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平成26年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第1回キャンプ開催報告
2014年11月10日
トーステン・ロイブルコーチによるデモンストレーション
今年度の「ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター)」がスタート
10月17日(金)から3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、今年度の「ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター)」が始まりました。
平成24年度から始まった同事業は、今年で3期目を迎えます。過去2回を振り返って、佐々木 三男ジュニアエリートアカデミープロジェクト長は「過去2回のメンバーから男子U-18日本代表(日・韓・中ジュニア交流競技会を含む)に2名、男子U-16日本代表(その後の男子U-17日本代表)にも2名、送り出すことができました。それを考えると、この事業の有効性を感じることができます」と、手応えを感じています。
そのうえで、今年度は「身長の大きい子の中から、シュート力のある子を見出し、シューターとしてその才能を磨いていきたい」と言います。第1期でやろうとしたビッグマンのオールラウンド化だけではなく、また第2期に加わった、身長制限を若干下回るシューターの育成だけでもありません。当初の目的であるオールラウンドにプレイできるビッグマンを育てながら、そのなかからシューターになれるタレントを見つけて、その素質も伸ばしていこうというわけです。そのようにジュニアエリートアカデミーは年々進化しているのです。
さらに、今年度は「タレントのデータベース化」にも取り組もうとしています。それはエンデバーコーチングスタッフ(ECS)でもある佐々木プロジェクト長らが、全国9つのブロックエンデバーに出向き、ビッグマンと呼ぶには身長には足りないけれども、シューターやゲームコントロールのできるポイントガード、つまりはゲームにおける『スペシャリスト』になりうる人材を見出すことです。このことは、昨年度トップエンデバー事業に対して、男子U-18日本代表チームから「ポイントガードをできる人材を推薦してほしい」というリクエストがありましたが、同じ育成事業であるジュニアエリートアカデミーにも同様の役目があると考えることが出来ます。
「ビッグマンのキャンプとしてスタートしたジュニアエリートアカデミーですが、その基本概念を保ちつつ、一方で時々のニーズに対応できるデータベースを持ち、人材の供給源にならなければいけないと考えているのです」(佐々木プロジェクト長)
■第1日目/10月17日(金)
14:45 開講式
15:00 チームビルディング・ライフスキル
16:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
16:00 フィジカルトレーニング
17:30 食事・チェックインガイダンス
19:00 動作解析・心理ガイダンス、TEST他
■第2日目/10月18日(土)
9:00 フィジカルトレーニング
10:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
11:30 マルチステージ
13:45 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:45 フィジカルトレーニング
17:30 医科学講習
19:00 学習
19:30 フィジカルフィードバック
20:00 栄養講習
■第3日目/10月19日(日)
6:00 シューティング
8:00 学習
9:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
シュータークリニック・ビッグマンドリル
10:30 フィジカルトレーニング
11:45 シューターガイダンス
12:30 閉講式
今年度の第1回キャンプには8月のトライアウトで合格した8名と、初日に行われた2回目のトライアウトで合格した7名、合計15名が参加しました。彼らはこれから来年の2月末まで、全7回の合宿に臨むことになります。少数精鋭であるうえに、自らが志願し、トライアウトを通過した選手たちですので、練習に取り組む意識も高いものがあります。
今年度の最高身長である井上 宗一郎選手(東京・世田谷区立梅丘中学校 3年・199cm)は「下級生にも上手なセンターがいて、すごく刺激になります。このキャンプを通して、まずは体力を人並みにつけることを課題にしています。そして将来的には3番ポジションでプレイをしたいと考えています」と意気込みを語ります。
また、山口 蓮選手(北海道・帯広市立帯広第八中学校 3年・186cm)は、U-15男子トップエンデバーには選出されていない選手ですが、スペシャリストとしての可能性を見出され、今年度のキャンプに参加できることになりました。「地元では自分よりも大きい選手がいないので、大きい選手と対戦した経験がありません。でも今回そうした経験を積む機会を与えていただいたので、技術も体力もレベルアップしていきたいです」と、こちらも井上選手同様に力強く話してくれました。
今回のキャンプでは、選手たちができないこと、意識されていないことが浮き彫りになりました。ファンダメンタルのドリルであるにもかかわらず、ボールをうまくコントロールできないこと、動きのぎこちなさや、体力面での弱さなども目立ちました。しかし実技を担当するトーステン・ロイブルコーチや、トレーニングを担当する國友亮佑トレーナーが「今はできなくても、これからキャンプを重ねながら、最後にはできるように努力をしよう」と言っていたように、これからの彼らがどう変わっていくのかが、何よりも大切なこととなります。
バスケットにおいて、身長が大きいことはそれだけで武器になります。しかしその武器も磨かなければ威力を発揮できません。今年度の15名も大きな可能性を秘めています。その可能性をどう開花させるか。ジュニアエリートアカデミーは未来に向けた第一歩と言えるのです。
次回、第2回キャンプは、11月28日(金)~30日(日)に開催されます。
※会場の都合により、一部日程が変更となりました。
■平成26年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第1回キャンプ 指導スタッフ紹介 ※敬称略
【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)
【チームビルディング・ライフスキル】
神田 義輝
【心理カウンセリング担当】
奥野 真由(JISS)
【フィジカル担当】
國友 亮佑(公益財団法人日本バスケットボール協会)、小山 孟志(東海大学)
【トレーナー担当】
西村 航(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【シューティングメカニズム担当】
袴田 智子(JISS)、稲葉 優希(JISS)
【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(國學院大學)
古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)、本永 昌生(通訳)、一色 貴史
【アシスタントコーチ】
鈴木 健太郎(南山高校・中学男子部)、瀬戸 祥太、田中 博昭(鳥取県立博物館)
鈴木 誠士(東京都立蒲田高校)、若岡 洋介(名古屋市立向陽高校)
佐藤 容子(東北用地㈱)、野坂 圭司(神奈川県横浜市 西本郷TAG)