ニュース

【FIBA 3×3 アジアカップ2025 / 現地レポート (男子)】昨年を上回る 4 位に。大会得点王の小澤選手は大会ベスト 3 に選出

2025年3月31日

 3×3 男子日本代表は 3 月30日 (日) に「FIBA 3×3 アジアカップ2025」の最終日を迎えて決勝トーナメントに臨み、準々決勝で開催国のシンガポールを 21-19 で破りましたが、準決勝で中国に 15-19 で敗戦。ニュージーランドとの 3 位決定戦に最後の力を振り絞って挑むも 18-21 で届かず、目標のメダル獲得はなりませんでした。

[大会概要]
〇 大会名:FIBA 3×3 アジアカップ2025
〇 日程:2025年 3 月26日 (水)~30日 (日) ※26・27日両日は本選出場チームを決める予備予選
〇 開催国:シンガポール
FIBA 大会公式サイト https://fiba3x3.basketball/2025/asiacup

「本当にスタッフ陣のおかげ」(出羽)

 本選の予選プール戦でイラン、オーストラリアの強豪国を撃破するなど、大会で印象深い活躍を見せたことは間違いありません。選手とコーチ・スタッフによる総力戦で、昨年の 7 位からチームの最終順位を 4 位に押し上げました。

 接戦となったシンガポール戦では終盤、#13 小澤崚選手 (177cm / ALPHAS)の 2 ポイントシュートで 19-17 と勝ち越しに成功。タイムアウト直前のディフェンスでは #7 出羽崚一選手 (190cm / SHINAGAWACC WILDCATS) らしい鋭いディフェンスでボールを奪い、KO 勝ちにつながる小澤選手の 2 ポイントシュートをお膳立てしました。

 この場面について出羽選手は「スカウティングして、シンガポールのセットプレーがくると分かっていました。本当にスタッフ陣のおかげだと思っています」と明かしました。

(#7 出羽崚一)

「しっかりと準備して3位決勝戦に」(小澤)

 準決勝で中国戦に敗れて、短い時間のなかで臨んだ 3 位決定戦。序盤から出羽選手がオフェンスでチームに良い流れをもたらし、#24
仲西佑起選手 (191cm / UTSUNOMIYA BREX) と、#15 井後健矢選手 (198cm / SAGAMIHARA PROCESS / HIU ZEROCKETS) が息のあったプレーを見せますが、相手のオフェンスを食い止められませんでした。小澤選手は次のように振り返ります。

「スタッフからのスカウティングを聞いて、相手のガード陣のシュートが当たっているため、オフボールからマークを離さないように意識しましたが、リバウンドで一歩足が出なかったり、結果的に球際で詰められなくて相手の 2 ポイントシュートにつながってしまいました。しっかりと準備して 3 位決勝戦に臨みましたので、コートで表現できなかった自分たち選手の責任だと思っています。悔しいです」

 一方で、井後選手もメダルが獲れなかった悔しさを隠しませんでしたが、今大会を通じてオフェンスだけでなく、課題のディフェンスで奮闘した姿がうかがえました。その取り組みについて聞くと、チームのサポートがあったようです。

「代表合宿の最初の頃はディフェンスでファウルになってしまうことが結構多かったのですが、今大会は我慢しながら相手に圧力をかけて、スイッチすることができたと思います。これもコーチ陣のおかげであり、チームみんなのおかげです。代表活動を通じて、僕を引き上げてくれたと実感しています」

(#13 小澤崚)

「夢や希望として伝えることができた」(井後)

 目指していたメダル獲得はなりませんでしたが、国内で 3×3 をメインに活動する選手たちによってアジアで戦える姿は十分に見せてくれました。チームをけん引した小澤選手は 4 位のチームながら、大会ベスト 3 に選出。4 試合で大会最多の51得点を積み上げました。これも 3×3 男子日本代表の歴史に刻まれる確かな結果です。

 そして代表復帰した仲西選手は 2 年前から大きな成長を遂げ、出羽選手、井後選手という初代表の選手たちも奮起しました。井後選手は前回大会準優勝のイランを下し、今大会で優勝したオーストラリアに唯一の黒星をつけたことで「日本で本当に 3×3 の選手として生きてきた落合 (知也) 選手や齊藤 (洋介) 選手、成瀬 (新司) 選手、小松 (昌弘) 選手、鈴木 (慶太) 選手といった先輩たちから受け継いだものを、その下の世代で頑張っている選手たちに夢や希望として伝えることができたのではないかと思っています」と話しました。

 そんな 3×3 男子日本代表は 6 月23日 (月) からモンゴル・ウランバートルにて開催される「FIBA 3×3 ワールドカップ2025」への出場が既に決まっています。シンガポールで得た収穫と課題を糧に、進化した姿で再び世界を沸かす活躍に期待しましょう。

(#15 井後健矢)

(#24 仲西佑起)

*****
【大会最終結果】
優勝:オーストラリア
2 位:中国
3 位:ニュージーランド
4 位:日本

(#13 小澤崚は大会得点王、1 試合個人得点 FIBA 新記録を樹立するなどして、最終成績 4 位ながら大会ベスト 3 に選出された)