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平成27年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 第2回キャンプ開催報告

2015年12月2日

バスケットボールとテニスボールを使ったコーディネーショントレーニング

新しいテクニックにトライし、反復し、身に付けていく

 11月22日(日)~24日(月)まで、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、平成27年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン)の第2回キャンプが開催されました。

 どんな優秀なコーチであっても教えることのできない“身長の高さ”に恵まれ、かつ、バスケットをよりうまくなりたい、将来は世界で戦ってみたいと意欲にあふれた中学生15名が、トライアウトを通過し、6回のキャンプを行います。今回はその2回目が行われました。

 選手たちを指導し、練習をリードするのはジュニアカテゴリー日本代表ヘッドコーチでもあるトーステン・ロイブルコーチ。10月に行われた1回目のキャンプを終えて、こう話していました。
「今年度のメンバーは特別な能力を持った選手がいます。2メートルを超すようなビッグマンがいるわけではありませんが、中学生としては大きいサイズの選手たちです。しかもこれまでとは異なり、ジャンプ力やクイックネスといった運動能力に長けた選手がいて、それらは将来彼らの武器になり得ます。私自身、彼らのそうした武器を生かしたいと考え、かつ将来国際的に通用するポジションで練習させるように心がけています」

 しかし何か特別なスキルを、それに特化した練習で教えるわけではありません。あくまでも国際基準としての基本(ファンダメンタル)をしっかりと身につけてもらうべく、第2回のキャンプでもコーディネーショントレーニングから入っていました。2つのボールを扱うことにさえ不安定さの残る彼らですが、今回はバスケットボールとテニスボールという大きさの異なるボールを使うドリルに苦戦しながら、それでも笑顔で取り組んでいました。
「コーディネーションドリルに加えて、前回はボールを受けてからの1対1を練習しましたが、今回はドリブルでの1対1を練習します。またリバウンドもボックスアウトからのリバウンドを改めて徹底して、次のステップに上げていかなければいけません。毎回コンセプトを替えるのではなく、これまでのものから徐々に、建設的にスキルを増やしていきたいと考えています」

 ロイブルコーチは第2回キャンプについて、そう説明しています。、また、それは11月7日までインドネシア・ジャカルタで開催された「第4回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」での反省も生かされています。
「日本はトランジションゲームの強いチームとして、各国のコーチからも認められていました。『どれくらい練習したら、あれだけスムーズにボールが動かせて、スペーシングもよくできるのか?』と聞かれたほどです。しかしながらハーフコートでのペネトレーションの力は、他国に比べると足りていませんでした。今回、彼らに教えるペネトレーションの技術は、ヨーロッパでは多く見られるものですが、日本ではまだまだ浸透していません。またドライブからのシュートも、日本はほとんどがアンダーハンドのレイアップシュートを打つため、すべてブロックされています。そういう点からも、ユーロステップをはじめとした方向を替えるステップや、オーバーハンドのシュートなどをやらなければいけないと考えています。国際大会で起こった問題点をフィードバックし、すぐにプログラム化していく。それをジュニアエリートアカデミーでも実践し、問題解決を図ることが重要なのです」

 そうした取り組みに対して、選手たちも意欲的です。松崎 裕樹選手(長崎・大村市立大村中学校 3年)は「1回目の合宿で行なったマルチステージシャトルランで結果が出せなかったので、今回は陸上部の練習に参加して走り込んできました」と話します。星川 堅信選手(栃木・宇都宮市立鬼怒中学校 2年)も「前回はトレーニングなどをやっていなくて、体力的にも苦しかったのですが、今回は普段の部活動の中で前回の課題にしっかりと取り組んで、マルチステージシャトルランでも、体幹トレーニングでもしっかり対応ができたと思います」と、ともに前回の反省を生かしてトレーニングに励んでいたそうです。その結果はマルチステージシャトルランだけでなく、リーグ戦形式の1対1でも現れていました。

 合宿の初日にはフロータードリブルのテクニックや、スキップステップからのシュートなどの指導もあり、松崎選手は「まだやったことのないステップや、習ったことのない技術がたくさんあります。将来的には国際大会でプレイしたいと思っていますし、そこでは189cmの僕でも小さいほうになるので、ハンドリングやステップなどをしっかりと身に付ければ、世界でも通用するのかなと思っています」と、さらに意欲を高めていました。

 世界レベルで活躍できる、サイズのある選手を育てるべく、ロイブルコーチをはじめとしたスタッフがそのための準備をすれば、選手たちも、たとえ不慣れなプレイであっても、意欲的にそれを学ぼうとしています。まだ第2回キャンプが終わった段階ですが、今年度のジュニアエリートアカデミーは順調に進んでいます。

 
■第2回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 11月22日(日) 午後
・コーディネーショントレーニング
・スキルトレーニング
・自主学習

■2日目 11月23日(月・祝) 午前
・朝練習(シューティングドリル)
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング

■2日目 11月23日(月・祝) 午後
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング
・英会話講習
・自主学習

■第3日目 11月24日(火) 午前
・朝練習(自主練習)
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング

<練習メニュー 一部紹介>
ステップバリエーション
https://youtu.be/7ShLcxgJDt0

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。

<トピックス>
バイオメカニクス フィードバック
https://youtu.be/RabNW2D2sjY

 
■第2回キャンプ 参加スタッフ

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(男子ジュニア専任コーチ)

【フィジカル担当】
國友 亮佑(JBA)

【英会話講習担当】
山田 貴子(WAKU WORK ENGLISH)

【栄養指導担当】
石垣 小百合

【トレーナー】
西村 航(JBA)

【映像撮影】
加藤 俊太郎

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(國學院大學)、古海 五月(JBA)、本永 昌生(通訳)

【アシスタントコーチ(研修)】
大渕 秀子(さいたま市立大久保中学校)、大島 洋介(JA全農とちぎ)