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平成29年度U14・U15ナショナル育成キャンプ 第2回キャンプ 開催報告
2017年10月30日
U14男子はテニスボールを使ったコーディネーションなど、個人の基礎ドリルを実施
U14とU15の合同キャンプとなった女子は、長南 真由美コーチがファンダメンタルに時間をかけて確認
10月20日(金)~22日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、平成29年度U14およびU15ナショナル育成キャンプの第2回キャンプを開催しました。
U14ナショナル育成キャンプの男子は前回同様、エルマン・マンドーレコーチが中心となって練習を進めていきます。「練習方針は前回と変わりません。個人の基礎スキルの上達と、チームとしての戦術的な理解…それはスクリーンを使わないプレイであったり、オフ・ザ・ボールでのスペーシングに重点を置いて、それらを理解してもらえるような練習を行いました」。
戦術の理解といっても、選手たちにそれをシステマティックに覚えてもらおうという意味ではありません。まずは2人1組でバックドアやパス&ランといった練習をはじめ、そこに1人が加わり、空いたスペースを埋める「リプレイス」を学び、さらに1人がポストマンとして加わり、最後は5人でスペーシングを生み出すオフェンスに移行していきました。
「これらの練習は選手たちの創造力を上達させるためのものです。システム通りに行うのではなく、自分で考えて、行動する目的で今回の練習を行なったのです」。
初日は集中力を欠いた場面もいくつか見られましたが、それも少しずつ改善されていきました。
菅野 ブルース選手(岩手県・陸前髙田市立第一中学校 2年)は、「地元では僕が一番の中心なのですが、U14ナショナル育成キャンプはレベルが高く、うまくいかないことが多い」と言います。それでも普段はセンターをしている菅野選手は、全国のガード陣、フォワード陣に刺激を受けながら、彼らのプレイを真似していったと言います。マンドーレコーチのバスケットについても「パスでつなぐことの難しさを感じましたし、合わせて走るタイミングなど学ぶところが多くありました」と振り返っていました。
U15の男子も前回同様、トーステン・ロイブルコーチがメインコーチとなって、キャンプを進めます。ロイブルコーチも、マンドーレコーチと同じように方針がぶれることはなく、今まで行なってきた内容に少しずつ何かを加えて、練習を行なっていまます。
「今回加えたのは2メンゲームのバリエーションです。国際大会に出れば日本に対して『アイス(スクリーンに対してユーザーのディフェンスが完全な方向付けをして守る方法)』をするチームもあります。そのときの攻め方などを練習しました。但し、モーションオフェンスのコンセプトは変わらず、コーナーキック、エクストラパス、スペーシングといった基本も変わらずに、それに新しい要素を加えたという感じです」。
そうした基本にプラスアルファされたドリルにも選手たちはうまく対応し、ロイブルコーチを驚かせていました。「初日はモーションオートマティックのスペーシングが非常にうまくいったので、練習中にプランを変更して、当初考えていたものよりも複雑なものにもチャレンジさせてみました。これはいい意味での驚きでした」。
選手自身もスムーズに行えた練習に手応えを感じていました。大森 尊之選(宮崎県・西都市立妻中学校 3年)は、「以前やったことのある練習もあったので、うまくいかないところは指摘し合いながら、質の高い練習ができたと思います」と胸を張ります。「U15のメンバーは一人ひとりの意識が高いので、自分としても動いてほしいところに動いてくれますし、アイコンタクト1つで動いてくれるので、気持ちよくバスケットができています」。その気持ちよさがさらに練習の質を高め、選手のレベルアップにもつながっているのでしょう。
一方の女子は、U14とU15が合同で合宿を進めました。前回は萩原 美樹子コーチが指導していましたが、この期間は女子U16日本代表チームのヘッドコーチとして「FIBA U16 女子Asian選手権大会2017」に出場するため、長南 真由美コーチが指導しました。
キャンプは個人のファンダメンタルなど「ポジションに関係なく、スキルアップするようなメニューを入れました」と長南コーチは言います。しかしそれだけでなく、離日する前の萩原コーチと連携し、3日間を通して「スペーシング」の考え方を学べるようにしたと言います。
「前回のキャンプで、萩原コーチがドライブからの合わせはやったということなので、そこに『パス&ラン』の要素を加えてみました。選手たちは『パス&ラン』だけだとできるのですが、そこにドライブが加わったときに、まだまだうまくスペーシングが取れていないように感じました。ただU14もU15もさすが選抜された選手たちだけあって、ポイントを伝えるとしっかり理解してくれていました」。
選手たちも合同合宿、長南コーチのキャンプにさまざまな刺激を受けたようです。U14の澤田 留衣選手(熊本県・甲佐町立甲佐中学校 2年)は、「1つ上の学年と一緒にやって、いろんなプレイを見ることができましたし、スピードの違いを感じるなど、いい刺激をもらいました」と振り返ります。
そのうえで長南コーチが練習中に、何度か選手全員に指摘していた「ボールを持ったらまずゴールを見て、シュートを考えることを学ぶことができました。これまであまりやってきていなかったことなので、これを機会に身につけたいと思います」。
U15の佐藤 果歩選手(奈良県・上牧町立上牧中学校 3年)は、「前回はU15だけでしたが、今回はU14が一緒ということで、お手本になれたらいいなと思いましたし、逆にU14のなかにも上手な選手がいて、そこから学ぶこともできました」と言います。上級生としての自覚とともに、下級生からも学ぼうという謙虚な姿勢で取り組んでいたわけです。
続けて、「練習そのものはやったこともあるものもありましたが、一つ一つのポイントをしっかりと意識してやらなければいけないと、改めて感じました」と言い、同じ練習でも意識して臨むかどうかで成果が異なってくることを、全国から集まってくる高いレベルの選手たちとともに練習をすることで、佐藤選手は学ぶことができたのです。
U14、U15、そして男女でアプローチこそ異なりますが、ファンダメンタルの重要性やチームとしてスペーシングを意識することは共通しています。それらを選手たちは今回のキャンプで学び、未来に生かしていくわけです。
■平成29年度U14ナショナル育成キャンプ 第2回キャンプ 主な実施プログラム
■1日目 10月20日(金) 午後
【男子】
・クリニックⅠ
・トレーニング
・スクリメージ
【女子】
・クリニックⅠ
・トレーニング
・講義
■2日目 10月21日(土) 午前
【男子】
・朝練習(スキルトレーニング)
・クリニックⅡ
【女子】
・朝練習(シューティング)
・クリニックⅡ
■2日目 10月21日(土) 午後
【男子】
・トレーニング
・クリニックⅢ
・講義
【女子】
・クリニックⅢ
・トレーニング
・講義
■3日目 10月22日(日) 午前
【男子】
・朝練習(スキルトレーニング)
・トレーニング
・クリニックⅣ
【女子】
・朝練習(シューティング)
・クリニックⅣ
■平成29年度U15ナショナル育成キャンプ 第2回キャンプ 主な実施プログラム
■1日目 10月20日(金) 午後
【男子】
・トレーニング
・クリニックⅠ
・スクリメージ
【女子】
・クリニックⅠ
・トレーニング
・講義
■2日目 10月21日(土) 午前
【男子】
・朝練習(スキルトレーニング)
・クリニックⅡ
【女子】
・朝練習(シューティング)
・クリニックⅡ
■2日目 10月21日(土) 午後
【男子】
・クリニックⅢ
・トレーニング
・講義
【女子】
・クリニックⅢ
・トレーニング
・講義
■3日目 10月22日(日) 午前
【男子】
・朝練習(スキルトレーニング)
・クリニックⅣ
・トレーニング
【女子】
・朝練習(シューティング)
・クリニックⅣ
※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。