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平成26年度 U-15女子トップエンデバー開催報告
2014年11月7日
一色 建志コーチによるワンハンドシュートの指導
身体接触を嫌がらないことが重要
10月24日(金)から26日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、平成26年度U-15女子トップエンデバーを開催しました。全国9つの地方ブロックエンデバーから推薦され、味の素ナショナルトレーニングセンターに集まった精鋭30名(うち1名が欠席)は、今の自分が持っている力をすべて出し切るようにして臨みました。
今年度のテーマは「攻防の基礎・基本の徹底」。U-15トップエンデバーの根幹ともいうべきテーマですが、中学2年生、3年生になって、できるテクニックなどが徐々に増えてくると、細かな基礎・基本――ファンダメンタル――が疎かになりがちになります。それを踏まえてのテーマ設定となりました。
2日目の午前には、女子日本代表アンダーカテゴリーの一色 建志ヘッドコーチが「シュートドリル」を行いました。今年度は女子U-18日本代表のFIBA U-17世界選手権大会と、女子U-18日本代表のFIBA ASIA U-18女子選手権大会、そして若手で挑んだ女子日本代表の第17回アジア競技大会と、世界やアジアと対戦した一色ヘッドコーチだからこそ、女子であっても「ワンハンドシュート」をしっかり身につけておくことが重要だと考え、まずは「ボールをつまみ上げる=指先でボールを扱う」という、基礎の基礎から指導をしていました。選手たちは29名のうち20名はすでにワンハンドシュートを打っているとのことでしたが、それでもスナップをうまく使えずボールをリリースする位置がまちまちだったり、力んでしまってフォームがスムーズに動かなかったりと、問題点がいくつもありました。
一色コーチの指導を意識して練習をしているときは、それらの問題も消えるのですが、少し時間が経つとまた元に戻ってしまいます。一色コーチも「今日1日の練習で完全に見につくとは思っていません」と理解を示しながら、選手たちには「良い癖はなかなか身につかない。でも悪い癖はすぐにつく。良い癖がつくように何度も練習をしよう」と言いました。
また、審判の前田 喜庸氏によるルール解説(主にファウルやヴァイオレイション)が、2日目の午前に行われました。その直前に行われていた鷲野 鋭久コーチングスタッフによる「ポストムーブ」に触れて、前田レフェリーは「みなさんは今がチャンスです。鷲野コーチの教わったテクニックをいくら覚えても、正しくない動作、たとえばトラベリングなどをしたら意味がありません。そこまでしっかりと頭に入れて、プレイしましょう」と指導してくれました。
午後は鷲野コーチによる「1対1のディフェンス」や「スクリーンプレイに対するディフェンス」、「ファストブレイク」の基礎・基本の指導がありました。シンプルな動きで、選手たちも知っている内容のドリルもありましたが、それでも鷲野コーチはこう言います。「みんなも知っている、当たり前の動き方かもしれません。でも普段教えられている環境によって、多少異なるところもあるものです。ここで『なぜあの子のディフェンスはしっかりできているのか』をよく見て、学びましょう。それが『U-15女子トップエンデバー』として集まる意味でもあるんです」。
3日間の練習ですべてを身につけることはできません。しかし全国から選ばれた選手たちのよいプレイを見て、学ぶことは参加した選手全員にとって、今後の大きな指標にもなります。
今年度の全国中学校バスケットボール大会(香川全中2014)で優勝した、北九州市立折尾中学校 3年の木村 亜美選手は「初めてU-15女子トップエンデバーに選ばれて、いろんな体験もできたし、普段自分の中学では使わないスクリーンプレイなど難しいこともありました。自分のできることは精一杯出せたと思いますが、個人的にはまだまだ足りないところがたくさん見えたので、これからもいろんな選手のプレイを見て、勉強していきたいと思います」と、見て学ぶことの大切さに気付いていました。
また、今回の合宿で誰よりも声を出し、コーチ陣の「わかった?」の問いかけに誰よりも早く、大きく「はい!」と元気に答えていたのが、横須賀市立坂本中学校 2年の奥山 理々嘉選手。「多くのコーチや先輩たちに教えてもらって、すごく勉強になりました。特にゴール付近でのポストムーブは自分のためにやっているような気持ちになって、プラスになることが多かったです。声については、礼儀や感謝、謙虚な気持ちでいることが当たり前だとミニバスや中学のコーチ、親からも教わっていて、自分自身もそうだなと感じているので、自然と出ました」。
奥山選手をはじめ、今回参加した選手たちは指導されたことに対して素直に取り組み、充実した3日間を過ごすことができました。