルの突き出し方、アウトサイドでのスペーシング、オフボールの動き方、タイミング、どこに視点を置くかなど、細かな練習にも取り組んでいきます。

 選手たちはオートマティックな動きに対して、教わったままの形でやろうとしますが、ロイブルコーチが「オートマティックの動きはいいチャンスを作るために使っているんだ。ほかにいいチャンスがあるだったら、そちらに動いてレイアップシュートに持ち込んでもいいぞ」と選手みずからが判断することの重要性も伝えていました。

 昨年度のジュニアユースアカデミーを経験した村瀬拓憲選手 (岐阜・美濃加茂高校 1 年) は「昨年のキャンプを終えて、まだまだアウトサイドからのシュート力が足りないと感じたので、今日までアウトサイドのシュートを重点的に練習してきました。そうした練習の成果が、昨年よりも通用する部分が増えたところに出たように思います」とキャンプを振り返ります。
 チームではインサイドを任されることの多い村瀬選手ですが、将来的にはアウトサイドのプレーを覚えなければいけないという向上心から、高校に入学した今年度もトライアウトに挑戦したと言います。
「こうしたキャンプでアピールをすれば、もっと上のレベルでプレーすることができるかもしれないし、やはりこのキャンプには成長できる何かがあると思っています」

 山岸優介選手選手 (京都・洛南高校 1 年) はオールラウンドのプレーできる選手になりたくてジュニアユースアカデミーのトライアウトを受けたと言います。「でも具体的にどうすればいいのか、どういうスキルが必要なのかがぼんやりしていたんです。でも今回のキャンプを受けてみて、ボールのもらい方、手と足の使い方など、アウトサイドでのプレーの土台が学べて、チームに帰ってからも生かしたいと思いました」と振り返ります。
 山岸選手が所属する洛南高校にはジュニアユースアカデミーの OB ともいうべき星川堅信選手や浅野ケニー選手らがいます。山岸選手は彼らとともに練習をしながら、一方で「今はまったく歯が立ちません」と言います。ただ彼らと一緒に練習をしているからこそ「このキャンプでは通じるところもあったし、新しいことにチャレンジしたからこそ見えてきた課題も見つかりました」と手応えも感じているようでした。

 サイズに頼らないオールラウンドなスキルを身につけようとしている日本の若き選手たち。彼らが将来の日本を背負うような選手に成長してくれることを期待したいと思います。



※キャンプの様子は、フォトギャラリーをご参照ください。