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男子U18日本代表:FIBA U18アジアカップまであと5日「スペーシングとバスケIQを活用すれば勝つことができる」ベネディクト研一郎選手

2024年8月28日

チームとしてリバウンドの意識を高める内藤耀悠キャプテン

日本で学んだことをアメリカに持ち帰って成長につなげるベネディクト研一郎選手

「FIBA U18アジアカップ2024」へ向けた男子U18日本代表の直前合宿は、8月28日(水)で1週間が経ちました。今年3月のドイツ遠征でアルバート・シュバイツァートーナメントへ出場し、世界の強豪と対戦。アレハンドロ・マルティネスヘッドコーチは「スピードがあり、全員が走ることができる」日本の強みをあらためて強調します。そのスピードをうまくコントロールしながら、「ターンオーバーを抑えること」を1点目の強化ポイントとして合宿を進めています。

海外キャンプなどの参加経験豊富な瀬川琉久選手(東山高校)ですが、日本代表として国際試合に出たのはドイツ遠征がはじめてでした。「最後のシュートを決め切ることができなかった場面が多かったです。自分は突っ込んでしまうクセがあり、もう少し視野を広くプレーしていかなければいけないです」と課題を持ち帰ります。得点でチームを引っ張る活躍を見せましたが、ポイントガードとしてターンオーバーが多かったのは反省点。チームとしても課題となったスピードをコントロールしながら、状況を見極めて判断することは今年5月に参加したディベロップメントキャンプでトム・ホーバスヘッドコーチからもアドバイスを受けていました。常に世界基準を意識し、「パリオリンピックでの日本代表戦を見ても、インサイドで得点するのは非常に難しいと感じました。3ポイントシュートの確率を上げることやフィジカルを強化し、ゲームコントロールを伸ばしていきたいです」と今大会だけに留まらず、先々を見据えたプレーをイメージしています。

2点目の強化ポイントであり、「ディフェンスリバウンドの徹底」はどのカテゴリーでも求められる大きな課題です。身長差で劣勢となる日本ですが、それでもリバウンドを取れなければ攻撃回数を増やすこともできません。ボックスアウトをしていなければ、マルティネスヘッドコーチは練習を止めて常に意識を高めています。2年前の男子U16日本代表から3×3を含め、アンダーカテゴリーで6つの国際大会に出場してきた内藤耀悠選手(レバンガ北海道)は、「1回でリバウンドを取り切ることがすごく重要だと思っていました」と意識しつつも、リバウンドで相手を上回るのは難しいのが現状です。パリ2024オリンピックでは日本代表のリバウンド数が増えていた点に内藤選手は着目し、「トップ選手たちがあれだけリバウンドに絡んでいる姿を見れば、より体が動く男子U18日本代表メンバーも当たり前のようにできなければいけないです。日本はどうしても世界に出れば小さいので、リバウンドの意識をもっともっと全員で高めていくことが必要です」と刺激を受け、キャプテンとして声をかけて徹底させます。

もう一点、強化ポイントとして「良いシュートでオフェンスを終えること」をマルティネスヘッドコーチは掲げています。2年前に就任したときからコートに立つ5人全員でボールをシェアし、いかにノーマークのシュートを選択できるかに注力してきました。シュートが決まったかどうかではなく、良いシュートを選択できることでバスケIQを高めます。マルティネスヘッドコーチは「この世代の選手にとって、考える力を少しでも成長することを大事にしています」と述べ、日本代表トップチームへつなげることを目的として考えています。

ベネディクト研一郎選手(St. George’s School)は昨年のFIBA U16アジア選手権に出場し、「はじめての大会だったので、とても緊張しました。どのチームにも2mを越える大きな選手を相手に試合をしましたが、日本には速さのある選手が多くおり、スペーシングとバスケIQを活用すれば勝つことができる手応えも感じました」と目指すスタイルを追求し、飛び級で男子U18日本代表入りを目指しています。アメリカのSt. George’s Schoolは「それほど大きくないチームで、185cm〜198cmと同じような身長の選手が揃っています。みんながガードのようなプレーをします」とオフェンスは5OUTシステムを多用し、男子U18日本代表と似ています。「マルティネスヘッドコーチは高いレベルのスペーシングを求めています。ヨーロッパのスタイルと日本の速いプレーを同時に学ぶことができる機会は、自分の成長に本当に役立っています」というベネディクト選手は、日本で学んだことをアメリカへ持ち帰って成長につなげてきました。

「ターンオーバーを抑えること」「ディフェンスリバウンドの徹底」「良いシュートでオフェンスを終えること」だけではなく、成長段階にあるこの世代の選手たちはすべてにおいてレベルアップが必要です。最終メンバー12人へ選考する合宿ではありますが、国内外から集まった14人の選手たちに少しでも多くの学びを与えながら、残り少ない時間でチームケミストリーを高めています。