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女子ユニバ日本代表:第2次強化合宿レポート「大学4年間で上達したところを試したい」佐藤多伽子選手
2025年2月3日
新たなチームメイトの前で次々とシュートを決める粟谷真帆選手
佐藤多伽子選手はトランジション速いプレーでアピール
2024年度女子ユニバ日本代表チームは1月31日(金)〜2月2日(日)の期間、第2次強化合宿を実施。2023年の前回大会で銀メダルへ導いた柏倉秀徳ヘッドコーチ率いる日立ハイテク クーガーズをはじめ、Wリーグのチームに協力していただき、実戦形式の強化を図りました。
小笠原真人ヘッドコーチは「ファンダメンタル」「エナジー」をキーワードに合宿がスタート。「相手のレベルが上がれば上がるほど、勢いだけでは無理です。その裏付けとなるファンダメンタルスキルがなければ、世界を相手にシュートまで持っていけません」とボールを守り、そしてつなぐ基本技術が大事になります。ミスが起きれば練習を止め、バウンドパスやピボットなどの練習を繰り返しました。1対1、リバウンド、トランジションディフェンスなどファンダメンタルを強調したことで、最終日のスクリメージでは「良いプレーが見られました」と小笠原ヘッドコーチは評価します。
もうひとつのキーワードである「エナジー」に関しては、「この年代がしっかりと次のカテゴリーへ上がっていかなければ、女子日本代表は強くなりません。この機会に成長し、女子日本代表が脅威に思うようにしていきたい。だからこそエナジーが絶対に必要であり、それがなければ女子日本代表選手たちにも挑めません。がんばって押し上げ、自分が女子日本代表になるという思いで挑んで欲しいです」というのが狙いです。
女子日本代表のコーリー・ゲインズ ヘッドコーチが3日間帯同し、練習を視察。就任会見では、若手選手に経験を積ませる重要性を説き、選考基準のひとつとして同じく「ハイエナジー」と言及。ゲインズヘッドコーチの前でも選手たちは変わらぬ元気な姿を見せ、エナジーを発揮。合宿最終日には、ゲインズコーチからアドバイスが送られましたので紹介します。
「みんなのエナジーは感じられました。細かいことですが、それが大事です。もうひとつ大事なことは、自分の役割を知ること。必ず誰しも役割があり、それを分かってプレーした方がより上達できます。細かいことでも何でも良いから自分の得意なことやできることをを示してください。次のカテゴリー(女子日本代表)で会えるのを楽しみにしています」
大学4年生はアーリーエントリーでWリーグへ進み、すでにプレータイムを得られている選手もいます。インカレで大学日本一となり、MVPに輝いた佐藤多伽子選手(白鷗大学4年)は、Wリーグ フューチャーのプレステージ・インターナショナル アランマーレに入団。今合宿ではWリーグ プレミアのチームと対戦する機会となり、「ファストブレイクで走ることなど、トランジションの中での速いプレーは通用できたと思います。でも、ディフェンスでは身体が強くて押され負けたのをすごく感じたので、まだまだ成長しないといけないです」と課題が見つかりました。
佐藤選手は2021年にハンガリーで開催されたFIBA 女子U19ワールドカップに出場。世界9位となった経験を振り返り、「当時はハンドラーとしてのプレーはまだできていませんでしたが、大学4年間で上達したところを試したいです。ディフェンスでは、簡単に抜かれないように一人守れるようになったのが大きく変わったところです」と成長した姿を見せるためにアピールします。
練習相手として胸を借りた日立ハイテク クーガーズに入団した粟谷真帆選手(筑波大学4年)。合宿前のWリーグでは初先発を任され、15点を記録。17点を挙げた舘山萌菜選手(白鷗大学4年)とともに、女子ユニバ日本代表候補選手たちが勝利に貢献しました。日立ハイテクの一員となった粟谷選手は、「以前よりも積極的にシュートを狙ったり、そこからドライブすることを意識して取り組んでいます。今合宿でも小笠原ヘッドコーチからシュートを積極的に狙って良いと言っていただいたことで、練習試合でも点数を獲ることができました」とインサイドや3ポイントシュートを決めます。
前回大会の銀メダリストでもある粟谷選手は、91-99で敗れた中国との決勝について、「競った試合展開でしたが、もうひとがんばりすれば勝てるというところで、高さの部分やリバウンドでやられてしまって点差が離されてしまいました。ここ1本がんばるぞ、というところでのコンタクトやリバウンドこそ大事な場面でがんばることができれば、そこを乗り越えられると思います」と述べ、エナジーやファンダメンタルの大切さを実感しています。
次回の強化はWリーグのシーズン終了後を予定。2025年7月16日よりドイツのライン・ルールにて開催される「FISU ワールドユニバーシティゲームズ」へ向け、前回大会を経験した選手をはじめとするWリーグで活躍する大卒ルーキーなど出場資格ある選手が加わり、さらに厳しい競争がはじまります。
■大会概要
大会名称:FISUワールドユニバーシティゲームズ(2025/ライン・ルール)
期間:2025年7月16日(水)〜27日(日)
開催地:ドイツ ライン・ルール
大会公式WEBサイト:https://rhineruhr2025.com/en