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3×3男子日本代表「FIBA 3×3アジアカップ2025」選考合宿レポート「求められるプレーをどれだけ自分ができるか」成瀬新司選手

2025年3月6日

昨年のFIBA 3x3 U23ワールドカップで過去最高の5位に輝いた堀陽稀選手

日本代表活動初参加の難しさから刺激を受ける成瀬新司選手

 3×3男子日本代表は3月4日(火)〜6日(木)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて「FIBA 3×3アジアカップ2025」へ向けた選考合宿を実施。FIBAランキング国内1位の齊藤洋介選手(UTSUNOMIYA BREX)や、東京2020オリンピックへ出場した落合知也選手(しながわシティバスケットボールクラブ / ALPHAS)など経験と実績豊富なベテランから、昨年のFIBA 3×3 U23ワールドカップで過去最高の5位に輝いた堀陽稀選手(早稲田大学)ら大学生まで17人を招集し、充実したトレーニングに励みました。

 FIBA 3×3アジアカップ2025での目標は、3×3女子日本代表と同じくメダル獲得です。すでに決まったプールは、昨年大会のチャンピオンであるオーストラリア、そして予選ドローを勝ち上がってくると予想される準優勝のイランとの厳しい組み合わせです。3チーム中上位2チームが決勝トーナメントへ進出できます。過去3年連続、5回のFIBA 3×3アジアカップへ出場してきた落合選手は、国内合宿の段階から世界を意識した準備の重要性を強調します。

「審判の笛の質も全然違い、そこは覚悟しないといけないです。また、今は体育館で練習していますが、屋外の会場はグリップやシュートの感覚なども全然違います。湿気の多いシンガポールはボールも滑るし、暑さに体力も消耗し、極限状態の中でサイズがあって動ける大きな選手とのマッチアップが続きます。対戦相手には5人制で活躍する選手もおり、当然バスケは上手いし、基礎がしっかりしていることなどをこまめに伝えて、実際にイメージできるようにながらできることとできないことをハッキリさせて世界と戦う準備をしています」

 3×3を熟知するランキングトップ選手が揃い、それぞれの経験を惜しみなく共有します。中祖嘉人ヘッドコーチは「ベテランたちは年齢が上がり、2日目以降は午前と午後の2部練習を行うタフなキャンプでした。その中でも若手を引っ張り、積極的にアドバイスしてくれることが日本代表にとって大きな力となっています。3×3の『オールジャパン』を体現してくれました」と感謝し、選手自身が成長を促す素晴らしい合宿でした。

 昨年のFIBA 3×3 U23ワールドカップへ出場した堀選手は、「世界との違いを自分から発信することを心がけていました」と還元します。198cmの大町尭舜選手(EPIC)とのマッチアップに対した際、「スピードで1on1を仕掛けることはできますが、やっぱり大きいので簡単にはシュートにいけなかったです。そこでハンドオフをするなど相手を崩して攻めた方が良いことを教わりました」と同じチームの齊藤選手からアドバイスをもらって吸収し、3×3だけではなく早稲田大学での5人制バスケに生かされます。

 Bリーグで活躍する選手の方が身体能力など個のレベルは高いですが、3×3のルールや動きに対応するところからはじめなければなりません。しかし、3×3プレーヤーばかりの今合宿は、「これまで以上にスタンダードが高い状態からスタートできています」と中祖ヘッドコーチはメリットを挙げます。パリ2024オリンピックの出場チームを見ても3×3に専念する選手が増えており、同様に3×3日本代表を構成して臨む今大会でどこまで通用するかを試す機会とします。

 近年、外国籍選手が増えていますが、SHINAGAWACC WILDCATSは日本人のみ。今合宿には、一番多い1チームから4人(伊藤尚人、出羽崚一、下川拓海、成瀬新司)が参加。FIBA 3×3ワールドツアーなど国際試合だけではなく、国内でも大きな外国籍選手を相手にプレーしてきた経験を生かしながら強みを発揮します。はじめて強化合宿に参加する成瀬選手は、いくつかの難しさを感じていました。「初参加選手としてフレッシュな気持ちやプレーで臨まなければならないですが、年齢的にリーダーシップも発揮しなければなりません。しかし、代表経験があるわけではないので、立ち回り方やバランスの取り方が難しいです」というのがひとつ。4人のチームワークが大事な3×3ですが、選考合宿では自分をアピールすることも大切です。「日本代表として求められるプレーをどれだけ自分ができるか。SHINAGAWACCでは個にあった戦術を取っていますが、今合宿ではチームの戦術に合わせていくので、そこが全く別物です」という難しさを感じつつ、新たなチャレンジに刺激を受けていました。

 学びと成長の場となった合宿を終え、FIBA 3×3 アジアカップ2025へ出場する4人+リザーバー2人の選考を行っていきます。

【FIBA 3×3 アジアカップ 2025 大会概要】
大会名称:FIBA 3×3 Asia Cup 2025 (FIBA 3×3 アジアカップ 2025)
日時:2025年3月26日(水)〜30日(日)
場所:シンガポール
▼プール
男子/プールC:日本(15)、オーストラリア(35)、予選C 1位
女子/プールC:日本(14)、シンガポール(19)、予選C1位
※上位2チームが決勝トーナメント進出
※()内の数字はFIBAランキング ※2月24日現在
大会サイト:https://fiba3x3.basketball/2025/asiacup