ニュース
平成28年度ジュニアユースアカデミーキャンプ 第1回キャンプ開催報告 | 一覧へ | 第12回全日本社会人バスケットボール選手権大会 最終結果 -男子はリンタツが初、女子は鶴屋百貨店が11年ぶり2回目の優勝で閉幕- |
平成28年度U-14ナショナルジュニアユース育成キャンプ 第3回キャンプ開催報告
2016年11月7日
男子は低くて強いペネトレイトの力を求められた
オンボールスクリーンの基礎を学んだ女子
10月28日(金)~10月30日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、平成28年度U-14ナショナルジュニアユース育成キャンプの第3回キャンプを開催しました。
東野 智弥 技術委員長は、「U-14に限らず、U-12、U-13、ナショナル育成の年代は多くのことを吸収しやすく、選手として一番伸びる時期でもあります。だからこそ、コーチングスタッフにはこだわっています。世界基準のバスケットを知っているトーステン・ロイブルコーチと萩原 美樹子コーチ、ジュニア期の育成が専門の鈴木 良和コーチ、そして日本がこれまで国際大会に出るたびに指摘されてきたフィジカル面に対する指導者として、長年NBAで活躍されていた佐藤 晃一パフォーマンスコーチが指導にあたっています。これらの指導者のもとで、身体の使い方――手の位置や足の運び方に至るまで細かいところまでをしっかりと身につけてもらいたい。それを身につけて、彼ら彼女らが、U-16もしくはU-18日本代表に選ばれて国際大会に出たり、その先の日本代表の選手になったりしたときに、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。今から楽しみで仕方ありません」と期待を寄せます。
また、選手たちに向けても「今の時期に一つの場所に集まり、共に学ぶことで絆や友情を得ることもできます。そのうえで、今後また同じチームでプレイしたり、もしくは対戦したりするかもしれない。その出会いという意味でも、このキャンプは今後の日本にとって大きな宝になります」と言います。
今回のキャンプでは、男子はペネトレイト(ドライブ)を中心に練習が進められていきました。その意図をロイブルコーチは次のように言います。
「国際大会でモーションオフェンスを行なったときに、日本の弱点はペネトレイトの弱さにあります。抜けそうな場面で強く抜けません。ですので、今回は強く抜けるようなドリルをいくつか紹介し、実践してみました」。
そのためにロイブルコーチは、ドリブルを突き出すときの手や肩の位置、ボールの持ち方、足の向きに至るまで細かく指導していきます。そのうえで選手たちには「圧倒的なペネトレイト力をつけよう。そうすればバスケットがもっと楽しくなるぞ。これは何もレイアップシュートを打つだけのためではない。よいペネトレイトはさまざまなプレイに適応できるんだ。ペネトレイトにパスが加われば、バスケットはもっともっと楽しくなるぞ」と伝えます。
原田 大和選手(福岡県・福岡市立西福岡中学校 2年)は、「このキャンプに来るまではペネトレイトをチャレンジすることもなかったけど、これまでのキャンプで教わったペネトレイトをチームでも挑戦しています。まだペネトレイトからのシュートがうまく入らないところもありますが、ペネトレイトに行くこと自体は、自分の中でも変わってきたなと感じるところです」と、自身の変化を実感しています。今回のキャンプでさらに強いペネトレイトを知り、これを継続していってもらいたいと思います。
一方の女子は、男子が前回までのキャンプで行なっていた「オンボールスクリーン」の練習に入りました。
萩原コーチは「前回のキャンプで『オンボールスクリーンを使ってもいいよ』と言ったところ、私が想像していたより選手たちが自チームでそれを使っていないようでした。ですので、オンボールスクリーンのコンセプトをしっかりと説明してから使ったほうが、後々のためにもよいかなと考え、説明の時間が多くなりましたが、そういったドリルにしました」と言います。
その言葉どおり、何度となく練習を止め、ポイントを丁寧に伝えていきます。分解練習であっても、全体像がイメージできてないと判断すれば、5人の選手をハーフコートに立たせて、適切なポジションに立つことの重要性を示したり、ディフェンスの守り方を紹介して、対応の仕方を考えさせたりしていました。
選手たちは3回目のキャンプでもあり、少しずつチームのまとまりを表すようになってきています。
「育成キャンプであっても一緒に頑張る仲間であり、切磋琢磨する仲間です。もしかしたら近い将来、一緒に日本代表選手になるかもしれません。そうなったときに『仲間である』という核になる部分も、このキャンプで持ってもらいたいと思っています」(萩原コーチ)。
前田 芽衣選手(大阪府・大阪薫英女学院中学校 2年)は、「自分はこれまでどちらかといえば能力に任せてプレイしてきたところがありました。でもU-14のキャンプで一つ一つの練習の意図を考えてやるように意識するようになりました」と言います。チームメイトと切磋琢磨しながら、一緒によりよいバスケットを学んでいく姿が、そこにはあります。
原田選手も前田選手も、ともに所属する学校は全国大会にも出場する中学バスケットボールの強豪校です。そんな二人でも「このキャンプでは普段やれていることがなかなかできない」と口を揃えます。コーチに教わる技術などもそうですが、身長の高さ、パワー、もちろんスキルも自分よりうまい選手とともに練習を行うことで、自分でも知らなった自らの隠れた力を引き出すこともあります。そうやって選手たちは少しずつ、確実に成長しています。
平成28年度U-14ナショナルジュニアユース育成キャンプは、次回、12月16日(金)からの第4回キャンプで最終回になります。1か月半ほど空きますが、その間に選手たちがどこまで意識して練習に取り組み、最後のキャンプに臨むのか、注目したいと思います。
■平成28年度U-14ナショナルジュニアユース育成キャンプ
第3回キャンプ 主な実施プログラム
■1日目 10月28日(金) 午後
【男子】
・クリニックⅠ
・スクリメージ
【女子】
・ビデオセッション
・クリニックⅠ
■2日目 10月29日(土) 午前
【男子】
・朝練習
・コーディネーショントレーニング
・クリニックⅡ
【女子】
・クリニックⅡ
・コーディネーショントレーニング
■2日目 10月29日(土) 午後
【男子】
・クリニックⅢ
【女子】
・クリニックⅢ
・シューティングクリニック
■3日目 10月30日(日) 午前
【男子】
・朝練習
・クリニックⅣ
【女子】
・クリニックⅣ
※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。