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女子U16日本代表:第1次強化合宿レポート「自分から身体を当て、一度相手を飛ばしてからシュートを打つことを意識」渡邉瑠花選手

2025年4月17日

大きな相手を想定し、ゴール下のシュートを狙う権藤寧々選手

練習前から3Pシュートを打ち込む渡邉瑠花選手

 「FIBA U16 女子アジアカップ2025」(9月22日~28日/マレーシア・クアラルンプール)へ向け、女子16日本代表は4月14日(月)〜16日(水)の期間、第1次強化合宿を実施。昨夏まで女子日本代表スタッフとして世界に挑んできた鈴木良和ヘッドコーチだからこそ、「オリンピックでの経験を継承する責任を果たしたい」と力を込めます。女子日本代表も練習期間は限られますが、アンダーカテゴリーはさらに短期間で選手を選考し、チームを築きあげていかなければなりません。しかし、鈴木ヘッドコーチは妥協することなく、“日常から世界基準”を選手たちに求めています。

「伝えるべきことを削り、シンプルにして思いっきり戦わせることもひとつの道ですが、それでは上のカテゴリーへつながっていきません。また、思いっきりプレーすれば結果が出る世界でもないのが、日本代表です。戦術的な賢さや相手のディフェンスを見極めてどう攻めるかといった判断は、まだまだ不慣れな年代です。それでも、最低限見えなければいけない判断すべきラインをしっかり作ってチャレンジさせています」

 権藤寧々選手(聖カタリナ学園高校2年)は「日本は小さい分、機動力では負けられません。まずディフェンスをがんばって、リバウンドでは先に身体を当てることや相手が大きい分、どう取らせないようにすれば良いかを考えていきたいです」とはじめての国際大会をイメージしながら練習に励んでいます。オフェンスでも相手の高さや腕の長さを考慮し、「シュートを工夫していかなければいけないです。このチームの中でも身長は低い方なので、3ポイントシュートの精度をもっと上げていきたいです」と選考を勝ち抜くために必要なことも見えてきました。

 渡邉瑠花選手(県立山形中央高校1年)のポジションはセンターですが、他の選手に比べると176cmは少し見劣りします。現在の日本代表はすべてのポジションに3ポイントシュートを求められ、どのカテゴリーでも共通しています。「積極的にシュートを狙って、そこで打てなかったらドライブなど他のプレーで打開できるように意識しています」という渡邉選手。進学した県立山形中央高校の中で身長は一番高いですが、日頃からアウトサイドプレーを練習できる環境で磨かれています。また、スピードを生かしつつ、「大きな相手に対して自分から身体を当て、一度相手を飛ばしてからシュートを打つことを意識していました」と状況を判断し、冷静なプレーを心がけています。

 3日間の合宿を通して、鈴木ヘッドコーチは「勝ち負けに直結するところに焦点を当て、その重要度は理解してもらえました。今は日本代表の入口に立ったばかりの選手たちですが、しっかり上を見ようとしはじめています。良い判断と高いエナジーの水準が今合宿で上がった気はしています」と話し、世界と戦うベースのインストールは完了しました。ここで学んだことを所属チームに戻ってからも継続し、世界との戦いを日々の練習でも意識してすることが大切です。