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2018年度ジュニアユースアカデミー 第2回キャンプ 開催報告

2018年10月25日

恒例となっている「1対1競争」を楽しみながら応援する選手たち

アウトサイドでのスペーシングを学び、守りに応じてバックカットを選択することを学ぶ

 10月19日(金)~21日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で、「2018年度ジュニアユースアカデミー」の第2回キャンプを実施しました。
 今月初めに行われた第1回キャンプに続くもので、内容としても男子はモーションオートマティックの構築、女子はインサイドプレーのファンダメンタルに加え、アウトサイドでのドリブルファンダメンタルやチームオフェンスのスペーシングの基礎などを、細かく学びました。

 本アカデミーの責任者である山本 明 技術委員会・ユース育成部会部会長は、今年度の参加選手に関してこう言います。
「男子は例年にないほどの有望な選手たちが揃いました。ただ、その中でいかに自分を表現するかがまだまだ不十分です。自分を表現する、つまりは自分自身を出し切ることが、彼らの目指す日本代表には必要なことだと考えており、その習慣化に取り組んでもらいたいと思っています。但し、最終日には自分を出し切ろうとする姿を見ることもでき、第3回キャンプ以降に期待したいところです」

 一方の女子については、「女子強化部内でも、中学生年代の身長の高い選手のポジションを(アウトサイドに)コンバートしていく必要性が認知された」として、今年度から同アカデミーで女子の部をスタートさせました。そのキャンプついてはこう話します。
「これまでペイントエリア内だけでプレーしていた選手たちが、アウトサイドでもプレーできるようにということで、今回はドリブルアタックのテクニックや4メンアウトサイドのモーションオフェンスのスペーシングを学ぶなど、まさにポジションコンバートの真っ最中です。慣れていないためにまだまだ戸惑う場面も見受けられましたが、あと2回のキャンプで対応してくれるだろうと期待しています」

 育成年代に向けた育成プログラムは男女を問わず日本代表の強化にも通じるわけですが、結果として現れるまでに時間がかかります。むろん女子についてはすでに世界レベルの大会にもたびたび出場していますが、さらなる高みを目指していくためにも高身長者のレベルアップは、男子同様に必要不可欠というわけです。

 男子の浅野 ケニー選手(京都・洛南高校 1年)は、昨年度のジュニアユースアカデミーにも参加した選手です。
「昨年までは中学3年生以下というカテゴリーでしたが、今年は中学3年以上高校2年以下の枠組みとなり、1つ上の先輩もいるので競争がさらに激しくなって、レベル自体も上がって、楽しく取り組めています」とキャンプの手応えを語ります。
 中学までは主にインサイドでプレーしていた浅野選手ですが、将来的にアウトサイドでプレーできる選手になりたいと進学先を選び、さらなる上達のために、今年度のアカデミーにも再び応募してきました。
「1回目のキャンプで教わったことや、そこで自分ができなかったことを自チームの自主練習で取り組んできました。その成果が今回のキャンプで上手く出せたので、それはすごく嬉しかったです」

 女子の内藤 紫瑛選手(北海道・札幌市立新琴似中学校 3年)は、「誰かに言われてやり始めたり、前回のキャンプと今回のキャンプがうまくつながっていない場面が、私を含めてあったと思います。でも今回は、前回のキャンプよりみんなが『自分がやろう』という意識が高かった分、声もよく出ていたと思います」と振り返ります。この言葉どおり、内藤選手自身も練習中も仲間に声をかけて「チームティーチング」を行なったり、コーチともしっかりコミュニケーションを取っている様子が見受けられました。
 自身の出来については、「自分よりも身長の大きな選手が多くいて、そこでの1対1はできたと思います。でも足さばきや、面を取るときの姿勢などまだまだ足りない点も多くありました。そうした点を次回のキャンプまでにしっかりと自分で取り組んで、改善していきたいです」と、課題を挙げていました。

 浅野選手が第1回キャンプを終えて実践したように、また、内藤選手が第3回キャンプに向けて課題を口にしたように、同アカデミーは3日間で1回キャンプを、4回行うだけで完結するものではありません。
 今回のキャンプで行なわれた目標設定をするミーティングのなかで、ある女子選手が「味の素ナショナルトレーニングセンターでのキャンプだけがキャンプじゃない。自チームに帰ってからの毎日も大事。毎日をキャンプにしよう」と発言したことから、萩原 美樹子コーチは「Everyday Camp(エブリディ・キャンプ)」をひとつの合言葉にして、ことあるたびにそれを選手たちに伝えるようにしたと言います。これは男子にも通じるもので、それこそが同アカデミーで学ぶ意義とも言えます。

 第2回のキャンプを終え、3週間後の11月9日(金)から行なわれる第3回キャンプに選手たちがどのような変化を見せて戻ってくるのか、コーチ陣も楽しみにしています。

 
■2018年度ジュニアユースアカデミー 第2回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 10月19日(金) 午後
・開講式
・スポーツパフォーマンス講習
・プレワークアウト
・クリニック
・女子:トレーニング
・栄養講習
・心理講習

■2日目 10月20日(土) 午前
・朝練習:シューティング
・プレワークアウト
・クリニック
・男子:トレーニング

■2日目 10月20日(土) 午後
・プレワークアウト
・クリニック
・女子:トレーニング

■3日目 10月21日(日) 午前
・朝練習:シューティング
・プレワークアウト
・クリニック
・男子:トレーニング

 
※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。