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U28 YOC (ヤングオフィシャルズキャンプ) 開催報告
2020年2月13日
今回の研修会に参加した皆さん
映像を使っての英語でグループプレゼンテーションの様子
当協会 (JBA) では、若年層からの FIBA レフェリー、トップリーグレフェリーの育成を目的として、去る2020年 1 月 7 日~8 日の 2 日間、全国より推薦された28歳以下の審判員を対象に「YOC (ヤングオフィシャルズキャンプ)」を開催しました。
参加者は、スカイホール豊田 (愛知県・豊田市) で開催された B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2020 大会にて審判を担当し、試合のハーフタイムの間のアドバイスや試合後に審判インストラクターからフィードバックを受けて審判技術の向上を図りました。
講義では、講師の方々にインテグリティ、3 PO メカニクス、FIBA / プロフェッショナルレフェリーの取り組みなどをお話しいただき、参加者については、この研修日までに 4 グループに分かれ、実際のトップリーグの試合の映像検証を行い、研修会当日はその検証結果について英語でのグループプレゼンテーションを行いました。判定、コミュニケーション、プレゼンテーションなど、研修生はテーマに沿って英語で発表し、ディスカッションするなど、非常に内容の濃いキャンプとなりました。
今回の研修会では、全国の28歳以下の審判員が同世代の仲間と知り合い、講義や実践を通して互いに目標や夢を語り、切磋琢磨しました。研修生は、この 2 日間の研修で得た成果を各々の審判力の向上の為だけではなく、それぞれの地域に持ち帰り、各都道府県・ブロックへと還元します。
JBA は今後も若い力を育成、発掘する機会を弊協会では積極的に推進していきます。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
【担当インストラクター】
・阿部 哲也 (JBA 公認 1 級審判インストラクター)
・湯浅 剛 (JBA 公認 1 級審判インストラクター)
・漆間 大吾 (FIBA レフェリー / JBA公認プロフェッショナルレフェリー / JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 1 級審判インストラクター)
・尾形 美樹 (FIBA レフェリー / JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 1 級審判インストラクター)
・加藤 誉樹 (FIBA レフェリー / JBA 公認プロフェッショナルレフェリー / JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 1 級審判インストラクター)
・平出 剛 (JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 2 級審判インストラクター)
・堀内 純 (FIBA レフェリー / JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 1 級審判インストラクター)
・宇田川 貴生 (審判委員長 / 審判セクションダイレクター / JBA 公認 T 級審判インストラクター)
・上田 篤拓 (JBA シニアテクニカルエキスパート / FIBA レフェリーインストラクター / JBA 公認 T 級審判インストラクター)
【講師コメント】
■尾形 美樹 (FIBA レフェリー / JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 1 級審判インストラクター)
このたび、本研修会に講師として参加させていただきましたが、私も数年前までは受講生の立場であったことを懐かしく感じました。我々、講師のメンバーもこの研修会を経て、今では国際審判員として広く活動しています。そのような素晴らしい研修会に関われたことを大変嬉しく思います。2 日間という短い期間ではありましたが、全国の志高い若手審判員の皆さんから大きなエネルギーをいただくとともに、あらためてトップリーグに携わる責任を感じました。自分が参加していた頃と比較し、研修会の内容は大きく進化しており、精神的にも体力的にもハードな日程だったと思います。インテグリティの解説、3 PO の基本的なメカニクスの確認から始まり、映像検証をもとに英語でのプレゼンテーション、国際審判員及びプロフェッショナルレフェリーの生の声を聞くなど、とても新鮮な内容で、研修会に参加したからこその情報もあったのではないでしょうか。そして何よりも、28歳以下の参加条件を忘れてしまうほどに、参加者の皆さんが落ち着いたレフェリングをされていたこと、そして皆さんが多くの情報と知識をお持ちだったことに大変驚かされました。日頃から様々な情報を貪欲に求め、日々研鑽していることがうかがえました。今後もぜひ継続していただきたいと思います。
一方で、研修会の場でも話があったとおり、審判のゴールが必ずしも『国際審判員になる』ことだけではないと思います。国際審判員やプロフェッショナルレフェリーになることは素晴らしいことですが、S 級審判員になってトップリーグを担当すること、A 級審判員になって全国大会で活躍すること、B 級審判員としてブロック大会や都道府県大会で活躍することなど、すべてにシーンで審判は必要な存在です。まずはそれぞれの立場で、地に足を着けて活動を続けていただくことが大切だと思います。以前は、私自身も国際審判員になった自分を想像することはできませんでした。今回の研修会に参加された皆さんにとっても、またこれからこのような研修会に参加したいと願う方々においても、いつ、どのような転機が訪れるかはわかりません。挑戦できる環境にある方はぜひより高いレベルへのレベルアップを目指して準備をしていただきたいですし、皆さんそれぞれが抱く『審判への想い』はこれからも大切にしていただきたいと思います。今後の皆さんのご活躍を心より願っています。
■加藤 誉樹 (FIBA レフェリー / JBA 公認プロフェッショナルレフェリー / JBA 公認 S 級審判 / JBA 公認 1 級審判インストラクター)
本キャンプでは、19歳から28歳までの25名の将来有望な審判員の皆さんが一堂に会しました。2 日間という短い時間ではありましたが、コート上でのレフェリングはもちろん、座学や英語でのグループディスカッションなど、コートの外でのセッションに対しても非常に意欲的に準備し、熱心に取り組む参加者の方の姿勢が印象的でした。
コート上でのレフェリングとしては、以前に比べてほとんどの受講生が基本的な 3 POのメカニクスをしっかりと理解されており、日頃からの各ブロックや都道府県でのご指導と個々の審判の皆さんの取り組みの成果が見えました。ゲームを円滑に進めるための土台となるのは、ベーシックなメカニクスの実践とその上での競技規則やプレーコーリングガイドラインに沿ったベーシックなプレーコーリングです。これからも基本に忠実に、コツコツと取り組んでいきましょう。
コート上でのレフェリング向上の重要性については言うまでもありませんが、国際舞台で活躍する、あるいは国内でも男女トップリーグなどで外国籍プレーヤーやコーチと一緒にゲームをより良いものにしていきたいと、今後さらなる高みを目指される皆さんは、レフェリングの技術に加えて、語学やコミュニケーション能力にもさらに磨きをかけていただければと思います。
どんなゲームでも自分ひとりでコートに立つことはできません。まずは身近で支えてくれる方々を大切に、そして今回出会うことのできたかけがえのない仲間も同じように大切にしながら、目の前の1試合1試合に向き合っていきましょう。近い将来、一緒にコートに立てる日を楽しみにしています。
【参加者コメント】
■前田 紗希 (B 級審判員)
講義では「インテグリティ」「 3 PO メカニクス」について学び、学んだことをクルーで確認しながらゲームに臨みました。担当する試合を円滑に運営し、かつ正しい判定をするためには、プレゲームカンファレンスが重要であり、ベーシックを積み重ねることの大切さをあらためて実感しました。また、試合後に映像を用いて講師の方々と試合の振り返りを行うことで、自分の課題を明確にすることができ、他の研修生の良いところや改善方法を共有することができました。映像を用いて英語でグループディスカッションを行った際には、検証した内容を英語で表現する難しさもありましたが、自分の考えや相手の意見を英語でディスカッションすることの楽しさを味わうことができました。普段味わうことのない経験をさせていただき、今回学んだことを、今後のコートの中で活かしたいと感じました。
今回研修会に参加させていただき、講師の方々はもちろん、同年代の研修生と互いに高め合いながら学ぶことができたことに感謝しています。すべての時間が今後の糧になる有意義な時間だったと思います。この経験を忘れずに日々研鑽を積み、また、一審判員として今回の経験を自分の周囲の方々に還元していくなど、バスケットボールの価値を高めることに微力ながら励んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。
■深野木 慧 (B 級審判員)
まずオンザコートでは、ゲームを預かる上でベーシックなレフェリングをクルーと共有・実践しつつ、それぞれの課題にトライしました。試合後は、講師の方々とともゲームを振り返り、率直に評価していただくことを通して、今まで見えていなかった自身の改善すべき点が多々認識でき、新たな視点で自分のレフェリングを見つめ直すきっかけとなりました。個人的には、必ずB リーグの舞台へ立つという決意をあらためて強く持つことができました。
「若年層からの FIBA / TLGレフェリーの育成」という目的のもと企画された、英語でのグループディスカッションも経験できました。普段と同じことを英語で行うだけなのにとても新鮮に感じ、難しく思いました。英会話能力向上の必要性を身をもって痛感でき、さらにモチベーションに直結する素晴らしい取り組みであったと感じています。
今回の学びをブロックや都道府県、地元連盟へ持ち帰り、伝達すること、そして自分自身が今後も日々研鑽を積んでいくことが日本のバスケットボールの未来を明るくし、そして「日本をバスケで元気にする」ことにつながると心から思えました。このような素晴らしい機会をいただき、これまで関わってきてくださったすべての方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。