【試合結果】準々決勝 女王・アメリカに前半10点差で善戦するも64-110で敗れ、”メダルへの挑戦”はベスト8で終了
2016年8月17日
「第31回オリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)」のバスケットボール競技は11日目。予選ラウンドで3勝を挙げ、5大会ぶりの準々決勝を迎えた「アカツキファイブ」女子日本代表チームは、ここまで無傷の5連勝、オリンピック5連覇中の女王・アメリカと対戦しました。
#14 本川 紗奈生選手が先制点を挙げると、早い展開から#7 栗原 三佳選手の3Pシュート、#10 渡嘉敷 来夢選手と#6 間宮 佑圭選手がペイント内で得点を挙げ、日本のスピーディーなバスケットを展開します。一方のアメリカは、#7 マヤ・ムーア選手と#12 ダイアナ・トーラシ選手の第1ピリオド4本の3Pシュートをはじめ、高さとパワーのあるインサイドと、多彩な攻撃で得点を重ねていきます。第2ピリオド残り2分、44-46の2点差と善戦する日本ですが、アメリカも黙っておらず、終盤に7連続得点を許します。46-56、日本は10点ビハインドで前半終了。
後半に入ると、ボールが止まり、シュートが落ち始める日本に対し、アメリカのシュートの精度はさらに増し、一気に突き放されます。追い上げたい日本はゾーンディフェンスに変えたりと、持てる力を十二分に発揮しますが、アメリカはFG 65.3%と高い決定力で、攻撃の手を緩めることなく大量得点を挙げます。最終的に、64-110で敗れ、日本のオリンピックの挑戦はベスト8で終了しました。
■準々決勝 日本戦結果
日本(JPN/A4位/3勝3敗) ● 64-110 ○ アメリカ(USA/B1位/6勝)
(23-30, 23-26, 13-25, 5-29)
◇NHKハイライト映像「女王相手に堂々の勝負 日本ベスト8で散る バスケットボール女子 準々決勝」
http://sports.nhk.or.jp/video/element/video=29843.html
◇NHK見逃し動画配信
http://sports.nhk.or.jp/video/element/video=27462.html
◇BOXスコア/ゲームレポート
http://www.japanbasketball.jp/rio2016/pbp_team/?schedulekey=2008&period=18&site=2
◇FIBA LIVE STATS
http://www.fiba.com/olympicswomen/2016/1608/USA-Japan
試合後の内海ヘッドコーチ、選手のコメントをご紹介します。
■内海 知秀 ヘッドコーチ
ノーマークにすると必ず決めてくるアメリカはさすがでした。点を取られるのはしょうがない部分がありましたが、我々がどう点を取るかでした。とにかく選手たちは本当に良く戦ってくれたと思います。
2012年のロンドン予選を終わってから、この大会を目指して4年間、アジアチャンピオンになって臨んだ中で、私も選手も、チームスタッフも、それ以外のサポートしてくれるスタッフも、この大会に懸ける非常に強い想いがありました。
このチームはメダルを目指していましたので、予選リーグでもっと上の順位で決勝トーナメントにいきたかったのが正直な気持ちですが、これもどうやって戦うかを含めて、4年後の東京オリンピックに向けて大きなステップになった大会であったと思います。
■#12 吉田 亜沙美 選手(※キャプテン)
日本の目標はメダルだったので、負けたことに関しては悔しく思っています。ここまでできたっていうのは、やっぱりチームメイトに感謝していますし、スタッフを含めて、ファン、家族、友人に支えられてバスケットができたので、本当に感謝しています。このチームのキャプテン、ポイントガードをやらせてもらって幸せに思っています。
(試合後の涙については)悔しい思いが一番ですが、オリンピック期間、充実した気持ちでバスケットが出来ていましたし、このチームでバスケット出来ていたことが楽しかったので、1試合でも多くチームメイトと試合をしたかったという気持ちがありました。何よりも、会場に応援にきてくれている家族やファンだったり、チームスタッフだったり、勝っても負けても応援してくれている人たちの存在が気持ちを熱くさせてくれて、支えになっていたので、色んな感情が入り混じった涙でした。
ここまでやってこれて良かったという達成感、満足感だったりが多い中、メダルを狙いにいけたという瞬間が見えたという部分もあったので、悔しさがあります。(前半の2点差に追いついたところは)アメリカを本気にさせたというのは日本の強さでもあったと思いますが、後半の入りで一気に20点差に開かれたのは、日本の弱さでもあったと思います。世界No.1の、素晴らしいチームと出来たというのは良い経験になりましたし、私たちの今後のバスケットボール人生の財産となったと思います。あれだけシューティングのようにシュートを決められたようではゲームにならなかったと思いますが、本当に強かったというただそれだけです。
今回のオリンピックで、日本のような小さいチームでも世界と戦っていけることを少しでも証明できたかなと思います。私たちのバスケットで、一人でも多くの人に感動と勇気を与えられたらいいなと思って臨んだオリンピックでした。結果が全ての世界なので、メダルを持って帰って来れなかったという部分では、私のメジャースポーツにしていくという気持ちを見ても悔しい思いです。この結果を受け止めて、次のステップに向けて頑張っていきたいです。
■#10 渡嘉敷 来夢 選手
どんなに良いゲームをしても、負けは負けなので、本当に悔しいです。ただ、最後に良い形で自分たちの全てを出し切ることができた、やりきったのかなとは思います。
これが自分のレベルですし、日本のレベルだと思っています。ただやっぱり(アメリカと)もう少し上であたって、もっといいゲームをしたかったです。でも終わったことなので、今は、最後にアメリカで終えられて良かったとは思っています。
オリンピックは自分のバスケットボール人生で一番大きな出来事で、一言でいうとすごく楽しかったです。
オリンピックに出ると、今度はメダルと欲が出て、メダルをて取って帰りたかったのが正直な気持ちですが、まずは目先のアメリカ(WNBA)で試合に出て、さらにレベルアップしていきたいです。
その他、全選手の試合後コメント、大会総括コメントをご紹介します。
■#4 近藤 楓 選手
(第2ピリオドの速攻からの3Pシュートについて)ナイスパスだったので、絶対に決めたいと思ってシュートを打ちました。入ってよかったです。今大会を通じて、日本のスピードは本当に海外の選手を相手でもすごく通用したし、そこから自分たちのリズムを作ることができていました。
アメリカ戦で感じたのは、シュート率をもっと上げなければいけないということです。スキルももっと上げて、海外の選手を相手に対して、個の力でもやっつけられる部分をもっと作っていかなければならないと感じました。
(2020年東京オリンピックに向けては)今は全然何も考えられませんが、バスケットを続ける以上、目標を持って今後も努力を続けていきたいです。
■#5 宮澤 夕貴 選手
(交代早々に決めた3Pシュートについて)率直にうれしかったです。タクさん(渡嘉敷選手)からパスがきて、3Pシュートが打てる、と思って打ったら、決まって、練習してきてよかったなという思いと、ただただうれしかったです。いつでも打つ準備はしていました。コートに入る前から、シュートから、と思っていたし、ノーマークだったらシュートを打とうという気持ちで試合に入りました。
(2020年東京オリンピックへ向けて)ベンチで見ていることが多かったですが、自分の身長でシュート、パス、ドリブルのすべてができていないといけないと思わされました。ディフェンスを含め、ファンダメンタルからレベルアップしていきたいです。まだシュートモーションは遅いとアメリカ戦と対戦して肌で感じたので、もう少しし早いシュートを打てるようにしたいです。次は3番ポジションで、スタートでコートに立てるように頑張ります。
■#6 間宮 佑圭 選手
手応えというよりは、やはりチームワークやバランスが取れたバスケットをアメリカが相手にもできたと感じています。オリンピックに入る前からバランスとの取れた日本が理想としたバスケットができれば、絶対に世界と戦えると思っていましたが、それがこの試合に全部出すことができました。思っていた通りに試合が運べたことに関しては、手応えを感じました。
(このオリンピックで急成長した点について)世界と戦うのに慣れてきたのかなと思います。アジア以外の国と対戦しても怯まず、自分たちのペースで戦うことができ、相手に圧倒されることなく、しっかり自分たちのバスケットを40分通して作ることができるようになったと思います。今回に関しては海外の遠征やゲーム数が例年に比べて日数も多かったことで、海外の選手や環境で試合をすることに慣れたことが、コートを離れたところでもプラスに働いたと思います。
(4年後については)まだ終わったばかりなので、さすがに考えられていません。自分はまずは目の前のことだけを考えて戦っていました。4年前、ロンドンオリンピックに行けなかった時に、まずはリオを考え、すべてリオのために努力してきたので、先のことはこれからです。でも、良いバトンを渡せるかなと思います。
■#7 栗原 三佳 選手
アメリカの高さに対し、速さで対抗できていたと思います。しかし前半の終わりの部分で、相手に外角のシュートを入れられ、中と外をバランス良く攻めてこられたところから相手に主導権を握られてしまいました。点差を離されてからは、自分たちのリズムが来るまでしっかり全員で走って、ディフェンスを頑張ることをしていました。
(後半3Pシュートが0本だった点について)調子が乗らなかったわけではなく、相手もスーパープレイヤーばかりなので、シュートセレクションを潰してきます。そこを対応できなかった部分もありますが、それでも十分できていたと思います。別に調子が持続しなかったわけではなく、相手のディフェンスがうまかったです。
■#8 髙田 真希 選手
アメリカ戦に限らず、ジャンプシュートやドライブはどの相手でも通用しましたし、アメリカに対してもそのプレイはできました。ブラジル戦の前半は、チームに良い流れをもってくることができたかなと思います。走って速攻を出したり、ジャンプシュートを決めることがよくでき、そこから前半の終わりと後半の出だしに日本の良い流れをつなげることができたと思います。
(日本がワンステップ上がるために必要なことは)リバウンドに関しては、相手の方が大きいので、もう少しボックスアウトをして取れるようにしないといけないというのを肌で感じました。これからの自分の課題として取り組んでいきたいです。
■#9 三好 南穂 選手
今日のゲームは、後半は点差を離されてしまいましたが、前半はしっかりアメリカという世界一の相手についていくことができていましたし、戦えるということを感じました。しかし、その後に離されてしまい、アメリカの強さを感じました。
フランス戦の3Pシュートについては、得失点差の関係があったので、自分がいつでも出られるように最後まで準備をして待っていました。
自分は3Pシューターなのでその精度を上げること。シュートモーションを速くして、スイッチされた時にすぐに打てるようにしてレベルアップしていきたいです。
(2020年東京オリンピックに向けては)今回は控えメンバーであまり出場する時間も少なかったので、東京ではまず12人にしっかり選ばれ、今度は主力として戦いたいです。4年後、日本を引っ張っていく覚悟はあります。
■#11 長岡 萌映子 選手
プレイタイムはそれほど長くなかったですが、その中で積極的に攻めることを意識しました。今までテレビで見ていた選手たちと、同じコートに立ってプレイしているなんて、すごい体験だなと思いましたし、あのようなプレイヤーになりたいなと改めて自分のモチベーションになりました。アメリカの選手たちはどんなシュートでも決めるし、どんな体制でも決めるし、自分がシュートを打つべきなのか、どんなシュートを打つべきなのかを分かって動いていました。自分は3番ポジションとしてまだまだ力が欠けているので、アウトサイドのプレイでシュート率を上げる、セレクションをもっと幅を広げることを意識していきたいです。
4年後に向けても、このチームの一員で戦えたことはすごく勉強になりました。今、自分たちが日本のチームを引っ張っている先輩たちのように次はやらなければいけないですし、この結果を超えることが自分たちの使命だと思っています。
■#13 町田 瑠唯 選手
アメリカの高さはもちろんですが、今日のゲームは相手のシュート率が高くて、ノーマークにすれば全員が同じように絶対決めてくる部分は、本当にすごかったです。自分も、3Pシュートにしてもジャンプシュートにしても、シュートの確率を上げなければいけないですし、ドライブ行った後の工夫だったり、シュートフェイクからのアシストだったりを、もっと勉強していかなければいけないなと思いました。
ただ、自分たちが走るバスケットをしていれば、やれる部分もあるなと思いました。2020年に向けて、この経験を生かさなければ意味がないので、今回学んだことを生かして、コーチからも選手からも信頼される選手になりたいです。
■#14 本川 紗奈生 選手
思ったよりもアメリカ相手に自分たちのバスケットが出来ましたし、自分たちはまだまだやれるんだと、前半だけ見れば、次につながる試合となりました。課題は後半で、相手がアジャストしてきた時に、自分たちがどう攻めるのかを考えなければいけないと思っています。
個人としては持ち味のドライブが通用しました。オリンピック全体を通じて、チーム全員で1試合1試合しっかり戦うことでき、どのゲームもいいゲームが出来たことは満足していますし、2020年に向けて、次につながる試合ができたと思っています。ただ、勝てるゲームを勝ち切れなかったのは悔しいです。
■#15 王 新朝喜 選手
前半は自分たちのバスケットが出来て、10点差でも、全員が勝てる可能性があると信じてプレイしていました。後半はアメリカの強さが出て、点差にも現れてしまったが、自分も戦ってみて良い経験にもなったし、たくさん勉強が出来ました。
(オリンピックを終えて)個人的にはプレイタイムは少なかったですが、常にいい準備をしてゲームに臨んでいました。ベンチにいて試合を見て、コーチ陣の声を近くで聞いて、とても勉強になることが多かったです。メダルには届きませんでしたが、オリンピックは良い大会で、とても良い思い出になりました。
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■第31回オリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ) バスケットボール競技
日程:2016(H28)年8月6日(土)~8月21日(日)
※女子決勝:20日(土)/※男子決勝:21日(日)
会場:Carioca Arena1(決勝ラウンド/男子 予選ラウンド)
Youth Arena (女子 予選ラウンド)
女子 出場国:12か国
[グループA]①オーストラリア、②フランス、③トルコ、④日本、⑤ベラルーシ、⑥ブラジル
[グループB]①アメリカ、②スペイン、③カナダ、④セルビア、⑤中国、⑥セネガル
JBA大会特設サイト:
http://www.japanbasketball.jp/rio2016/
FIBA大会公式サイト
http://www.fiba.com/olympicswomen/2016/
▼日本戦 試合結果(※日本時間)
8月7日(日) ○ 77-73 予選① vsベラルーシ
8月9日(火) ○ 82-66 予選② vsブラジル
8月10日(水) ● 62-76 予選③ vsトルコ
8月12日(金) ● 86-92 予選④ vsオーストラリア
8月14日(日) ○ 79-71 予選⑤ vsフランス
8月16日(火) ● 64-110 準々決勝 vsアメリカ
◇テレビ放送
http://www.japanbasketball.jp/rio2016/broadcasting/
◇民放TVオリンピック公式競技動画サイト「gorin.jp」
http://www.gorin.jp/live/20160816/BKBK.html
[アプリダウンロード]http://www.gorin.jp/app_info/
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◆日本代表「AKATSUKI FIVE」特設サイト
http://akatsukifive.japanbasketball.jp/
◆女子日本代表選手 公式Twitterアカウント情報
#4 近藤 楓 選手 https://twitter.com/4__KONDO
#5 宮澤 夕貴 選手 https://twitter.com/5__MIYAZAWA
#6 間宮 佑圭 選手 https://twitter.com/6__MAMIYA
#7 栗原 三佳 選手 https://twitter.com/7__KURIHARA
#8 髙田 真希 選手 https://twitter.com/8__TAKADA
#9 三好 南穂 選手 https://twitter.com/9__MIYOSHI
#10 渡嘉敷 来夢 選手 https://twitter.com/10__TOKASHIKI
#11 長岡 萌映子 選手 https://twitter.com/11__NAGAOKA
#12 吉田 亜沙美 選手 https://twitter.com/12__YOSHIDA
#13 町田 瑠唯 選手 https://twitter.com/13__MACHIDA
#14 本川 紗奈生 選手 https://twitter.com/14__MOTOKAWA
#15 王 新朝喜 選手 https://twitter.com/15__O_Asako