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平成24年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 第6回キャンプ開催報告

2012年12月31日

 第6回「ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン)」(※以下キャンプ)は、12月14日(金)~16日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて実施しました。

 今回のキャンプにおいてトーステン・ロイブルコーチは、「コーディネーションドリルの継続」「技術を向上させる練習」「ペリメーター(ペイントエリアの外側から3Pシュートエリアの範囲)からのオフェンス練習」という3つのコンセプトで練習を行いました。「バスケットボールは対応力と判断力が大事なスポーツです。変化する状況に対していかに対応し、正しい判断ができるかが重要です。また、それぞれに技術競争を入れて、闘争心を煽りながらモチベーションを高めさせ、戦うことの楽しさを知ってもらう練習内容にしています。1on1や3on3は勝ち残りにしているため、疲れている中でもしっかりした判断をし、闘争心を持って臨むような環境を作っています」。ペリメーターからのオフェンスについては、「参加選手のほとんどはビッグマンとは言え、今後はインサイドではなくアウトサイドで活躍する選手にならなければなりません。もちろん、これからさらに身長が伸びる選手もいるかもしれませんが、それだけは誰も分かりませんので、今のうちに2番、3番の技術を植え付けて将来につなげたいです。日本代表の平均身長を上げることが重要であり、そうなれば2m15cmなどの大きな選手がいなくても、世界に太刀打ちできる可能性が出てきます」とロイブルコーチが話すように、原石を磨く作業を時間をかけて行っています。

 また、第2回キャンプに続き、日本代表の大型シューターとして活躍された池内泰明コーチを迎え、シューティングとウイングからの1on1、シュートに行くまでのキャッチやターンの仕方を教わりました。池内コーチは、「ターンやキックを身につけることで楽にシュートまで行ける。バスケットの動きは実にシンプル」と話し、選手たちも教わった動きが有効であることを実感しながら練習に励んでいます。「自分のシュートレンジを覚えるためにも、1on1をしながら自分にとって一番良いポジショニングを覚え、どこでボールをもらったらオフェンスしやすいかを知ることが大事」と教わり、選手たち自信のオフェンスエリアを理解することに務めました。

 第6回キャンプの内容は以下の通りです。

第1日目/12月14日(金)
13:30 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:30 フィジカルトレーニング
17:00 個人練習(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
19:00 プロジェクトアドベンチャー
20:00 スピーチ(※毎日数名の選手が代表し、気付いた点などをみんなの前で発表)

第2日目/12月15日(土)
6:15 シューティング
8:00 勉強会
9:10 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
10:30 フィジカルトレーニング
13:30 個人練習(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
14:00 バスケットボールスキル(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
15:40 フィジカルトレーニング
17:00 個人練習(トーステン・ロイブル コーチ/JBAスポーツディレクター)
19:00 IT教育支援
20:00 スピーチ

第3日目/12月16日(日)
6:15 シューティング
8:00 勉強会
9:00 バスケットボールスキル(池内泰明コーチ/拓殖大学ヘッドコーチ)
11:10 フィジカルトレーニング
12:00 閉講式

 参加者の中から鶴田 美勇士選手(東海大学付属第三1年/195cm)、野口 夏来選手(福岡大学附属大濠1年/201cm)の2人は、キャンプ後から始まるウインターカップ2012に出場しました。「日本一になる目標があり、今回勝ち進めば準々決勝で延岡学園と当たるので、延岡学園を倒してベスト4へ進み、それで勝って日本一になりたいと思います」と話す鶴田選手は、第1回目のキャンプでのメンタルトレーニング講義の際、今年の夢に「日本一」と書いていました。参加者の中で一番大きい201cmの野口選手は、「ゴール下でのスキルを教わり、それを試合中に試してみて通用することが実感できています。ゴール下で慌てなくなりました」と、手応えを感じています。そして、2人とも「キャンプを終えて帰ると、チームのみんなからうまくなっている、と言われます」と話していました。1年生ながら鶴田選手はスターターとして活躍し、野口選手は少ない時間ながらもウインターカップの舞台でプレイする経験を得ました。

 ナナーダニエル弾選手(横須賀学院中3年/191cm)は、男子U-16日本代表候補選手として、ドイツ・チェコ遠征メンバー13名に選ばれました。男子U-16日本代表の井手口 孝ヘッドコーチは、「どんどん吸収しており、日に日によくなっています」という感想を述べています。ウインターカップ、そして同世代の日本代表を経験した選手たち。今後のキャンプで体験したことを他の参加者たちに話すことで、一人ひとりのモチベーションが高まります。

 キャンプも残すところあと2回となりました。次回第7回は、年明け1月4日(金)~6日(日)に実施します。また、最終回となる第8回は味の素トレーニングセンターが全館停電となるため、当初予定していた2月2日(土)~4日(月)から2月15日(金)~17日(日)に変更となります。

第6回ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 指導スタッフ紹介 ※敬称略

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)、池内 泰明(拓殖大学)、本永 昌生(通訳)

【プロジェクトアドベンチャー担当】
長尾 彰(長尾考務店)、中川 綾、飯田 琢郎

【IT講習会担当】
中村 暢也(データスタジアム)、糸満 盛晃(データスタジアム)、水原 健太(データスタジアム)

【フィジカル担当】
小山 孟志(公益財団法人日本バスケットボール協会)、宮崎 智之(江戸川大学)

【トレーナー担当】
西村 航(公益財団法人日本バスケットボール協会)、川上 洋次(城所整形外科)

【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【指導スタッフ】
岡田 義弘(日本大学豊山中学校)、小林 良久(つくば市立吾妻小学校)、吉元 研吾、植松 孝之(世田谷区立芦花中学校)、末広 朋也(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(天理大学)、横嶋 暢貴(北海道札幌工業高校)、古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)